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和食は食べても太らないという迷信
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もう前のところで話してしまったのですが・・・(笑)・・・ちょっと別の話。
最近はちょっと下火になってきましたが,TVで料理番組がありますよね。
プロの料理人が美味しそうな料理を作って,番組で紹介する。場合によっては出演者がそれを食べて・・・「美味い!」とか言う。
どこやらの番組の,おデブの芸能人さんだと「まいう~」とか叫ぶ(笑)。
それで和食を食べつけているはずの,(和食の)料理人さんたちでも,結構ふっくらしている人たち・・・いますね(笑)
いや,それがいかんとは言いませんが。仕事で食べる機会(味見とか)多いでしょう,きっとね。
だから仕方ないと言えば仕方ない。
洋食の料理人だからすごく太っていて,和食はそうでもない・・・ということはあんまりないような気がする。
これは和洋(場合によっては中華やその他も)の違いではないと思うようになりました。
和食でもね,洋食でも,中華でも・・・消費カロリー以上に食べれば太るのです。
食材として,カロリーの高そうなものをよく使うかどうかということはありますよ。洋食でバターをたっぷり使うのをみると,あれはカロリー高そうだなとは思う。
でも,それが皿の上にちょっとだけのっかってくるとね・・・ちょっとだけだとそれはそれで悔しいのですが(苦笑)・・・摂取カロリーが高いかどうかは,よく考えないと分かりません。
和食でもね,丼いっぱいのご飯に何か具がのっかっていたら・・・それ全部食べたら,そこらへんの洋食料理よりカロリーは高いですよ。
天丼なんか900kcalくらい平気でありますからね。カツ丼もね。
ということで,和食だから大丈夫・・・と言って,もりもり食べて,「ダイエットしてるのに・・・」とか言いながら太っていく,そういう人,結構いるのじゃないですか。
もっともね,昔読んだ面白い本を思い出しました。「サーロインステーキ症候群」という本で,わたしが読んだのは文庫ですが。かなり昔の本ですが,これもなかなか面白い本です。
書いたのはお医者さんです。腕のよい外科医らしい。
アメリカだかに住んでいた時に,非常に太ってこのままだと命が危ないという元スポーツ選手のカウンセリングをしてやせさせたらしい。
この先生の考え方は,わたしが今言っているのとはちょっと違います。もっとも,原理のところではつながっていると思っていますが。
それで,この先生は毎日運動せよと言う。具体的にはどうするかというと,毎日,30分間走りなさいというのです。
それで,自分自身も実践して減量を成功させている。
これはなかなか効果的かもしれない。先生言うには,走るということは,必ずどちらかの足が地面を離れているということだから・・・と説明する。ただ,速度はゆっくりでもいいのだと。その代わり,決して途中で止まらない。ずっと30分(か,できたらそれ以上)走り続けろという。
ランニングは結構大変というイメージがありますが,自分のペースでよければ(ゆっくりなら)割りとできますね。わたしも,やってみました。たしかにこれならできます。30分走れる。
ただね,実のところこれだけだと体重はそれほど劇的に減りません。前に説明したとおり,30分の軽いランニングだと300kcalくらいかな,消費カロリーとしては。普通の人でね。
そうすると毎日これを続けて,24日間続ければ1kg分の減量になる。1kgの脂肪=7000kcalですから。
それより,毎日ご飯を2杯我慢した方が早く減量できたりする。
だからね,ダイエットの効率からするとよくないのです。でも,この先生の言うのは一考の価値がある。
ダイエットというのはある程度の期間続けなくてはいけない。
それで,できれば生活自体が変わることが望ましいのです。ある短期間だけ何かの方法で減量して,それが終わったら生活を元に戻すとするでしょう。体重が戻ったりします(苦笑)。
元々が太りやすい生活(摂取カロリーが消費カロリーより恒常的に多い生活)だったりするとね。
そうでなくて,昔,何かの影響で太ったけれど,ここずっと体重の変化はない,健康的な生活なんだよという人ならね,一時期,減量すればいい。それで元の生活をすれば,減った体重を維持していくわけです。
でもね,そういう人は少ないね。
だいたい,太る生活を続けているんです。
そういう人は実は生活自体を変えなくちゃいけない。食べるものを変えて,仕事や活動の仕方を変えて,やっていけるようにすること・・・これが大事なんです。
ダイエットを成功させて,人生が変わった,という人がいる。
それはね全くその通りだったりします。
単にやせたから,いいことが増えた・・・というだけじゃない。それももちろんあるのですが,そもそも成功して(それが持続している人は)生活自体が変わってる。
だから,人生も変わるんです。
さて,「サーロインステーキ症候群」の著者の先生の言っていることのよいところはね,生活が変わるってところです。「毎日30分走る,走り続ける」生活をせよってことですからね。
それで前に言ったスポーツ選手については,ちゃんと食生活も改善させてる。
その彼,アメリカの一般的な食べ物を大量に食べていたんだといいます。それで,味が大味らしい。美味しいと感じないのかな・・・満足するためには大量に食べなくてはいけない。そういう状態だったらしい。
その先生,まず,ライスを買って来いと彼の家族に言ったらしい。それでご飯の炊き方を教えた。
さらに豚肉を生姜焼きにして食べることを教えた。(豚の生姜焼きはわたしの好物でした・・・余談ですが(笑))
そうしたらね,毎日の食事の量が減ったと。
美味しかったらしい。少量でも満足する。それでも,さすがに最初はたくさん食べたと思いますよ。それまで牛のように食っていた・・・らしいから。
ところが,徐々に食生活が変わって,元々スポーツ選手ですから,体を動かす気になった。それで毎日30分のランニングだと。
彼は復活したそうです。
ランニングの量が増え,食事の量が減っていった。
どんどん痩せた。家族はうれしかったらしいですね。
彼自ら,友人,知人にも勧めたそうです。
ほら,原理は同じでしょう。消費カロリーが摂取カロリーを上回るように生活を変えたのです。
後で説明しようと思いましたが,ここで言ってしまうと,運動の効果はこういうところで出ます。
どういうところかというと,直接的に消費カロリーを増やす・・・ってことよりも,そういう生活に変わると,食事の量に影響がでるんだね。
運動するっていうのは,肉体をよい状態に保つ必要があるので,食事の量がそのために必要な量に調整されるらしい。面白いね。
太りすぎている人は,食事の量が減り,痩せすぎている人は増える。
太りすぎている人はあんまり食べたくなくなり,痩せすぎている人は食べたくなるってことね。
経験的にそうです。
満腹中枢とやらが正しく機能するとかっていう専門家もいますね。
それで運動は意味がある。ついでに言うとね,感覚的な部分もありますが,運動を適度にしていると標準消費カロリーのうちの基礎代謝(生きてくだけで消費するエネルギー)がダイエットによって減るってことがない。
人間の体はよくできていて,慣れってあるじゃないですか。
ダイエットをしていて,食べる量が減る。摂取カロリーが減るわけです。それでやせていく。
ところがね,徐々にやせる度合いが少なくなったりする。
実は標準消費カロリーが徐々に減っていくから,摂取カロリーを減らしていても,その収支が小さくなって蓄積された脂肪が使われにくくなる。
それは実は基礎代謝のところが減るからなんです。真面目にダイエットを続けていても,あまりやせなくなる。
体が少ない摂取エネルギーでも生きていけるように「慣れて」基礎代謝を減らしたんです。
こいつぅ,そんなことせんでもいいのにぃ・・・とちょっと思う(笑)
でも,生理作用だから仕方ないね。
そこがね,適度な運動をしていると,基礎代謝があまり減らないと聞いたことがある。
それで減量に,ダイエット(食事療法)と同時に運動をすると効果があると。
これは経験上,まったくもってそうですね。
どちらかといえば,カロリー制限するのが大事だが,運動も適度にした時は,非常に効果的ですね。だから,できたら運動もしたらいい。
運動する生活になると,食べること自体のコントロールがうまくできるみたいです。
少しだけ(美味しいものを)食べて,満足しながら,体を動かし,気持ちよく・・・やせる。
いいことづくめだね。
「サーロインステーキ症候群」ではその事を教えているんですね。
あ,もう一度言っておかないとこの話をした理由を忘れてしまう(笑)
本の中で先生がカウンセリングした時,和食(ご飯と生姜焼き)を勧めたでしょう。
大量に食べなくても,美味しくて満足できる料理だったから(比較的・・・ですが)・・・なんです。和食って,そうかもしれない。
少量でも美味しさを感じられる料理なら,何でもいいのだとは思いますが。
逆に和食なら何でもいいという訳ではないかもしれない。
ただ,同じ量を食べるなら,和食の方が比較的カロリーが低いと思う。
あくまで一般論です。
ということで,とにかく大量に食べまくる人,そうでなければ満足しないという人には,和食を試してみるという手もあるってことかな。
和食でも大量に食べる人はだめです(笑)
(続きます)