前回ブログ記事を書いてから、5カ月以上たってしまいました。

現在の夫は、HAD(自宅入院制度)生活に戻り、落ち着いた日々を過ごしています。


1月の救急搬送では、結局1カ月間、回復のためのクリニックへ入院、体力と気力を回復しました。
入院前とその後では、見違えるように元気になりました。
ただ、入院中、右足のかかとに褥瘡ができてしまい、だいぶ良くなりましたが現在も治療中です。

 

入院前と退院後に変わったことː

 

①介護ベッドを寝室からリビングに移動。

 

スペースができて、夫の身の回りの世話がしやすくなりました。

私は一人寝室で、夜きちんと眠れるようになりました。

 

②介護リフトの導入。

 

夫は歩いたり立ったりすることが出来ないので、1日中ベッドの上で生活しています。

退院後は、介護リフトを使い、1日4時間程度、リクライニング車いすで過ごせるようになりました。

車いすで朝食をとったり、好きな作業場で時間を過ごしています。

③介護士さんが二人になった。プロによる紙おむつのチェック、交換頻度が増えた。

 

以前は、介護士さんと一緒に私も夫の清拭や紙おむつを替えていました。
しかし夫は身長180㎝、85キロ、下半身を動かせなくて、寝返りもできない状態です。
私が体力的にもう無理です、と、HADにお願いしたら、二人で来ていただけるようになりました(実際、入院中は、いつも夫の世話には、2~3人の人手が必要でした)。

また、紙おむつのチェック回数も増えました。

現在の一日のスケジュールはこんな感じです。

8時半ごろ

訪問看護師さん

バイタルチェックとモルヒネ注射、尿カテーテルのケア、紙おむつのチェック(必要なら看護師さん主体で交換、私は助手)。

10時頃

SSIAD (Service de Soins Infirmiers À Domicile 在宅看護・介護サービス)
2名で清拭、介護リフトでベッドから車いすへの移動。

 

14時

HAD

2名で車いすからベッドへ移動。

紙おむつチェック、軽いマッサージ。

 

17時頃

訪問看護師さん

翌日の薬の準備、尿カテーテルと紙おむつのチェック。

 

この穏やかな時間が長く続いてほしいです。

 

 

「今回の治療後ですが、自宅入院に戻られますか?
それとも病院に入院しますか?」

 

医師にそう聞かれた瞬間、私は考えるより先に、

 

「病院での入院でお願いします」

 

と答えていました。
あとから考えれば、それは“判断”というより、限界からこぼれ落ちた本音だったのだと思います。

 

朝の五時過ぎ。
夫が、焦げ茶色のものを吐き始めました。
それが一度や二度では終わらず、五分おきに、何度も、何度も。

 

七時過ぎにHAD(病院の在宅医療チーム)へ電話。
看護師さんが駆けつけ、嘔吐物を確認し、モルヒネの点滴量を減らし、吐き気止めを処方してくださいました。

 

できることは、全部やってくださいました。
それでも、嘔吐は止まりませんでした。

 

五分おきに、苦しそうに吐く夫。
そのたびに背中をさすり、声をかけ、見ていることしかできない自分。
時間だけが、容赦なく過ぎていきました。

 

救急搬送が決まったとき、正直、ほっとしてしまいました。
私は救急車に同乗し、夫のそばに座っていました。

 

その後、別居している息子が病院まで迎えに来てくれて、家に帰り着いたのは、日付が変わったころ。
体も頭も、くたくたで、「長い一日だった」という言葉しか浮かびませんでした。

 

夕方四時に救急車が到着するまで、私は夫のそばを離れられませんでした。
HADに何度も電話をかけ、HADから医師へ、医師からの指示待ち。

その繰り返し。

 

「このまま、何かあったらどうしよう」
不安で、胸がいっぱいでした。

 

今回のことで、在宅入院には限界があるのだと、痛感しました。

 

というのも、この日は「強力な下剤」を飲む予定だったからです。

 

十二日以上続く便秘。
看護師さんが浣腸をしても出なかった。
それでも、医師から処方されたのは強力な下剤。

 

不安で、不安で、たまりませんでした。

 

看護師さんでもダメだったのに、一般人の私に任せるの?
強力な下剤を飲んで、それでも出なかったら?
苦しんだら?
その責任を、私一人で背負うの?

 

寝たきりの夫は、最近ますます拘縮が強くなり、体勢を変えることもできません。
横向きにもなれません。

 

介護師さんと私、二人がかりでやっと支えて、おむつ交換ができる状態。
それが現実です。

 

しかも、脚の骨にはがんの転移があります。
動かすたびに痛がり、骨折のリスクにも気をつけなければなりません。

 

「在宅で看る」という言葉の重さに、押しつぶされそうでした。

 

だから、今回入院できたことに、正直、ほっとしてしまいました。
罪悪感よりも、安心が勝ってしまったのです。

 

嘔吐の原因は腸の詰まりかと思われましたが、検査の結果は胆管炎でした。
ちょうど一か月前にも、胆管炎で入院したばかりです。

 

そのときは、導尿カテーテル交換後の出血が止まらず入院しました。
結果的にカテーテルには問題はなく、脇腹の痛みは胆管炎によるものでした。

 

三泊ほど入院し、抗生物質の点滴で回復。
そして、また自宅へ。

 

それから今日まで、在宅入院という形で、毎日一度の看護師さんと介護師さんの助けを借りながら、何とか踏ん張ってきました。

 

でも――
今日ほど、「もう無理かもしれない」と感じた日はありませんでした。
 

あいうえお順

がん患者の高齢者医療 l'oncogériatrie 

高齢者のがん患者に特化した医療分野

高齢者特有の体力・合併症・薬剤耐性などを考慮して、治療やケア計画を立てる

多職種チームで診療・リハビリ・在宅支援などを総合的に行う

例:un service d’oncogériatrie → 高齢がん患者の診療部門

関連語:gériatrie(老年医学/高齢者医療)

 

緩和ケアチーム(病院内の)

Équipe mobile de soins palliatifs(EMSP)

 

骨転子 Trochanter (トロカンテール)

  • 大転子:grand trochanter

  • 小転子:petit trochanter

シリンジポンプ PSA(Pousse-Seringue Autonome)
フランスで使われる自動注射ポンプのこと。
日本語ではシリンジポンプと呼ばれ、モルヒネなどの痛み止めを少量ずつ24時間持続的に皮下や静脈から投与する医療機器。
口から薬が飲みにくい時や、痛みを安定して抑えたい場合に使われます。

 

生検 la biopsie la biopsie

組織や細胞を採取して検査する医療行為。

 

高齢者評価センター CEGE (Centre d'Evaluation Gérontologique)

高齢者評価・記憶相談・在宅支援などを行う専門センター

 

スライディングシート le drap de glissement

患者をベッド上で移動させるための滑りシート。介護・病院で使用。

 

在宅入院・在宅医療 HAD (Hospitalisation À Domicile)

病院に通わず自宅で受ける入院・医療サービス。

 

在宅介護サービス SSIAD (Service de Soins Infirmiers À Domicile)

自宅で介護師師による医療・ケアを提供するサービス。

 

胆のう la vésicule biliaire

肝臓で作られた胆汁を一時的に貯蔵する臓器。胆石や手術の文脈でよく登場。

 

肺肉腫 Salcome plumonaire

肺に発生する悪性腫瘍の一種で、肺の結合組織(筋肉、血管、骨、軟部組織など)から発生するもの。

 

リニマン le liniment

液体または乳化状の塗布剤。皮膚に塗ってマッサージ、保湿、鎮痛、清浄などに使用。赤ちゃんや高齢者のスキンケアにも用いられる。

 

老年医学/高齢者医療 la gériatrie

 

昨夜からシリンジポンプで、自動的にモルヒネを皮下注入しています。
朝までぐっすり眠れたようです。
それまでは、夜中の3時ごろから、右足の痛みや、体の節々の不快感で起きてしまっていたので。

「買い物に行ってくるから、お留守番お願いね。」

と、夫に声をかけると、

「買い物にいくの?じゃあ、ぼくも作業場の様子を見に行くよ。」

との返事。ベッドの柵を降ろそうと試みます。

 

(もう、歩けないんだよ・・・)

 

手仕事が好きで、家の作業場ではいつもなにかしら作っていた夫。

去年の十月二日、突然足の痛みで、救急入院するまでは、日中はずっと作業場で仕事をしていました。

「今はまだ歩けないんだよ。そのために、理学療法士の先生にきてもらっているでしょう?」

と、私。


辛いです。

夫は歩けないので、民間の救急車を使って予約していた病院を受診。
10月の生検の結果や、今後を話し合うためです。

息子夫婦も、同席してくれました。

 

肺肉腫 sarcome pulmonaire と診断されました。
夫の年齢を考慮したうえで、手術、化学療法、放射線治療などは行わず、緩和ケアをお願いすることにしました。

来週、病院の緩和ケアチームÉquipe mobile de soins palliatifs(EMSP)から連絡があるとのこと。

 

診断が終わり、迎えの救急車を待っていたのですが、なかなか来なくて、夫は体を支えきれず、車椅子の使用がかなり辛そうでした。次回はどうにかならないものでしょうか。

体調:


- 痛み:夜中に右脚の骨の痛み

 

- 水分摂取:1000ml程度

 

- 排尿量:500 ml


- 食事:朝 / ブラックコーヒーとスペキュロスビスケット3枚、薄めたオレンジジュース、
     夜 / かぼちゃのスープ、鳥の手羽先4本
     おやつ / Delical PRALINE 200 g ほぼ完食

- 眠り:普通

 

- お通じ:1回、17時、紙おむつ内

 

訪問:


HAD aide soignant 

-  午前:体拭き、シーツ交換
 

Infirmier HAD

- 9時:書類サイン、一週間分の、患者の状態や治療内容を電子カルテに入力、血圧測定、血液検査

 

Infirmier libérale

-  10時:バイタルチェック(血圧、心拍数、血中酸素飽和濃度測定)、服薬準備、血栓予防の注射
 

気づき・メモ:

 

HADの看護師さんが来るとわかっていたのに、うっかり9時まで寝過ごしてしまい、玄関のチャイムで飛び起きた。

HAD介護師さんに、ベッドでの、上方移動用に、スライディングシートを借りたい旨を伝えた。現在は50Lのごみ袋で対応。

 

体調:
  - 痛み:夜中に右脚の骨の痛み
  - 水分:1000ml程度
  - 食事:朝/コーヒーとスペキュロスビスケット4枚、薄めたオレンジジュース、
    夜/茹でたカリフラワー、ソシソン3枚
    おやつ/NUTRISENSE Crème LINE SAVEUR VANILLE 半分


  - 眠り:普通

  - お通じ:一回、午前中、紙おむつ内

 

訪問:
HAD aide soignant
  - 午前:体拭き、シーツ交換
   

Infirmier libérale:
  - 10:00 バイタルチェック(血圧、心拍数、血中酸素飽和濃度測定)、服薬準備、血栓予防の注射
 

気づき:
  - スマホにkindleのアプリをダウンロード、Ken Folletteの小説を読み始める。
  - 朝、女優、ブリジット・バルドーさんの訃報に驚く。