糖化は「糖」と「たんぱく質」が結びついて起きると説明されていますが、多くの方がそのイメージを良くつかめないかもしれません。
実は、「糖化」はとても身近なもので、たいていの人が「糖化した物」をよく目にしています
普段、何気なく食べているクッキー、ホットケーキ、うなぎの蒲焼、ローストチキン、北京ダックなど、茶色く美味しそうに、食欲をそそる風味のある食品はすべて、糖化を利用した調理方法で作られています。
例えば、北京ダックは、丸ごと一羽のアヒルの肉(たんぱく質)に、水飴などを含むタレ(糖)をつけて、焦げ目が付かない温度でじっくりと時間をかけて加熱調理したものです。
クッキー、ホットケーキ、うなぎの蒲焼、北京ダックも独特の風味を持ち、キツネ色に仕上げられています。
同じように日本の伝統調味料である味噌、醤油なども茶色く、風味豊かな、旨みをもった食品です。味噌や醤油が作られる過程で加熱調理は行われませんが、数年という時間をかけてゆっくり作られます。これらの原材料には、いずれも糖とたんぱく質やアミノ酸が豊富に含まれているのです。
糖化を化学的に説明すると、
「物質に含まれているアミノ酸などのたんぱく質が糖類と反応して、茶色の物質ができる化学反応」
と言うことになります。糖化の進み具合は、たんぱく質、糖類の量、加熱する温度と時間に関係します。糖類の量が多く、加熱する温度が高いほど、時間が長いほど早く進みます。
糖化の進み具合は、
たんぱく質と共に存在する「糖の量」x「温度」x「時間」の掛け算
なのです
食品における糖化は、美味しくする調理法として私たちの食生活を豊かにしてくれる素晴らしい効果をもっています。しかし、体の中で起こる糖化は老化を進める原因になってしまうという皮肉な反応なのです。
ちなみに、たんぱく質と糖の褐色変化を伴う反応は、1912年にフランスの科学者ルイ・カミーユ・マイヤール(Louis Camille Maillard)が発見したもので、その名前(ラストネーム)の英語読みを取ってメイラード(Maillard)反応とも呼ばれています
もっともっと詳しく知りたい方は
国際メイラード学会(IMARS) のホームページへ
Louis Camille Maillard の生涯 についても紹介されています。
-----------------------------
糖化ストレスの認知拡大に、ご協力ください!
下記バナー、クリック応援をお願いします。