いろいろなところで糖化による褐変化のお話をさせていただいていると、
カラメル化との違いをご質問いただく機会が多々あります。

そこで簡単な実験をしてみました。


用意したものは、グラニュー糖(ショ糖)です。ひらめき電球


グラニュー糖は最高純度の糖液からつくられる無色結晶状の糖で、
ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)からなる二糖類の一種です。

世界的に「砂糖」とは、グラニュー糖を指し、最も多く使われている砂糖です。
日本では一般的に上白糖が「砂糖」とよばれ、量も多く使われています。メモ


上白糖はショ糖を主成分としていますが、水分と転化糖(ブドウ糖と果糖の混合物)を
それぞれ1%程度含んでいますので、化学的特性がグラニュー糖と異なります。


まず、グラニュー糖を紙製のカップに取り、電子レンジ(600W)で加熱しました。


糖化は老化! de アンチエイジング-グラニュー糖-1


加熱後の融解液を計測すると、120~130℃になっていました。
この時点では、無色透明の溶液でした。


さらに電子レンジに入れて、加熱を続けました。


糖化は老化! de アンチエイジング-グラニュー糖-2

加熱後の融解液を計測すると、150℃以上になっていました。
この時、グラニュー糖は茶色に変化しました。


この実験でグラニュー糖液が茶色くなった原因に、アミノ酸は関係していません。
糖自身が150℃以上の加熱によって分解し反応した結果です。

この褐変化反応をカラメル化といいます。


グラニュー糖の融解温度は160~191℃で、結晶に含まれる不純物や水分によって

変わることが知られています。
この実験では、電子レンジ中の温度をモニタリングしていなかったので、

実際の温度は測定した温度より高くなっていた可能性があります。メモ


グラニュー糖の加熱特性 は品質によって違いがあります。

グルコースが不純物として含まれる場合には100℃で24時間保存すると

着色が起こるようです。


糖化反応は、ヒトの体温レベルである37℃でも起こります。
さまざまな糖化モデル実験では、反応速度を上げるために
糖とタンパク質・アミノ酸の混合液を37~60℃に保存しています。
しかし、この温度ではカラメル化反応の影響を受けていないと考えられます。


食品の調理や加工においては、温度がショ糖の融点(160~191℃)以上になる

場合もあるので、糖化反応とカラメル化反応が同時に起こっていると考えられます。ビックリマーク


糖化とカラメル化は、2つとも褐変化するという現象が見られることや
同時に起こることがあるので混同されがちです。

この実験については、今後もう少しわかり易く説明できるようにしたいと思います。


-----------------------------
糖化・抗糖化の認知拡大のため、ランキングアップにご協力ください!
下記2つのバナー、1日1回クリック応援お願いします。

にほんブログ村 美容ブログ アンチエイジングへ 人気ブログランキングへ
カラメル化反応は100℃以下で殆ど起こりません。