南蛮毛(なんばんもう)の抗糖化作用を紹介します。
一般名 : 南蛮毛(なんばんもう)
有効成分 : C-グリコシド(6-C-β-フコピラノサイド)など
由来 : イネ科 トウモロコシ(Zea mays L.)の花柱および柱頭の乾燥物
原料名 : 南蛮毛、コーンシルク
南蛮毛(なんばんもう)
は聞きなれない名前ですが、一般的にトウモロコシのヒゲと
よばれるクリーム~茶色の毛状の長繊維(雌花の花柱および柱頭)を乾燥させたもの
です。
南蛮毛はコーンシルクともよばれ、昔から利尿作用のある民間薬として使われています。
生薬名は「玉米鬚」(ギョクマイシュまたはギョクベイシュ)と言います。
南蛮毛の糖化抑制作用は明治薬科大学の研究グループ
により以下のことが解明されて
おり、糖尿病性腎症の進展抑制作用が期待されています。
1) 南蛮毛の抽出物中に含まれる6-C-β-fucopyranosideは抗糖化作用を示す。
(Suzuki et al., Chem. Pharm. Bull., 51(10), 1186—1188, 2003)
2) STZ誘発糖尿病ラットに南蛮毛の抽出物を1.5%含む水を飲料水として与えて
12週間飼育した結果、腎重量および尿蛋白排泄量の増加抑制作用を確認した。
(Suzuki et al., Biol. Pharm. Bull., 28(5), 919—920, 2005)
3) 南蛮毛抽出物中には多数の抗糖化作用成分が含まれる。南蛮毛の抗糖化作用は
ラジカル捕捉とは別のメカニズムが働いている可能性がある。
(Suzuki et al., Chem. Pharm. Bull., 55(1), 153—155, 2007)
トウモロコシのヒゲに抗糖化作用があるのならば、茹でる時に捨てずに残しておいて
乾燥させれば容易に利用できます。
使用法としては1日10g程度をお湯で煮出して健康茶として飲むようで、「香ばしくて、
ほんのり甘味のある味」とされています。
健康食品用に南蛮毛から抽出した素材は「コーンシルク乾燥エキス」 として福田龍(株)
から販売されています。