抗糖化作用のある成分として知られているαリポ酸について紹介します。


一般名   : αリポ酸、チオクト酸
有効成分 : αリポ酸(α-Lipoic acid)
由来     : 化学合成、ジャガイモ、ほうれん草、ブロッコリー、トマト、ニンジンなど
         の野菜や、レバーなどの肉類に微量含まれる。
原料名   : αリポ酸、チオクト酸


糖化は老化! de アンチエイジング-αリポ酸

αリポ酸はチオクト酸とも呼ばれ、分子内にイオウ原子含む化合物で抗酸化作用、抗酸化
物質の再生作用、エネルギー産生の向上作用などが知られています。


αリポ酸はもともと点滴用医薬品として利用されていましたが、2004年に厚生労働省より
食品としての使用が許可された(食薬区分の変更)
ため、ビタミンEやCoQ10と同様に
抗酸化作用のある健康食品成分として一般に広く良く知られるようになりました。 ニコニコ


αリポ酸はジャガイモ、ほうれん草、ブロッコリー、トマト、ニンジンなどの野菜やレバー
などの肉類に微量(乾物1gあたり3μg未満)含まれています。

しかし化学合成が容易なため化学合成された物質が利用されています。 てんびん座


抗糖化作用には以下のような論文ながあります。


ラットに果糖(フルクトース)を多く含む餌を45日間投与して飼育しながら、αリポ酸を
毎日36mg注射した結果、皮膚コラーゲン中AGEsの蓄積が抑制され、タンパク質の代謝
回転に関与するの酵素(プロテアーゼ)分解性低下が軽減した。
(Thirunavukkarasu V. et al., Experimental Diab. Res., 5, 237-244, 2004)


ドイツで実施された臨床試験では、糖尿病患者に対してαリポ酸を1日あたり100~1200mg、
3週間点滴した結果、1日あたり600mg/日以上で神経障害レベルのスコア改善が見られた。
(Ziegler D. et al., Diabetologia, 38(12), 1425-33, 1995)


αリポ酸には強い抗酸化能、細胞内に存在するグルコーストランスポーターを刺激して筋肉
においてインスリンによる糖の取り込みを増加させる作用、肝細胞において糖新生を阻害
する作用が確認されています。
さらに糖代謝過程のα-ケトグルタル酸塩やピルビン酸塩の脱炭酸反応にも関与しているため、
細胞内でのエネルギー生成にも作用しています。 また分子内に2つのイオウ原子を持って
いることで細胞内の重金属をトラップし、生体内の反応がスムーズに進むるよう作用している
と考えられています。チョキ


以上のように
αリポ酸の抗糖化作用は細胞内の糖類を消費しやすいようにすることで、高濃度な糖類とタン
パク質が共存する時間を短くし、糖化物やAGEsの生成を抑制すると考えられます。
また強い抗酸化作用により糖化反応の加速を抑制することも考えられます。メモ


なおαリポ酸は医薬品からスイッチされた成分である経緯から2007年8月17日付の厚生
労働省の通知
により、食品メーカーに対して過剰摂取の防止に配慮し、消費者に情報提供する
よう求めています。!!


αリポ酸については立山化成の特集サイト で詳しく紹介されています。グッド!