親に言えない秘密と言えば。買い物癖。
ありとあらゆるものを、ついつい買いためてしまう悪い癖。
部屋の奥深くしまいこんだ、色違いのバッグやシューズ。
時々、大掃除で思わぬお宝発見があるから面白い(いや、違う)。
そんな私に、パリの友人が教えてくれたのは。高級ブランドバッグレンタル作戦。
フランス人女性は、日本人やアメリカ人のように高級ブランドを無理して買ったりせず。
自分のスタイルにあったおしゃれを楽しんでいる、と勝手なイメージを抱いていたが。
それも今は昔の話。蚤の市のイメージはもはや遠く。
ハリウッドや、It Bagの影響もあって、フランス人の女の子たちも、ブランド物に飛びつくそう。
バーゲンシーズンともなれば初日から行列をなし、なんら日本と変わらぬ光景。
そんなフレンチガールズに向けて
買えば何十万円、何百万円もする高級ブランドバッグや宝石類を、1週間~1ヶ月間、
販売価格の10から20%程度でレンタルするビジネスが、このところ好調のよう。
「Sac de Luxe (=ラグジュアリーバッグ)」
女性スタッフ自身が欲しいと思う旬のバッグを中心に、
厳選した高級バッグだけを取り扱う。
2区にあるショールームに足を運び、好きなバッグを選び
その場で1週間、2週間、1カ月と決めレンタル可能。
あるいは、Webサイトから商品写真とレンタル料金でチョイス。
希望のお品が貸出し中の場合は、ウエイティング・リストに登録。
気になるレンタル料金も、かなり割安。
例えばシャネルバッグを1週間借りると約95ユーロ。
年間48ユーロのメンバー料を払えば、80ユーロにディスカウント。
貸し出し可能なバッグは、パリ市内なら2時間半以内!に
バイク便で指定の場所までお届け。
送料もパリ市内なら8ユーロ、それ以外の都市でも15ユーロ。
現在は約7000人がメンバー登録している人気サービスなのだそう。
乙女心、わしづかみ。 なの?
これ。もともとは、アメリカで人気のサービスだったらしく。
元祖大御所「Bag Borrow or Steal
」では、クロコダイルのエルメス(HERMES
)ケリーバッグ(Kelly
)も
週500ドル(約50000円)でレンタル。会員になると割引価格が適用される。
「From Bags to Riches
」も、04年のサイト立ち上げ以来、売り上げは毎年倍増。
08年度は既に前年比157%を記録しているとか。
アメリカで、流行するのはうなずける。コンディションにおおらかだから。
デパートの店頭で売っているものだって、傷や汚れのある場合もあるくらい。
レンタル価格は、販売価格の10から15%(1週間)。商品がレンタルに耐えうる寿命は、いいとこ2-3年か。
確かに、バッグを1000ドルで買うよりも、100ドルでレンタルする方がいいのかもしれないけれど。
フル稼働したら、なんとinitial2ヶ月以内にモトが取れる。なんと割のいい商売ではないか。
残りの2年近くは、減価償却も終わりウハウハ期間ということになる。
要するに、消費者側から見れば、割高ということで。
例えばロレックスの時計を月900ドルで5ヶ月借りたら、新品が買える。
さらに、最初から買っていたら、購買価格の何割かで売ることもできる。
ひとたび自分の物になったバッグを、レンタル終了後に手放せなくなり、結局買ってしまう顧客も多いとか。
レンタル後にバッグを顧客が買い取った分の売り上げが収益のうち15%を占めるそう。
消費者の心理をよく読んだビジネスなのだ。
しかしなあ。
高級ブランドの背後にある核心要素=満足感だけを得ることができても、寂しい気がする。
流行を追い続ける苦労と投資を軽減しようとという名目なのか。
日本でも同様のサービス「ORB 」が昨年展開されたが。どうなのだろう?
顧客が求めるバッグの、在庫管理や偽物対策には細心の注意を払っても。
間違いなく欧米よりメンテナンスに費用と労力を要するように思う。
だって日本人って、細かいじゃないですか。傷とか汚れとか。そしてさらには。
レンタル品を身につけた時。「素敵なバッグ、買ったのね」と言われたら、きっとレンタルと言えない。
そんな心理的な壁が、レンタルビジネスのひとつのハードルなのかもしれない。
例えば。SATC等でProduct Replacementなどでイメージ戦略が成功すれば、
キャリーとミランダの会話の真似をして、「このバッグ、レンタルよ」と明るく言えてしまえばよいのか?
私個人的には。パーティー用にまともなレンタルがあったら嬉しいけれど。
レッドカーペット上で、誰かがファッションチェックをするわけでもなく。
いつも違うものを身につける必要も、ないわけで。
私の宝の山の秘密は、一つのものを、長く使うから。
実は、新しいバッグは年間5個ほどしか買わない。
そう。友達が進めてくれたのは、私が持ち物をレンタルすればいいじゃない。と言うこと。
親に隠したお宝で、一攫千金ビジネスをはじめてみたりして。