仕事に忙殺された半年、放浪の三ヶ月の間に。多々、お修理しなくてはならないジュエリーが山積。
作業中だった彼のBirthday giftの続きは、封印。
クロスのヘッドから抜けたルビーを留め直し、切れたチェーンを繋ぎ。クラスプを交換。
NYで切れたパールの糸を換える。珠留めにするには、120センチは長すぎた。
まるでオペ中のドクターの如く。ヤットコ、バーナー、ピンセットを持ち換えて黙々と作業。
曲がったピアスの針を換え、ようやく仕事終了。
ふと思い出す。
ずいぶん前に買った、大好きなマリー・エレーヌ・ドゥ・タイヤックのペンダントトップ。
ころんとした深いグリーントルマリン。その黒にも近い、深い緑。ころんとしたフォルムに惹かれ。
高くて迷いながらも、珍しく購入したジュエリーのひとつ。(普段はちゃんとつくりますよ)。
ゆえに、倹約。5万以上するチェーンは丁重にお断り。自分でつくることにし、ヘッドだけを手に入れたのだ。
ブルーの箱を空け、久々に手に取る。
あ!傷。。。。
ま、以前のアメジストもそう。硬度が低い石の宿命。
気を取り直し、手持ち最も細小豆のチェーンを34センチに。クラスプはK18*0.3の、極細丸線でつくる。
フックがちょっと小さかった。また、なおさなきゃ。
久々にお邪魔した彫金の先生宅。手を動かし、没頭するひととき。
こんな時は、平素敬遠する作業。チェーンをつくるのもいい。ひたすら、ロウ付け。頭真っ白に。
平日の彫金教室。お仲間は、マダムたち。週末のクラスのみが、同世代の集う会。
知人友人のみに開放されている、閉ざされたお教室のみなさまは、本当に桁違いの方々ばかり。
マダムたちは、久々に現れた私に、最近の戦利品。3ctのローズカットダイヤモンドや
5ctの、プリンセスでもエメでもない、不思議なスクエアカット。びかびかダイヤのルースを見せてくださる。
私はきっと、こんなダイヤは自分の手にと留まることはないのだろうなあ。
と思いながら拝見し、デザインのIdea出し。またも、ゴージャスな指輪ができることでしょう。
その後は、明日に控えた、お孫さんたちの幼稚舎入学式の話題で持ちきり。
息子と参列した30年前の姿を重ね合わせるのだろう。
なんでもない、穏やかな時間。私はやはり、ジュエリーを触るのが好きなのだと思う。
ふと。電話の着信に気づく。
また、Bだ。不在3回。
新婚さんは、着信拒否に気づかないのだろうか。
10年使った電話番号、変え時かな。
30年後の私は。桜の季節に何を思うのだろうか。
一番急ぎにてお修理が必要なのは、私自身かな。。