Chap2-DAY6: 07, MAR, 2007 @NY-OC
早朝、4時。チェックアウト。今日はLAへ移動。
外は雪。3月だと言うのに。
雪は桜の花吹雪のように。ひらひらと空を舞う。
見上げると夜闇の光に透けている。
乾いた街に降る雪は雨よりも乾いている。音もなく。
ただただ、乾いた白い塊が静かにわたしに積もってゆく。
雪は、降り始めに気付かない。
いつしか降り始めたものが。
景色が変わって、初めて自分に積もっていたことに気付く。
そして気付いた時には。渇いていたたはずの水分は、低い体温で溶けだし、寒々しくわたしをぬらす。
純白の粉は、土に汚れ、泥となり人に踏みしだかれる。
わたしはそうして、風邪をひくのだろう。
雪は通り過ぎる恋に似ている。
わたしはきっと、雪を見るたびに、あの人を想い出すのだろう。
そんなことをぼんやり考えつつ、タクシーに乗り再びラガーディア。
この、移動日で仕事の無い1日をフルに遊ぶため、彼が朝一の便を希望したのである。
2人今度は同じフライト。ともにチェックインを済ませ、彼はBurgerKingへ。私はスタバで朝ご飯調達。
ウェイティングで腹ごしらえ。念願の隣りの席。手を繋いで2人でもたれ合い眠る。
1.5時間で乗り継ぎ。Transit後は、席がスプリットしてしまう。
「誰かに、代わってもらおうよぉ」。そう言うも虚しく、彼は「きみは窓際のほうがいいでしょ」
と言って、ほぼ満席の機内。通路逆の真ん中席に座り、日経を読む。
私の隣りお2人さんはセット。変わってもらえそうな気配無し。
彼のIsle側は、なにやら執筆中の難しそうな顔をしたMrビーン。窓際は空いている。
ちらちらと横目で見ながら、まったく意に介さず新聞に没頭する男を睨む。
どうも、周囲は皆グループ客のようで。まるで修学旅行のように皆席を替わり落ち着きが無い。
隣席のカップルに「落ち着かないフライトだねえ」と言われたその時。
クルーが離陸前のチェックを開始。要は、全員搭乗だ。彼の隣りはまだ空いている。
そちらを観ると、彼もこっちを見ていた。慌てて私も落ち着かない行動。
嬉々として、隣りに座る。並んで、スタンドで買ったゴシップ誌を読む。
やがてブリトニーやパリスの話題でふざけ、ちょっと明るいムード。
彼は私の身体をつついたり、脚を重ねて座ったり。隣りの学者に遠慮しつつ、仲良くCAへ。
9時。ジョンウェイン着。小さな空港で。何度も来訪している彼に着き進むが。
バゲッジクレームの指示がない。
さっきの学者を目印に、1つのラウンドテーブルを見るが、どうも荷物が少ない。
ふとみると、おそらくエアライン毎に別れたテーブル。ここじゃないようだ。
彼にそう告げ、先を1人観に行く。自分野と彼のTUMIを発見し、おろして彼を待つ。
外は暑くて。夏のよう。
リゾート感満載のホテルにチェックインするも、道中釘をさされる。
僕の会社の他の社員たちも、取引先も同じホテルだからね。他人行儀にしなきゃ、だめだよ。
チェックインも彼1人。私はロビーでぷらぷら。電話で部屋番号を告げられ、タワーを上がる。
彼は、「ちょっと離れてたから、その穴埋め。」そう言ってお部屋でじゃれあう。
今日は、ディズニーランドに行く予定。早くしないと、時間が無くなる!
慌てて支度し、ロビーの送迎バスを待つも。。。。。待てども、待てども、待てども。訊けども、来ない。
他人行儀に背中合わせに座ったスタバ。電話で会話する間抜けな2人。
気づくとしびれを切らした彼が、タクシー乗り場から私を呼び寄せた。
暑い暑い日差しの中、ディズニーランドへ。
でも、どことなく、ぎくしゃく。
手をつなぎ、ホッケーの会場のように走り抜けたいと目を輝かせた彼は、そこにはいなかった。
眠いのか、終始無言。
プロテインが見つからず、3本牛乳を飲んだため、おなかを壊し30分おきにトイレ。
救いは、びしょびしょに濡れるコースターで相席した子供たちと仲良くなり
次の観覧車でも一緒に楽しんだこと。
ワールドとランドを往復し、ワインを飲む。でも、私は気づいている。彼は、全く写真を撮らない。
カメラを忘れないでね。一緒に写真をとろうね。あんなに、念を押していたのに。
夜は急速に温度が下がる。二人の温度も。
パレードを見ようと言う彼に従うが、私は眠気も手伝い、凍死しそうだった。
近隣のRestaurant、ホテルは全て業界の人が泊まっているため、やむなくディズニーランド内で食事。
ワインを飲み、グリル。予想よりずっと美味しくて、よかった。
少しだけ、明日からの彼の仕事の話を聞いた。
聞き役に徹した私が投げかけた2、3の質問を彼は気に入ったようで
「相変らず、あなたの感性は鋭いね。いい質問だよ。」そういって、丁寧に回答してくれた。
でも、一日は一緒に展示会を見て欲しいとの当初の予定であったが
それに関して、何も言及は、やはりなかった。明日から4日、私と彼は完全別行動らしい。
でも、なんだかちょっと冷たい気温。冷たい彼に寂しさを隠し切れず。
部屋に戻り、いつものように彼の寝息を首筋に感じながらも。
埋まらない溝を感じ、ひとり小刻みに震え眠れぬ夜を過ごした。