DAY7:DC2日目

前夜ほぼ寝ていないことに加え、ここ数日の深酒。

頭がぼんやりして、ちっとも目が覚めない。

私は部屋に戻り、そのままベッドに倒れこんだ模様。

コートだけは友人がクロゼットに掛けてくれていたが

タイツも何もかも身に着けたまま、意識が覚める。


隣室で寝ていたはずの友人が、隣りにいる。


お酒の残った頭を抱え、身をずらすと、彼も目を覚ます。

「お水・・・・のみたい」かろうじて声を絞り出すと、ベッドにボトルを持ってきてくれる。


携帯をどこに置いたっけ。と思い立ち隣室に入ると、どうも彼はここで寝ていた形跡が在るのだが

なぜだか隣りにいる。頭が働かない。お水を飲み、また眠る。その繰り返しを3セットほど行う。


目覚める度、彼が起きていることが不思議でならない。もしや、私の鼾のせいではと不安で訊くと。

「キミがあんまり可愛いから、昨日は気になって眠れませんでしたよ」

「いつ、キスしようかと思って。ずっと悩んでたから寝不足ですよ」と、反応に困る目覚めの一言。



ベッドから抜け出せず、うだうだ、だらだら。寝たままで話す。

「今日の予定が、終わらないよ」と促され、気合で起き立つ。熱いシャワーを浴び、30分ジャクージに。

漸く目が覚め部屋に戻ると、今度は友人が寝ていた。おーい、おきてよ。声を掛けると、眠たさかちょっかいを出す。

身支度をする私に、「あなた、可愛いね。今日の服も、また素敵ですね」。そんな軽口を叩く。


結局、10時過ぎ、フレンチダイナーのブランチでスタート。


その後、世界各国のFreaMarketを見てぷらぷらと歩く。NYより暖かいので、散歩も苦ではない。

追って、彼の緻密なscheduleによるアーリントンセメタリーやHolocaustMuseum、かなり文化的な観光。


彼は何かを知っているわけではないが、命について考えるツアーとなった。

突如、彼がまじまじと私を見る。


「あなたさあ、すごく可愛いね」

びっくりした。

寒い街、彼のコートのポケットの中で手を繋いで歩く。腕を組みたいと言われ、照れる。

元々は、私が大学時代にお付きあいした彼の仲間。
なんとなく気になっていた人ではあったが、お互い相手がいたし、彼は卒業後すぐ福岡へ。
私も彼と別れ、皆とも疎遠に。そのうちに彼は渡米してしまったから、会うこともなかった。

気付くと、彼は私を見ている。恥ずかしくなり、目を反らす。不意をつかれ、抱きすくめられた。


「今日も、可愛いね」
「あなたね、目がきれい。目が好きだな」


そう言ってまっすぐ見つめられた。

どうしよう。

いや、これはいわゆる、大人の"カジュアル"な付き合いなのか。
それとも、気持ちを確かめ進めるべきなのか。

いずれにせよ、私は明日にはNYへ戻り、次に会えるのは、いつか分からない。
もはや、すっかり恋人のような雰囲気と関係になってしまった喜びを隠し切れず、不安は沸々と。


偶然、お互いに次に行ってみたい国は、同じギリシャとモロッコだった。

夏休み、一緒にギリシャにいけたら楽しいね。などと、ちょっと楽しい計画を立てながら。

今日は節分。折りしも節目の日。鬼を探し豆を捲かねばならぬのか。


いったい、どうなるのかな。