腐れ縁



そんなものが、この世にあるのだろうか?


そう思いつつも。

すがりたくない縁。清算したい関係を想い。

縁結びならぬ、縁切り神社へと訪れる。


悪縁を切ってこそ、良縁が生まれます


そのキャッチフレーズに思わず惹かれる、アホな私。


報恩講の後、あまり時間がなかったのですが


清水寺~地主神社~八坂神社~安井天満宮


と、東山コースを辿る。


東山は静かで鄙びた雰囲気が好きであるのは

いつも清水さんを避けていたから。

久々に通る坂は、あまりに多い観光客で溢れ返り。



それはそれは、やはりその山から一望に見下ろす京都市内。

その景観は素晴らしいものがあるけれど。

私はもっと、静かな京都が好きだ。

同じ人の多さでも、本願寺の方がずっと心穏やかな時を過ごせる。



AX時代の同僚が教えてくれた、スピリチュアル カウンセラー 江原さんお薦めのパワースポット地主神社。

ハートの御守、プラスティックのお賽銭箱。大行列。あまりの商魂に閉口。




そんなに人は縁結びを求め、訪れるものなのだろうか。


もと来た道を戻り、二の坂を降りる気にはなれず。


足早に離れ、東山の葬儀上方面から、5条まで戻る。

八坂さんへ。


こちらも、やはり人だかり。


やはり早々に立ち去る。


いまだ、人ごみにいると圧迫感を感じてしまう病んだ心。


ぷらぷらと南に下がり、安井八幡宮へ。


縁結びの神社は数あれど

面白い縁切りをうたう神社である。


いい具合に鄙び、人も少ない。

日も傾いた時刻に、ようやくほっと一息がつけた。


この神社のこの洞穴は、過去と未来に繋がると言う。

まず、祈祷を短冊に書き、このカマクラに貼り付けることから始まる。


手前からこの小さな穴をくぐり、現存の悪縁を断ち切る。

そして、裏からくぐり、新しい良縁を迎える。


いたってシンプルであるが、至って気持ちがよい。


*但し、肩幅の広い人、メタボリックの方はくぐれませんのでご注意。



この小さなお宮さんでお参りし。何となく、すっきりした気持ちになる。


元彼と別れて、2年。それでも彼が最愛の人であるMK。

珍獣と別れたと思いきや、社内不倫を始めたMCのために、縁切り&縁結び2個おついになったお守りを買う。


私には、御守はなし。ここに詣でたことを、心に刻もう。


足取り軽く、すっとした気持ちでのぞみに乗り。

2人でいつも歩いた高輪をやり過ごし、MKに早速御守を届け。

2人で、私の大好きな鯖鮨と、MKのお土産うまき、手羽先を食し、過去の恋愛を断ち切る話をした夜。


そう思って、後にした京都のはずだったのに。


何故、また繋がってしまうのか。


MKからも、メールが来た。

バンドエイド、使って。プーさんがいい?ミッキーがいい?と、泣きそうなメール。

聞けば、彼の家に行ってしまったと。

一人ぶち切れ、彼女が置いていったであろう、バンドエイドの箱を全部開けてぶちまけてきたと。

折りしも、私がなぜだか、奴からの電話に出てしまったと同じ時刻。


縁を結ぶのは、簡単である。

しかし、縁を切るのは。いかようにすればよいのか?実に難しいものである。