2007年。早いもので、喪中のため、そっと静かに過ごした3が日も過ぎ。
明日から、仕事始め。
・・・でしたが、辞めたので仕事は無いんでした。
2006年、私にとってとても大きく、激しく、辛い別れの年となった。
その別れのひとつひとつが昇華できず、咀嚼できず。やり切れぬ思いを抱えた大晦日。
年末、彼と頻繁に連絡を取り合ってしまったためか、気持ちの切り替え、新年を迎える準備、
なにひとつできないままの焦燥感と、情けなさを感じていた。
11月、母の妹、叔母が僧侶となった。
母の生家はお寺ゆえ、叔母はお寺に嫁いでいたのだが。猛勉強の末、先月晴れて僧侶となった。
その話を聞いた時から、叔母にお供養をお願いしたいと話していた。
年末の超繁忙時期に来訪することは憚られたため、松の内が終わった頃に来訪する予定であったが。
すっきりしない気持ちを抱えていた私は、突如、師走の慌しい時期と知りつつ厚顔に読経を依頼した。
そして、迷った末に。
5分前にメールし、彼にもその情報を共有した。すべてを、振り切り潔く別れるためにも。
再び去来する悲しみと、いたたまれぬ想い。弱く無力な自分に涙がとまらず。
他人に優しく、感謝を忘れず。赦せるように。素直に自らの非を認め、誠実でいられるように。
そんな、足りない強さを持てるようそっと、小さな力を貸して欲しいと願った。
慌しい時の中、1時間の静寂。家族と共に、仏前にて2006年との対話をした。
忙しい中時間を割いてくれた叔母に感謝しつつ、大晦日の日は静かに夜を迎えた。
年末は久々に一家が揃う形となった。
姉親子も帰国し、弟も帰省。賑やかに7人で囲む食卓。
実は姉夫婦も、長く問題を抱えており。
昨年は両親が心配のあまり来訪したほどだったのだが
久々に帰国し、来訪してくれた義兄は、母と私に姉とのことを話してくれた。
心配をかけてごめんなさい。と。姉が思っているほど。義兄が口に出すほど、事態は深刻じゃないのだと。
そして、私にも。
自分で決めた道は、間違っていないのだと。
何を選んでも正解は無く、痛みを伴うものかもしれないけれど
いつかきっと、その痛みが必要なものであり、それを癒す喜びがあると信じて
その時までは、躓いても、転んでも、前に進んでいればいいんじゃないかと。
この義兄との一連のやりとりは。
私にとってだけでなく母と、姉にとっても思いもかけぬ、驚きのうちによろこびとなり。
ただ、実は話してくれる以前から、義兄の何某かの思いに気づいていた。
義兄の実家には行かず、在日中3日3晩、ただひたすらに、父と晩酌をしつづけてくれたこと。
3晩の消費酒量:私がお取り寄せをしたワイン6本、焼酎4本、父秘蔵の日本酒3本、ワイン2本。
これは、何かあるな、と思った。
最も心配していると知る家族に、その思いと心情、状況を話してくれた。家族だから。
そして、どんな言葉よりも。誠実な思いに。
会いに来て、家族の一員として、ただ、共に時間を過ごしてくれた彼に、感謝でいっぱいだった。
ただ泣きつづける私に、弟はそっと頭を撫でてくれ
姉とは母、静かに涙を流し
甥っ子はキスをしてくれ
口下手な父は、期待と共に不安を語り叱咤した。
深夜まで飲みつづけ、朝方弟の友人が数人やってきた。
いつしか幼児から少年へ、そして成人を迎えるまでに変貌を遂げた彼らは、
相変らずの無邪気さや幼稚さを残しつつも、生き生きと伸びやかに、健やかに眩しかった。
朝が来て、元旦となり。
お参りの後、叔父の家に皆で向かう。
叔父叔母、従兄弟夫婦と、生まれたばかりのベビ。彼氏のできた、弟と同じ年の従姉妹。
皆幸せに包まれた、あたたかい顔をしていた。
叔母とは日々顔をあわせているのだが、叔父と会うのは、久々だった。
叔父は私を誰より可愛がってくれる人で
平素は月一度ほどは会食し、ロータリーや日経連、ゴルフ等の集まりにいつも呼ばれるのだが
私が決別を話したあの日以来、2ヶ月以上会っていなかった。
叔父に、あの日から大晦日までの出来事、想いを話すと、
私が幸せに笑えるまでは、私の顔を見たくないと。見られないと思っていたと話してくれた。
今はただ、穏やかな顔になったと、はぐをしてくれた。
いつも私を導いてくれる叔母にだけそっと、クリスマスの出来事と、その後のことを話すと、
失ったものの大きさと、感じた痛みを忘れず。自分を幸せにできる相手を探しなさいと。
人として、赦せぬことを、受け入れることはできないのだからと。
ただ、ただ、焦らなくていいのだと優しく、そして厳しく諭してくれた。
小さな新しい命を抱き、家族に包まれ。
弟と従姉妹の新しい恋愛の話を聞き。
私の原点は、幸せな家族であると再認識した。
だから、同じように。この幸せな思いを、愛された血を引き継ぎ、どこかに繋げなくてはと。
この暖かい場所と同じような、ただ、幸せに守られ穏やかな気持ちになれる場所でなくては
新しい居場所にならないのだと、改めて思った。
3日の間に、多くの友人からメールや賀状をいただいた。
いつも見守ってくれる人
いつも支えてくれる人
いつも、元気をくれる人。
例年のカウントダウンに顔を出さなかった私に
みんな、ありがとう。そう思う気持ちを大切に、去年よりちょっぴりだけ、優しくなれたらと思う。
ちょっぴりだけ、謙虚になれたらと思う。そして、誠実でありたいと思った。
そして。
不器用でも、愚かでも、傷つき、損をしたかもしれなくても。
やっぱり、まっすぐに、直球で。全力で人を愛するしか、できないのだと思う。(ね、よっしー)
変わることは、容易なことではない。それでも、変わりたいと思う。
2006年、失った大きなものと、いたみと。そして、大きな愛を忘れずに、
焦らず、少しずつ。
何も変わっていないし、何も赦されていない。
何も、動き出せていないし、何もできていないけれど。
なにかが、ことり。と音を立て、あるところに収まったような気がする。
皆がそれぞれの居場所に帰り、また静かないつもの家になり。
こんな静かな新年も、いいものだと、ちょっとした備忘録。
みなさんにとって、そして、わたしにとって。幸せな2007年でありますように。