金曜日。17時。
携帯が鳴る。見知らぬ番号からの着信。
着任4日目の自席にて応答すると、相手はMc社 の事業部長。
慌てて、部屋を出る。
「既に別の会社にお決めになったと伺っておりますが、お話させて頂けませんか?」
「遅くなってしまった事実は否めませんが、どうしても来て頂きたい」
「今すぐ返答を、とは言わない。とにかく一度話しをしてから決めて欲しい」
等々。熱いラブコールをいただいてしまった。
第一志望だったこのM社。
行きたい気持ちは、やまやまである。
しかし。
既に別の会社に着任している。
1週間で浮気するわけには行かず。
2回お断りをしたが、19時、20時と電話が再度入る。
月曜日。話を伺うことにした。
あくまで、そこでの答えは出さぬこと。
その後の予定は見えぬことを明言するも、背徳心。
まるで、浮気か不倫をしているかのようだ。
夜21時を回り。オフィスには人影まばら。
私は、月曜までに超CONFIDENTIALの資料を読まねばならず。
プリントアウトするのが怖いので、オフィスに留まっていた。
B男さんも、新しい会社。仕事が終わらぬらしい。
IMのやり取りの後、電話が鳴る。
「どうよ。あとどのくらい?飯食いに行こうぜ」
後30分でオフィスを出る旨を伝え、彼のオフィス近くの駅で待ち合わせることに。
彼は、十番での待ち合わせを主張したが
そこだと、時間的に私は家に帰れない、と、断る。
1時間後。彼と待ち合わせ。
手をつないで歩き、あれこれ物色。
お互い空腹だが、既に22時を回っている。余り重い食事は避ける。
行ったことのあるコリアン兄夫食堂に入る。
モツ鍋とレバ刺し、ビールとチャムシル、ジュセヨ。
辛さに舌鼓を打ち、夏らしい食事に満足。
互いの新しい職場の話題が終わると、私のヘッドハンティングの話に。
「君はなにをしたくて、今の会社、M社を選んだの?」
「君の軸は何?会社の何を使って、自己実現したいの??」
「要所要所きっちり真面目に。1人で考えて、答えを出せ。」
と、言われ悩む。
結局、「家で飲みなおしながら続きを話そう」と、いつもの家に帰ることに。
部屋は、恐ろしく散らかっていた。新しいIKEAが組み立てられていた。
少しだけ、違う家のようだった。
クロゼットを開けると、ほとんどまだ何も入っていなかった。
「ほぼ空っぽじゃない。どうして使わないの?」と問うと
「いいじゃん。何だよ。こっち(古い方)はお前専用にしたいの?」
えっと、荷物は持って帰らなきゃいけないんじゃなかったっけ??
不思議な想いを胸にしまいこみ、シャワーを浴び、掃除をし。
2人で飲みながら話す。
私のキャリアビジョン。人生設計、なぜこの会社なのか。
もろもろ話をした後に。
「まずは条件を聞け。退職に際してのペナルティを払ってもらえ」
「もちろん、給料は今より上。ポジションも今より上をもらえ」
「さらに、今すぐ辞めると履歴書に傷がつく。年明けの入社を検討してもらえ」
と、交渉方法のノウハウを伝授される。
日々、ストラテジー、フローチャート。情報をどんどん流してくれる。
やっぱり、いつも私を助けてくれるのは、B男さんなのだ。
いったい、どういうつもりか判らない。
でも、私にとって彼は大切な人で、一番頼りになる相手。
いつもと同じように、2人で眠りながら。その寝顔を横目で見ながら。
仕事も、プライベートも。一寸先は闇。何も見えない現状が不安に。
でも、前に進むしかない。
できることをするしかない。
一番大切なこと。一番必要なこと。自分自身で見極めながら。
再転職?現行??続行???
どうする?俺。