先日は、個々人の感じる快適な距離感=パーソナルスペース

拙い例で恐縮ながら、その感覚をご説明させていただきました。


前回 説明できなかったため、補足でご説明させていただくと。


物理的な距離:
満員電車や、背後から人が迫りくる気配を感じる際に感じる圧迫感に象徴されます。満員電車や雑踏を歩くと、疲労感を感じるのも同様。自分のスペースに、雑多な人が侵入し続けるので、当然といえましょう。そして、これもまた、恋愛でよく顕在化するもの。


あくまでこれも心理学の仮説ではありますが、例えば。多くの女性は母性が強く、子供を育てる方法同様、愛情を感じる相手と直接的な接触を好む。会ったり、話したり、抱きしめたり。

性的な交わりの後にも、髪をなでたり、腕枕をしたり、ハグしたり。

さらなるスキンシップに満足を感じる傾向が強い。

対して、男性は父性。外で働くことにより、子供をを養育してきた歴史から、間接的な接触を好む傾向にあるとか。

例えば、彼女を家を泊めた翌朝。目覚めたら彼女の姿は無く。テーブルに「朝会議なので、お先に。遅刻しないでね!」と走り書きのメモと、冷たい水の入ったコップがあったら。

母を訪ねて三千里。望郷の世界。おそらくは、腕の中に彼女がいるよりも強く、興味と満足を感じるのではないでしょうか。

こんな男女の差異による物理的な距離感にも、寂しさを感じる一因があると考えられます。



先日のPart1 で書いたとおり。誰しも、パーソナル・スペースを侵害されると、もぞもぞと気分が悪くなったり、嫌な感覚を覚えます。
なぜなら、そこは「痛み」がたくさん詰まっている、いわば急所。誰かがその距離に入ってくると、その痛みが疼いて
「また傷つけられるんじゃないか?」という惧れ=痛みのトラウマを感じるから。

“自分を守れる距離=傷つかなくてもいい距離”でもあるためです。

喩えるなら、格闘技や剣術で言うところの「間合い」間合いを取れば、攻撃されることはありません。でも、相手の懐に飛び込んでいかなければ。

ガマの油ならず。睨み合いでは相手を倒すこともできないのです。



さて。本題。

この個々が持つパーソナルスペース。どのように形成されのでしょう?



●親との距離感

一般的に、他人に傷つけられた経験が多い人ほどスペースは広く、人を怖いと感じやすくなります。個々の距離感は人の成長プロセス、とりわけ親との関係性から構築されると言われています。


最小かつ最密の人間関係:家族。もっとも身近な他人:親兄弟。

生後から絶対的な関係にある親子。そして、愛して欲しいという欲求も、特別な存在である 欲求も、すべての根底は親子に帰結します。

誰しも、「ママに愛されたい」「もっとかまって欲しい」と望んだ記憶が一度はあるのではないでしょうか。 


人間関係の構築に悩む時、両親との距離感を反芻してみると納得できる点が多いのは、このため。

例えば、特に父親が仕事人間・浮気等、家を省みないタイプの場合。

母親は寂しさや不安、1人で子供を護らねばならない、という保護本能の母性から、親子の距離を非常に近くする傾向にあります。
それが「癒着」(共依存)という関係で、大人になってからも大きな影響を残すのだとか。

例えば、今回の私たちの違いも、環境要因は大きいと分析可能。

1)家庭環境


私:こわがり。寂しがり。32年間ずっと自宅。自室は寝るだけ、いつもリビングに。

  家族が多いため、常に周囲に人がいる。姉が嫁ぐまで、同室で寝ていた。

  (2人で2部屋あるのに、なぜかBedRoomと、PlayRoomに別れていた)

⇒周囲に人がいても、自分の居場所を創出できる。気疲れしない。


B男氏:小学生、高校生、大学生と海外転勤族あるいは、ご両親と別住まい。

     幼少帰国時いじめられ経験あり。自室で本を読むのが楽しみ。

でも、寂しがり。きっと様々なシーンで一人でいることに慣れて行ったのだと思う。

だから、今も都内の実家から30分ほどの場所に、一人の場所を確保しているのだろう。

⇒周囲に人がいると、落ち着かないタイプ。


こうして比較すると。お互いが快適だと思う空間、落ち着くと思う環境は、全く違うのかもしれません。


この「生来持った距離感の差異」を認識することから、近づく第一歩は始まるのではないかしら。



距離感の #1 & #2で触れたことをまとめると、以下のとおり。


1) 互いに親密感を感じる距離の違いを理解する。


「私のこと、こんなに放置して。好きじゃないんだわ!」

という寂しさは、思い過ごしの場合も多いものです。


距離感の違いが、互いに寂しさや不安・不満の原因である可能性は、前回のとおり。

各々が異なる不安と不満を抱いている事実を理解しよう、と努めることがキーです。


一般論ではありますが、男女を比較すると、概して男性の方がパーソナルスペースは広いと言われます。
それゆえ、女性が主に恋愛で「寂しさ」を感じることが多いのかもしれません。


2) 互いの距離を縮める際は、コミュニケーションが不可欠。


「もう少し近づきたいんだけど・・・あなたにはちょうどいい距離かな?」
「もう少しメールや、電話したりしたいんだけど、迷惑じゃない?」



恋愛に限らず、人間関係の基本ですが。

相手を気遣い、自分の気持ちを大切にするコミュニケーションは、とても重要。



3) 相手を理解し、忍耐することも必要。

寂しさを感じると、ついついそれを盾に、接近し過ぎてしまいます。
その行動が、自分の快適のための内的要求、目的達成のためであっても、

相手にとって不快で辛い場合もある認識を持つこと。

そして、それは必ずしも自分のせいではない(私のことが好きか嫌いかではない)と

認識すること。必要以上に、自分を責めないことです。



今日も、やはり長くなってしまいました。


上記2)の補足と3)、そして解決策は持ち越し。ごめんなさい。


次回は、具体的にどうしたらよいか?私なりの一考察をお届け予定です。


自分の要求は大切ですが、「相手のニーズ」を理解し応えること。

これは、いかなる人間関係にとっても、円満に進む要素要因なのではないでしょうか・・・。