『一部始終聞きました。酔っ払って男の家に泊まっちゃいけないって、
いつもあれほど言ってるのに!!』
『しかも、相手は私の大事な幼馴染だよ!!!』
『鉄のパンツ穿くと言ったのに。キツイかもしれないけど、
いい加減に直さないと、もう知らないよ!』
・・・はい。ごめんなさい。。。。。。
浮かれていた気持ちが、一気に落ちる。
『本当にごめんなさい。皆さんによろしくお伝えください』
『追ってお詫びメールしときます。しばらく、お酒を控えます。』
そうお返事をしたら、急に気になってきた。「彼は、どう思っているんだろう?」
間違いなく彼にもMから電話が入っているはずだ。
23:30 いよいよ耐え切れず、彼に電話するも、留守電。
そうよね。明日ゴルフって言ってたし。寝不足だから、もう寝てるよね。
浮かない気持ちで、最後の宴席(懲りてない?)に戻った。
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土曜、日曜とバタバタ過ごし 。日曜の夜。意を決してメールする。
『暑かったけど、ゴルフいかがでしたか? ちゃんとお礼もお詫びも言えていなかったので、遅くにお電話ごめんなさい。 お疲れと思いますので、メールにて。でも、会えてよかったし楽しかったです』
何度も読み返し、送信ボタンを押した瞬間。彼からメールが届く。
『明日時間ある?会いたいなあと思って。』
『昨日は電話をもらっていたけど、どうしたの?今日はゆっくり過ごせた?』
『私も会いたい!』とお返事すると、また即彼からお返事。
『入れ違いだったんだね。僕も嬉しい。じゃあ、明日teleconの後、メールするね』
一気に気分が高揚し、意味もなく大量のアイロンがけをする意欲満々。
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月曜日。朝から妙に落ち着かない。着るものが決まらず、危うくいつもの電車に乗り遅れそうに。
夕方、メールが入る。『僕は19時半頃終わりそう。gluは?』
『わたしは、20時は過ぎちゃうかな・・・。終わったらすぐ電話します』
『わかった。とりあえず、21時ごろ恵比寿でいい?急がなくて、いいからね』
仕事を慌てて片付け、20:30ごろ、オフィスを出る。タクシーで急ぐ。
青山通り、青学の裏。広尾を抜け、恵比寿が近づくにつれ、不安になる。
いったい何を言われるのか・・・?
男性不審の影は色濃く。待合わせ場所ではぎこちなく。
駒沢通りで車を降り、彼を探す。いた。照れと、不安でいっぱい。
Hawaiianのお店に向かって歩き始め、彼は言った。
『来てくれて、ありがとう。嬉しいよ』
笑いながら、歩き始めてふと、手を引かれ。途端に気持の中の氷が、溶ける。
一緒にいるとなぜか素直に、あったかい気持ちになれる。
無理をしなくていい。無駄なことを考えなくていい。
ただ、心を空っぽに。久々の甘酸っぱい気持ちで満たすだけ。
『週末Hawaiiの話をしたでしょ?そしたら、食べたくなったんだよね。いい?』
ソファに座り、笑って私を見つめる。『お酒、頼む?』 『・・・やめときます』
わたしとしたことが珍しい!自分でそう思いつつMangoJuiceを頼む。
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ずっと手をつないで、たくさんの話をした。たくさん、キスをした。
彼はまっすぐ私の目を見て言った
『えっとね。何から話していいかわからないけれど。』
『とりあえず僕は、先週の金曜日の時点では、ガールフレンドはいなかった』
『土曜日は、自信がなかった。初めて会った人に惹かれるなんて、今までなかったから』
『少しずつ、もっと一緒にいて、お互いを理解していけたらいいと思うんだ』
とても、嬉しかった。気持ちの中も、体温も、どんどん上がってゆく。
『僕も何でも言うから、言いたいことは、我慢しないで』
『いつでも会いたいから、会いたい時はいつでも来てね』
そう言って彼は、私の終電の時間を気に掛けた。
ギリギリの時刻まで一緒に過ごし、駅で彼は私を見送った。
『僕は強くない。いつも会いたいし、一緒にいたい。』
『でも、自分の時間は大切にしてね』
心からありがとうを言って、今から帰ります。
明日も、会うかも。