-沖縄から地球を見る-石垣・西表調査旅行記
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[2008.9.21西表]鳩間島でのひととき。

さてさて。


西表の海の洗礼を受け、若干濡れ鼠気味の我々が次に到着したのは鳩間島でした。



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島が近づくにつれ、海の色は美しいエメラルドグリーンになっていきます。


鳩間島は、西表島の北5.4kmに位置する面積約1㎢の小さな島です。

人口は約70人とのこと。



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民宿。

いい天気だったということもあり、庭先ではお布団が干されていました。

石垣は珊瑚でできています。



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おなじみ、赤瓦(あかがぁら)のお宅、そして守り神のシーサー。



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なんか、かわいい。



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鳩間島の御嶽。

御嶽については此方 をご参照あれ。



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鳩間小学校発祥の地。

…は、発祥の地?

えらく仰々しいですな。


ときに、ここの鳩間小学校(今では鳩間小中学校)にはちょっとばかり有名だったりするのです。

なんでも、1980年代初め、この小学校の児童が1人だけになり廃校の危機にさらされたそうなのですが、このとき島の住民が一丸となり、親類、そして全国各地からの離島留学制度等による里子引き取りなどを行い小学校を守ったのだそうです。

このエピソードは後に『子乞い - 沖縄孤島の歳月』という本となり、またこの本を元にしてドラマや漫画も作られたのだとか。

このドラマの主題歌はあのコブクロの『ここにしか咲かない花』だったそうですが、実際彼らはこの島を訪ねてからこの曲を作ったのだそうです。

いやあ、知りませんでした。



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そんな全国的に?有名な小中学校の全貌。



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そしてこの小中学校の卒業生の皆さん。

嘘です。ごめんなさい。

今回の調査旅行参加者の皆さんです。

皆さん、すっかり島の風景に溶け込んでいますね。



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そして、小中学校の前の海。

うーん、美しい。

こんな風景を毎日見ている子供たちはさぞかしのびのびと育つのだろうなあ。



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えー、これは、JP、つまり郵便局であります。

ATMはありませんが、キャッシュカードでお金は下ろせるそうです。

…でも、どうやって?



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そろそろ散策の時間も終わりです。

という訳で元来た鳩間港に戻って参りました。

この写真では見えていませんが、画面右端には巨大クレーンがずばあんと突っ立っており、耳も劈く大音響が辺りに響いておりました。

なんでも港湾工事とのことでしたが、それにしてもこの美しい長閑な島には似つかわしくない風景、そして音であったことでした。


つ づ き ま す よ

[2008.9.21西表]白いサンドバンク、バラス島へ。

さてさて。


西表3日目の朝は、まず日の出を拝むことから始まりました。

(日の出の模様は此方をご覧あれ)

前日と違い、少し早起きした甲斐もあってきちんと昇るところが見られました。


その後一行は朝ごはんを済ませ、前日と同じく2台の車に分乗しました。

さあ、今日もまた出発だ!


…の筈だったのですが、走り出して間もなく止まったのはとある民宿。

その前にはパンクしてしまったバンが一台止まっていました。

どうやら民宿には男手はいない模様。

つまりは馬場先生、ここのおかみさん(?)からSOSされて駆け付けたという次第でありました。


という訳で、車を横につけるなり黙々と作業を始める先生。

我が一行の頼もしい男性陣のお手伝いもあり、タイヤの付け替え作業はほどなく終了。

民宿のおかみさんからお駄賃なのか、麦茶のパックを受取り(これは後で我々の飲み物となりました)


「じゃーなー」


と、来た時と同じく、風のようにさあっとその場を引き上げていった先生だったのでありました。


馬場先生は、ここ西表で小さい家を借りて一人暮らしをなさっているのだそうです。

ご飯はどうされているのですか?と伺ったところ、


「近所の人が心配して交替で作ってきてくれるのさー」


とのこと。

流石は先生、地元の人にも慕われているんだなあと感心したのですが、この朝の出来事にその理由を垣間見た気がしたことでありました。


さてさて。


再び出発した車2台、美しく晴れた空の下海沿いの道を快走します。


「わーっ、海の色がきれい!」


女性陣から歓声が沸きます。


「…南の海っていつでも綺麗なんだけどさ。

やっぱり朝の海が一番綺麗なように思うなあ」


と知ったかぶりをかますのは筆者。

(南の島に海が大好きで、結構あちこち渡りまくっております)


「へー、やっぱりそうなんですねえ」


すると馬場先生が突然、


「…ったく、おめーらうるせえなあ。

分かったよー、行きゃあいいんだろー」


なんてことを仰います。


「??」


「しょーがねえなあ。

じゃあ、今から船だして離れ島に連れて行ってやるよ」


「わーい!!!」


再び歓声。


「ったく、朝の海はきれいだなんて言うからよう…」


え、えーっと、ごめんなさい先生。

でもこれって、何だ、瓢箪から駒?

(微妙に違うような)

何はともあれ、ひょんな一言のお陰で朝からお船で離れ小島に行くことができたのでありました。ラッキー。



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先生の船。

簡素ながらも機動性ありそうなお船です。

台風が近づいてきたときにはマングローブ林に避難させるのだとか。



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全員船べりに着席したところで、いざ出発です。



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西表島からどんどん離れていくと…



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海の色もどんどん変化していきます。



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ほら、こんな感じ。


島を出て10分ほども経った頃、白いサンドバンクが見えてきました。



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これがバラス島。

エダサンゴの死骸が細かく砕かれ、積み重なってできた島です。



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いよいよ上陸。



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頼もしい女子が船を固定してくれました。



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じゃーん。

これがバラス島の全容です。

当然ながら草木は一本もありません。

潮の干満によってその形を変えるのだとか。



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うーむ美しい。

このグラデーション、堪りません。


しかしこの透き通った海、眺めるだけでは勿体ない。

という訳で一同、我先にと海中にGO!致しました。



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ああーっ、チョウチョウウオが行ってしまった…

(左上をごらんあれ)



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今度はなんとか撮影に成功。

コバルトブルーの綺麗な熱帯魚さんです。

(しかし遠いなあ…)



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もういっちょ。

すみません、水中写真は苦手なのです…



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という訳で、顔とカメラを水上に持ち上げ一枚パチリ。

この海の透明度、お分かり頂けましたでしょうか。


とまあそんなこんなでバラス島で海水浴にお魚鑑賞を楽しんだ我々一行。

このままいつまでも遊ぶ、いや遊べる勢いでしたが、


「時間ないぞー。次行くぞー」


との馬場船長の一声で慌てて船に戻りました。


馬場号が次に向かったのは…


次号に つ づ く




[2008.9.20西表]夕ごはん、そしてまだまだレクチャーは続く。

さてさて。


そんなこんなで実にディープなマングローブツアーを終えた我々、泥だらけで実験所に帰還致しました。

こういうケースが多々あるのでしょう、馬場先生の車にはサランラップのように繰り出して使える大きなゴミ袋が用意されていました。

各自これを車のシートに敷いて座るという次第であります。


おっとその前に忘れちゃいけない。

ここで、道中何度か頂いた「おやつ」のご紹介をしておきましょう。



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(お、バックに汚れ除けのゴミ袋も写っておりますな)


これはパイナップルを丸ごと凍らせたものです。

完熟しきってしまったパイナップルは売り物にならないので、こうやって加工(?)して売られているのだとか。

こんなに大きくて100円だか150円なんだそうです。


今回の道中、馬場先生がいずこへかとふっと消えられる、ということが何度かありました。

あれ?どこ行かれたんだろう?と思うまもなくさっと現れるのですが、その時にはいつもこのパイナップルバーを人数分手に抱えておられました。

そして一言、





「食え。」





と仰り、手渡してくださるのです。


このパイナップルのまた美味しいことったらありません。

やはり南の島の果物は旨い!


さて。


このフローズンパイナポーを食べ食べ、泥だらけの長靴を綺麗に洗ったあとは晩御飯であります。

今日もまた実験所のおばさん手作りのご飯を頂きました。



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#あっ、左上に何か写ってる。


はい、カレーでございます。

これぞ王道家庭の味!という感じで、大変美味しゅう頂きました。



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サイドディッシュ。

(というにはなかなか盛りだくさんですが…)

ゴーヤチャンプルに鯵のフライ、ソーセージにブロッコリーでありました。


これを食べつつ、買い出してきたビールや焼酎などを飲みつつ盛り上がっておりましたところ、馬場先生がなにやら機械を担いでよっこらしょっとやってこられました。

機械の正体はプロジェクターにパソコン。

さあ夜のレクチャーの始まりです。



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お話は、先生が今まで関わってこられた植林のこと、西表やその他世界各国のマングローブの実情など多岐にわたりました。

ご講義やパワポの内容は、先だって我が大学で開催されましたワークショップ「森を作る-森を作る人・企業・法律家による森作り- 」にてお話し頂いたものと重なるものもありましたが、今回は何といっても少数の集まりでしたのでより深く突っ込んだお話もあり、また聞き手たちもより様々な質問をすることができたので、なかなか密度の濃い有意義な一夜と相成りました。


翌日に つ づ く

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