これまでのお話

建設が終わった橋が突然崩落して

その責任を設計変更したキムタクさん演じる設計者が負って刑務所に入るという展開。

面会に来た妻とは離婚も考えていたのですが…


彼女は病院勤務の看護部長?でがんが見つかり余命一年かも…

そこで彼は妻に会いたくて脱獄を試みる?

ということらしいです

感情の起伏が激しい方のようです




このドラマを拝見して

むかし、土木設計を行うコンサルに勤務していたことがあるのでちょっとアレレな点を申し上げます


このドラマの前提は

下請け会社の資材発注操作による資金流用事件になるのですが、どうも発注元の主人公が所属する建設会社は橋の建設を下請けに丸投げしていた疑惑があります


そもそも下請けに丸投げ禁止の建設業法令に違反しているようにも見えます。


この橋の規模だと普通は複数の建設会社でJV(ジョイントベンチャー).という共同企業体を作って受注します


巨大構造物の建設には入札から施工、完工まで膨大なプロセスと工事監理があります

工事が始まると工事現場には

工事事務所や飯場と言われる食事場所などが作られて各社の施工管理技師などが出向き常駐します



なので工事管理は施工管理技師が行います


🌟🌟🌟

重役会議での設計変更プレゼンシーン


設計者のキムタクさんが設計変更箇所を社内の重役達の前でプレゼンして社長の判断で許可してもらうシーンがありましたが

設計変更は施主の東京都の許可が必要です


土木工事における設計変更ガイドライン

https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000697185.pdf



たぶん設計変更箇所の図面にに加えて

追加の環境アセスメントや工事工法や追加資材の見積書に耐震性や耐荷重などのシミュレーション結果などを提出して東京都港湾局あたりで検討されて回答までに結構時間がかかる予感💦





施工現場のシーンで

設計変更箇所のスケジュール調整の為に

急いで欲しいと現場監督に差し入れの大量のメンチカツ?を持参して頭を下げる設計者役のキムタクさんでしたが…


ふつう

資材の発注と搬入は工事の進捗に合わせ工事工程管理表に基づいて一定のサイクルで行われます


建設資材不足による工事の遅れや資材置き場のミスを防ぐ為にきちんと施工管理者によりローテーション管理されます


工事の進捗管理は現場監督にお任せではありませんびっくり


それからたぶん

ゼネコンで従業員8000人なら当然電算室も技術研究所もあると思うので


構造計算もやり直して

地盤沈下や水圧のシミュレーション

各種資材の耐久性や強度試験などが追加で行われると思います



🌟🌟🌟


このドラマはストーリーの都合上、

色々はしょってあり

巨大工事がかなりザツに管理されてる印象があり

どうなのかなと思います💧😥


🌟🌟🌟

余談ですが

ちなみに土木コンサルに居た時に私の関わったソフトウェアは

土量計算、フレッシュコンクリート品質管理、工事監理システム、土の圧密度データ解析、原価管理システム、データ解析グラフ作成ソフト、水中ポンプ選定プログラムその他色々です(^^;;

社内の利用なので外観は整えず短いものは数日で開発しました


中でも

資材発注工程表管理プログラムを作成した時は

四次元までデータを扱う必要があり

けっこう大変でしたが

いつも偉そうでちょっと苦手な親会社(ゼネコン)の大型コンピュータのある電算室の課長が本当に出来たのかと疑わしそうな顔でわざわざ虎ノ門の小さなオフィスまでやって来たのです


パソコンから工期と発注サイクルを入力するとカレンダーと共に大型プロッターに自動計算で出力されたカラフルな数ヶ月分の工程表を彼がいまいましそうに丸めて持ち帰ったという件は記憶に残るトピックです(^◇^;)💧


その当時はパソコンを使える人は中高年にはごくわずかで

この工程表は

それまで工期が延びるたびカレンダーが変わるので技術者が手書きで作成し直していたのでした


その後ドバイでホールインワンが自慢の私の祖父によく似た社長から

広島弁で『お前はお化けじゃ』

と褒められ

私的には内心バンザイ三唱❣️なのでした(^◇^;)


なにしろ

親会社のOLの皆さんは慶応など一流大卒なのに

ワタシは短卒既婚子持ちで派遣あがりの社員でしたから!(◎_◎;)


余談おしまい…(^◇^;)

🌟🌟🌟