僕は地球儀を置いて、あわてて手伝った。霜月はとてもてきぱきしていて、僕が二枚拾って、三枚目を拾おうとした時、霜月はその他のプリントを全部拾い終えていた。そして、霜月は、

「鴨川さんと、森澤くんのがない。」とつぶやいて、辺りを見回した。僕は手元を見て、

「それなら、僕が拾ったよ。」と言った。僕の手にあったのは確かに鴨川と総司のプリントだった。僕はプリントを霜月に渡した。その時、僕はクールな霜月に天使のような笑顔をもらった。それと同時に、

「ありがとうございます。」という言葉も。僕はドキッとした。自分の体温が上がるのを感じた。僕は地球儀を持って、霜月はプリントを持って再び歩き出した。そして、僕はやっとの思いで口を開いた。僕は、

「霜月、さっきあんなに短い時間でどうやって誰のプリントがないと分かったの?」ときいた。僕は女子と話しをするのがこんなに大変で緊張すると感じたのがこれが初めてだった。霜月は、

「拾いながら、名前を覚えていきました。」とてれくさそうに笑った。僕は素直に

「記憶力いいね。」と言った。霜月は一瞬暗い顔したように見えた。しかし、僕は霜月の気に障るような事をいっていないし、してもいなかった。そして、いろいろ考え、「錯覚」という結論にたどりついた。

 その後も、僕と霜月はいろんな話をした。毎回まいかい、僕はとても緊張して話しをしたが、とても楽しい時間となった。教室に着いた時には、昼食の時間が半分を過ぎていった。みんなの「おつかれ。」という言葉と共に、僕と霜月はあわてて口に昼食を運んだ。

 まだ、誰もこれが恋の始まりとは知らずに・・・・・・


最後までありがとうございます。

第六話も楽しみにしてください。

 四時間目は、今学期初めての社会の授業だ。みんな、先生が誰とか当てたりさわいでいた。僕が「誰でも変わらないと思う」と言うと、みんな「だってさぁ・・・・・・」と自分の意見を長々と述べるので、僕は適当に話を合わせるようにした。

 教室に入って来たのは、身長が高く、ロングヘアの先生だった。そして、チャイムが鳴り、その先生は持って来た教科書などを置き、チャイムが鳴るのを待った。チャイムが鳴り終わり、その先生は話し始めた。

「みなさん、こんにちは。今日から社会科を担当します。重松です。宜しくお願いします。」先生の自己紹介を聞いて、みんなは満足そうな笑顔をしていた。僕が見てきた限り、みんなの笑顔は自己紹介で笑いをとろうとする先生や自己紹介が長い先生には送られなかった。みんなが一通り自己紹介をしてから重松先生が、

「社会科係さんはだれですか。」と聞いた。すぐに霜月は手を上げた。

「一人だけですか。」と重松先生は再び聞いた。総司が、

「雪も社会科係じゃなかった?」と言い、僕はあわてて手を上げた。重松先生はうなずき、

「それでは、二人とも授業が終わった後、前へ来てください。」と言った。

 授業はあっという間に終わった。先生に言われた通り、僕と霜月は前へ出た。重松先生は、

「この地球儀とさっきみんなにうめてもらったアンケートを職員室の私の机まで持っていってください。」と言い、軽く頭を下げて廊下へ出て行った。僕は地球儀を、霜月はアンケートを持って職員室に続く階段に向かった。生徒にはほとんど使われない階段を下りて行く途中、風が窓から入ってきて、霜月の持っていたアンケートはバラバラになって地面に落ちた。



最後までありがとうございました。

第五話も楽しみにしてください。

 体育館はざわめいている。雨宮がしゃべってからだいぶ経つ頃に教頭は、

「せいしゅくに!」と言い、体育館も静けさを取り戻した。校長は、簡単に短くまとめて、ステージから逃げるようにして降りた。「情けない。」と思わない先生はいないだろう。

 こうして、始業式はいつもより早く終わった。

 教室に帰って、女子のほとんどが雨宮の周りに集まってさわいでいた。霜月はそれをちらっと見ては、席に戻って、したくをした。僕はその姿を一つ前の席の森澤総司としゃべりながら残りの視野で眺めていた。

 霜月がスクバから取り出した、筆箱は同じ年の女子のとは思えないほどシンプルだった。水色一色の筆箱にはキーホルダーが一つも付いていない。見ているかぎり新品だと思う。そんな事も考えながら総司と話すのは結構大変だった。だが、それもそんなに長くは続かずチャイムが鳴っては10分休みに入った。先生に言われたからか、女子たちが次々と霜月の周りに集まっては、話しかけていたので、僕はその場にいない方がいいと判断し、そこから離れた。

 次のチャイムがなり、その次のチャイムが鳴り、また次のチャイムが鳴った時、僕はどの委員会に入るか迷っていた。けっきょく大変そうだけど飼育・栽培に入った。そして、学級の係は適当に社会科係に入った。

 そうばたばたしながら、新学期の一日目は終わりを告げた。

 

最後までありがとうございました。

第四話も楽しみにしてください。