世の中で開祖、創業者といった偉人の名はとても有名ですが、開祖が起こした組織は、国にしろ、宗教にしろ、会社にしろ、どのような組織も永続させることは簡単ではありません。その時々の状況で反乱や分裂、不況や資金繰り悪化、不祥事、統治不能などの要因により、衰退、消滅してしまうこともあります。

 

組織のリーダーである王、皇帝、大統領、首相、主席、書記長、カリフ、イマーム、征夷大将軍、藩主、法主、座主、門主、管長、教皇、総主教、師、グル、ラビ、社長といった方々は、皆、その組織を維持発展させていく使命を帯びています。組織とその内外の状況を的確に判断し、適切かつベストな決定をして、実行していかなければ、組織を存続させること、成長どころか現状維持に影響を与えてしまいます。場合によっては取り返しのつかない事態になることもあり、その責任は重大です。


こういった組織のリーダーとして、開祖の成した事業を維持、発展させる中で、特に重要な役割を果たしたリーダーを「中興の祖」と言います。中興の祖はリーダーほど有名ではないこともありますが、歴史上はさまざまな偉大な方々がいます。創業の後において、組織を維持、発展させていく中で、組織の危機的状況において改革を行って建て直す必要が出てくる場面は、組織の存続に関わることもあります。創業は一代かもしれません。しかし、組織をさらに発展させていくことは、危機的状況を乗り越えながらであるため、特に国家のような規模であればなおさら一代で行うことは難しいということを考えます。そういう意味でも中興の祖は組織発展への貢献は多大であります。
そういった中興の祖ですが、このような方々がいます。

徳川吉宗―江戸幕府第八代将軍
上杉鷹山―出羽米沢藩・九代目藩主
興教大師覚鑁上人―真言宗の中興の祖(宗祖弘法大師空海が有名ですが)
蓮如上人―浄土真宗・中興の祖(親鸞聖人が有名ですが)