だいぶ前のことになりますが夜間、郊外の山道を走っているとヘッドライトの先に子犬が照らし出されたのです。まだ、よちよち歩きの子犬です。こんなところになぜ?このままでは死んでしまうじゃないとすぐ拾って車に乗せました。とてもかわいかったので家で飼おうと思いました。
さて、発車しようとしたその時、道路脇の草むらからまた子犬が出てきました。えっ、2匹いたの?1匹なら飼えるけど2匹は・・・困ったなあ、どうしよう。とにかく連れて帰るしかありません。
帰る途中、ペットショップが目に入りました。車を止め、お店で訳を話したところ快く引き取ってもらうことができました。1匹飼いたかったのですがどちらかを選ぶなんてできず2匹とも置いてきました。私は安堵感と少しの寂しさを感じながら帰路についたのでした。
以上が不思議な話? いいえ、まあ、山道で子犬を拾うなんて不思議と言えば不思議ですがこの記事を書くにあたってふと思い出したものですから。
この出来事を振り返ると自分がミスしていたことに気付きます。2匹目が出発間際に出てきたから良かったものの出発した後だったらどうでしょう。いや、もしかしたら3匹目、4匹目もいたかもしれません。もし、いたとしたらかわいそうなことをしました。
私は目で見えたことにしか対応できなかったのです。見えていないことにも思いを巡らせるべきでした。
さて、本題はここからです。不思議なことが起こったのはその子犬を拾った道の経路上のことなのです。この道は休みの日など郊外での趣味のために何度も通っています。
ある日の趣味の帰り、いつものようにこの道を走っていました。まだ明るく、ライトを付ける必要もない時間でした。前も後ろも車はいません。軽快に車を走らせていたところ、なんと先ほど通った三叉路がまた現れたのです。「えっ、なに?さっき左に曲がって通過したところじゃない!」
道、間違えた?そんなはずはありません。道を間違えて戻ってしまったということは考えられないのです。なぜなら帰り道は市街地に入るまでずっと下り勾配で登ることはありませんから。一瞬、過去へワープしてしまったのでしょうか。これって偶然?それとも・・・
この話は本当にあったものです。創作ではありません。