─1章「間違い探し」─

張り詰めた息を吐く者、取り乱し息の荒い者、暫くの沈黙の中で響くのは息遣いだけ。
質素な部屋に咲いた赤い花、所々薄い赤色が散らばっている、生々しい光景は、この空間を恐怖で満たしている有様だ。

(かすみの荒い息遣いだけが聞こえる沈黙)

マイペースな子「…お父さんの何処にもついてない…!!」

(マイペースな子のセリフ入る少し前から、カスミの息遣いが早くなっていき)
カスミ「いやぁぁああ!!とって!!取ってよ!!ねぇ!!!」
(かぶせて、「どこに」辺りから発狂)

マイペースな子「(女の発狂に耳を塞いで、小さくうるさいとか呟いても可)」

ヒロト「かっ、カスミ!!大丈夫だから、な?落ち着いてくれ」(ちょっと引き気味)

カスミ「(くいぎみ、「くれ」言い終わる前に入る)はっ!?落ち着け落ち着けってそればっかり!!どうやって落ち着けって言うの!?人1人死んでんのよ?!」

外面のいいヤバい奴「(話してるどこかしらのタイミングに舌打ち)」

マイペースな子「…お姉さん、怖い。」

外面のいいヤバい奴「大丈夫、お父さんが一緒だからな?」

冷静な子「…騒いでたって出られるわけじゃありませんし、生きてでるには脱出するしかないみたいですね。」

モブ2「で、でも、仮に参加するにしても、下手に動けないですよ」

気弱なビビり「“仮に”じゃダメでしょ…」
(独り言っぽく)

カスミ「あんたバカなの?それとも自殺志願者?人の話聞いてないでしょ!」

ヒロト「(カスミを少しなだめてから)参加の一択しか、俺達にはないようなもんだよ」

モブ2「(まくし立てられ、あたふたとする)」

冷静な子「言いたいことは分かる、ゲームのジャンルしか教えて貰ってないし、中身が分からない以上、死ぬリスクがあるかもしれない。
そんなリアルゲーム、誰も参加なんてしたくないに決まってます。」

外面のいいヤバい奴「でも、ここからは出たい、じゃどうするのが賢明なのか
 彼は、ゲームに参加せず、脱出が出来る時まで安全帯で待ってる。そう言いたいのでは?」
(嘲笑気味に言い)

モブ2「(引いた目や軽蔑の眼差しに晒され)いっ、いやいや、そんなつもりで言ったんじゃなくてっ…ち、ちが…(暫くあたふたして)」

(テンパってるモブを無視して、遠慮気味に話す)
気弱なビビり「…あ、あの。今更なんですけど、部屋の割り振りおかしくないですか…?」


冷静な子「…言われてみれば、順番にしたらバラバラですし、そもそも同じ番号が2部屋ありますね。」

マイペースな子「…ゲームとかだと、順番の出来る部屋から入った方がいいって見たことあるよ!」

外面のいいヤバい奴「ゲームか…。」

冷静な子「(悩む素振りをしてから問いかける)…順番が出来てる方、左側の1番から入るって事でしょうか?」


マイペースな子「うん!」

(冷静な子を先頭に、左側①番の部屋へと向かう)

カスミ「ちょっ、待ってよ」

ヒロト「死体の居る所に置いていかないでくれ」

モブ2「え、ちょ、俺も嫌ですよ!」

(ドアを開ける寸前、慌てて駆け寄った3人、勢いがあり、ドアの開いたタイミングで押されて冷静な子が倒れてしまう。)

冷静な子「(何かしら、軽いリアクションを挟む)」

気弱なビビり「だ、大丈夫ですか?」

外面のいいヤバい奴「(呆れ半ばで零す)少しは落ち着いてくれ…」

カスミ「なっ、なによ。」

ヒロト「体幹のねぇ、そいつが悪ぃだろ」

気弱なビビり「(少し不機嫌気味に)立てますか?」

(悪態をつく2人を一睨してから立ち上がる)
冷静な子「…。大丈夫、ありがとう」

(一睨する冷静な子に噛みつき悪態を着くヒロト、それを我関せずとマイペースな子が宝箱の前まで行く)

マイペースな子「(部屋を見渡した後)間違い探しだ!」(やったやった!と嬉しそうに言う)

いばら「(マイクテストを挟んでも可)すず君、御明答!!
ルール説明は不要ですよね!そうですよね!
間違いを全部見つけ出せたら、宝箱を開けて差し上げましょう!
さっ!皆様頑張って攻略してくださいね」
(セリフのタイミングで画像①を添付)

マイペースな子「…わかった!
(間違いだと思うところを、ここやこれで表現してもろて、終わったら)…これでどうかな!?」

(宝箱は開かず)

気弱なビビり「(写真近くの輪を数えて)…全部で10個あるんじゃないかな?」

冷静な子「?…輪を使い切るにしたって、間違いが少ないんじゃないか?」

(ここからは、リアルに間違い探しをして貰う。「これ以上見つからない」等の言葉が出たタイミングで次のセリフ)

ヒロト「…ホールにも同じ写真があるぞ!」

カスミ「ホントね…」

気弱なビビり「(ホールの写真と、部屋の写真を見比べ、気がつけば、前のめりになる感じで話す)…っこ、この写真を元に探していくんじゃない!?」

(協力プレイで、どこの場所が違うのか、各々10個出してもらい。全問正解で宝箱が開く)

ヒロト「(安堵気味に)…はは、ゲームだって言うだけのことはあるな。」

外面のいいヤバい奴「思いの外手が込んでいましたね…。(一息つく感じで)とはいえ、お2人のファインプレーのおかげですぐに解けましたが」


気弱なビビり「い、いえ…。あ、あの…」
(照れた反応の後、遠慮気味にヒロトを見る)

ヒロト「ん?…あぁ、俺はヒロトだ」

気弱なビビり「あ、ソラって言います…。ヒロトさんが、元の写真を見つけてくださったおかげで、解けたのが大きいかと。」

外面のいいヤバい奴「はは、謙遜しなくてもいいのに。」

マイペースな子「(外面の元へと駆け寄り、残念そうに紙を見せて言う)宝箱の中身、紙と鍵しか無かったー。」

(冷静な子以外は、不思議そうに紙を見つめる)

モブ2「…落書き?」
(首を傾げながら零す)

カスミ「(悩みながら言う感じ)にしては、抽象的っていうか…」

冷静な子「…多分③番のヒント何じゃないかと」(3番のタグが着いた鍵を見せながら)

ヒロト「ほぉ、ならこの俺が次は先頭に行ってやろう!」(関心した反応をしたあと、調子に乗ったように鍵を奪ってそそくさと隣の部屋へ)

気弱なビビり「あ、ちょ(鍵を取った辺りで言う)」

マイペースな子「あ、僕も行く!」

外面のいいヤバい奴「ちょっ、すず!」
(ヒロトの後を追って隣の部屋へと向かう)

冷静な子「勝手な行動すると危なっ…い。」
(3人の後を追って向かうも、目の前でドアが閉まり、ロックのかかる音がする)

カスミ「…え、ちょっと、鍵しまっちゃったわよ!?」(冷静な子を退かし、ドアを開けようと四苦八苦する)(冷静な子がため息をこぼす)

気弱なビビり「3人入ったら、閉まっちゃいましたね…。」

モブ2「(少し震え混じり)やっぱり、順番で行かなきゃダメなんですかね?」

冷静な子「(初めは悩みながら)…いや、多分、順番じゃなくて人数の表記なんだと思います。」

気弱なビビり「…つまり、部屋に欲しい人数って事…?」

冷静な子「(黙って頷き)…部屋内のゲームによるかもしれませんが、少なくとも③の部屋は、3人以上は要らないからロックがかかったのかなと。」

カスミ「…そう言うなら、さっきの部屋は一人で十分なのに、ロックはかからなかったわ。」

気弱なビビり「…1人の部屋は、出入りが自由なのかも。」

冷静な子「…そう考えるのが妥当だね」

モブ2「…それなら、1人で部屋の中を除くだけだったら、なんの問題もなく見れますよね?」
(悩ましげだったのが、段々と自信あり気に)

冷静な子「(納得するように)…確かに、3人の攻略を待ってる間に、部屋の構造とか見ておこうか。」


カスミ「…早く出てきてよね、ヒロト。」
(少しだけ寂しげに、でも気丈に言う。)


─第1ゲーム終了─