動転、泥の道
資本主義の手先に成り下がった僕は村上龍の69を読みながら
程好い残業は心も懐も豊かにするものであるとか考えつつ、
帰宅する。
ふと携帯電話に目を落とすと、そこには、
着信ありの文字。
珍しい(笑)
誰だろう?
何の気なしに確認した僕はそこで凍りつく。
気がざわつく。
動悸が収まらない。
その後も電話は2回鳴った。
余程の急用か。あるいは報告か。
身辺の雑事を終え、
数本の煙草を費やし、
灯を落とした部屋で音楽をかけ、
心を落ち着け準備を整える。
それは万全と は程遠く、付け焼刃
意を決した僕は、ようやく携帯を手に取る。
半年(弱)振りに耳にする声の何と馴染んでいることか。
用件が終わって後も、
そのつながりを断ち切ることは難しかった。
突きつけられる新たな命題。