ピサ 3 | ミニチュア制作 La Petite Fleuriste

ピサ 3

こちらも前回から間が空いてしまいました。


今回でピサのレポは終わりです。


ドゥオーモから入ります。

このドゥオーモも世界遺産に登録されています。



入り口の扉(聖ラニエリの扉)が奥に見えます。




角度を変えて。

こちらがファサード(正面。入り口ではなく出口)です。





このドゥオーモは、シチリアパレルモ沖でサラセン艦隊を撃破した記念として

そして聖母マリアに捧げるため、1060年代にブスケードの手により制作が始まり、

ライナルドに引き継がれ、50年の歳月をかけて建てられたものです。



ピサ・ロマネスク様式最高傑作とされ、

柱列の並ぶ白大理石の伽藍、入り口の

聖ラニエリの扉(こちらもボナンノ・ピサーノ作)が印象的です。


正面のタンパンに聖母マリアがあり、ロマネスク像も並んでいます。





聖ラニエリの扉は、入り口の扉なので、

時間により開いたり閉まったりしていたような気がします。


元々は、出口の扉3枚もボナンノ・ピサーノが制作したものの

火災で焼失してしまっていて、今あるのはジョヴァンニ・ボローニャが

制作したものだと聞いたことがあります。

ただ、旅行関係の本を見ると、3枚の扉はボナンノ・ピサーノとあります。


こちらは、三枚のうちの中央扉です。

『キリストの生涯』。
青銅で、イタリア・ロマネスク彫刻の代表作といわれています。


ピサ、ドゥオーモ



以下、内部に移ります。



ラテン十字の造りですね。


ピサ、ドゥオーモ



黒と白の縞模様のアーチが美しいです。

二層になっていますね。

円柱の殆どが戦利品でパレルモの古代遺跡から運ばれてきたそうです。


内部も至るところに東方文化が反映されています。

木製の格天井はイスラムの影響を受けています。


ピサ、ドゥオーモ



鮮やかな色合いのステンドグラスから内部に入ってきた光は、

非常に繊細で、全体の美しさを引き立てていました。


ピサ、ドゥオーモ



中央には“王座キリスト”の金色のモザイクがあり、とても目立っていました。


ピンボケしすぎなので、載せませんが、

祭壇にある十字架のブロンズ像と天使の燭台は、ジャン・ボローニャ作。

『マーキュリー』や『サビニの女の掠奪』はこちらで。

http://ameblo.jp/globular-cluster/entry-10095369075.html

両サイドの柱には、アンドレア・デル・サルトの絵があります。



ピサ、ドゥオーモ

そして、右側に吊るされているブロンズのランプが、

有名な“ガリレオのランプ”と呼ばれているものですが、これは嘘です。

この揺れ動くランプから“振り子の法則”を発見したとされていますが、

法則の発見の後にこのランプが制作されています。





そして、ランプの左側に見える大理石のプルピト(説教壇)は、

ジョヴァンニ・ピサーノによるもので、

イタリアゴシック彫刻を代表する作品です。




6本の柱と彫刻で飾られた支柱の中央には、

“信仰・希望・慈愛”を表現した彫刻があります。

劇的な構成と人体ゴシック的表現が称えられているそうです。

そして、新約聖書を基にした明暗法効果による

見事な8面パネルのレリーフに圧巻。

固い大理石と、迫力のある彫刻はその丸みを帯びた8面のパネルの形と

円形の台・支柱により、調和が取れているように見えました。


モザイクのタイル




モザイクといえば、アラブ・ノルマン様式のノルマン王宮のパラティーナ礼拝堂や

同じくアラブ・ノルマン様式のモンレアーレのキオストロ(中庭)や

ドゥオーモのモザイクが目に焼きついています。

モンレアーレのドゥオーモの扉もボナンノ・ピサーノによるものです。

それもそのうちここで載せようかと思います。



ピサのドゥオーモ内部には、その他、ルクセンブルグ皇帝ハインリヒ7世のお墓や、

ジョヴァンニ・ピサーノの父の説教壇や弟子の墓碑などなど

見所はありますが、私はピサ自体にそれほど興味がなく、

有名だから取り敢えず行ってみた程度だったので、詳しいことは書けませんし、

この辺にしておきます。


午後は、時間があったので、近郊のルッカへ行きました。

ロマネスク・ゴシック様式のドゥオーモ、ルッカ様式の

サン・ミケーレ・イン・フォロ教会は、ピサのドゥオーモや

バッティステロ(ピサ2の記事で書きました)との共通箇所が多かったので、

次回外観のみ載せようと思います。