ミミちゃん
今日は終戦記念日。
10年程前の今日、10年間飼ったうさぎがお星様になりました。
私が幼稚園生の頃、中身を知らされずに父から差し出された箱。
ケーキが入っているような箱から、
ススーッと小さなうさぎが出て来た瞬間の感動と嬉しさは忘れもしません。
うさぎが大好きだった私のために買ってきてくれたのです。
片耳を仲間に囓られて欠けていたのでミミちゃんと呼んでました。
灰色のミミちゃん。
元気で利口だったミミちゃんは、
その年で最も暑かった終戦記念日に、外で亡くなっていました。
ギラギラの太陽に照らされ、コンクリートの照り返しも増す中、
エアコンの温風も発生し…。
救ってあげられなかった自分をずっと責めました。
寿命は4、5年、そんな中10年間生きたのですが、
可哀相な最期で、立ち直るのに時間がかかりました。
今は生まれ変わって元気でいるかな。
きっと元気で楽しく生活していることでしょう。
涼しい部屋の中から、
外で激しく照らす陽光を受け止め、風で揺らめく洗濯物の姿、
物の細かな影、
遠くの道に発生するゆらゆら揺れている陽炎を眺めています。
あの日の私の目に映ったものは、全て陽炎でした。