感動しました。
国立新美術館へ行ってきました。
モディリアーニ?と思われそうですが、父の仕事で
家にモディリアーニの絵(本物)があったりするので、
あまり特別に思わないというのと一人で観るより誰かと
行った方がいいなというのとで、見送りました。
今回の目当ては、
「アーティスト・ファイル 2008 - 現代の作家たち」展です。
明日までの展示になります。
参加アーティストは、
エリナ・ブロテルス(Elina Brotherus) 写真(ビデオ)家
市川武史(Takefumi Ichikawa) インスタレーション
ポリクセニ・パパペトルー (Polixeni Papapetrou) 写真作家
佐伯洋江(Hiroe Saeki) 絵
さわひらき(Hiraki Sawa) ビデオ・インスタレーション
祐成政徳(Masanori Sukenari) インスタレーション
竹村京(Kei Takemura) 立体作品
白井美穂(Mio Shirai) ビデオ・インスタレーション
以上8名。
以下、私の感想などについて書きます。
エリナ・ブロテルスさんの作品は、
セルフポートレート中心の透明感ある写真でした。
若い人によく見られる不安定さを捉えたりしています。
佐伯洋江さんは、
白いケント紙にシャープペンシルや鉛筆などで
動植物やアクセサリー、花鳥風月を連想させるモチーフ(?)を描き込んでます。
不思議な絵です。
間近で見るとこれまた面白いのですが、2つ3つ見たらお腹いっぱいになりました。
こちらに作品があります。
http://www.takaishiigallery.com/exhibition/2005/06_hiroe_saeki/images/12.html
市川武史さんと祐成政徳さんの作品は一言で言うと、クリスト系。
そういえば、クリストのプロジェクトには昔、父も参加していて、
DMを作ったりしていました。後日そのことも書ければと思います。
竹村京さんは多様な作品展開をしていて、面白いと思ったのですが、それだけです。
白井美穂さんの作品は有ろう事か見逃してしまいました・・・
真ん中分けの長い黒髪にメガネのイメージのポリクセニ・パパペトルーさん。
写真には、全て自然の中に子供がいました。
彼女の子供の頃を再現したそうです。

一枚一枚、物語性があって私はとても気に入りました。
今回展示の作品を含めて、過去のものもこちらに多々載ってます。
http://polixenipapapetrou.net/works.php?cat=Games_of_Consequence_2008
そして、
さわひろきさん
さわひろきさんのルームに入るべく、
カーテンを潜ると、そこは真暗闇の異空間。
私が知らないところで展開されているどこか違う世界に
紛れ込んできてしまったかのような気持ちになり、
何がそこで行われているか、探りを入れることから始まりました。
そこには150cm×270cmの巨大スクリーンが6台と
プロジェクターが置かれていました。
そして、そこで6つ並行して10分間上映されるのです。

一つ一つの作品は、動画のパッチワークのようでした。
現実と非現実、虚構が溶け合い、ゆっくり進行して、それが新たな空間を
作りあげていました。
例えば、木の抉れた幹の中に月が浮かんで動いていたり、
地面が海になっていたり・・・。
不自然さも、不自然と感じない不思議さ、そんな空間でした。

“fragments”という作品の
針や振り子の通常より早すぎる動きは、その現実ではない
新しい空間を助長しているかのようでした。
“kaerimichi”では、同じ場面で、道と海とが文字通り、溶け合ったりしていました。
場面が展開して、最後には元の場所に戻っていく作品です。

最後に映し出される“かえり道”という看板が印象的でした。

日本の近代ホラー映画に出てきそうな場面が多かったのですが、
何故か懐かしく感じました。
私は、東京に生まれましたが、幼少期は、九州で数年間過ごしました。
誰もいない夕方や夜の小道、海、満点の星空・・・
幼い頃の記憶の片隅にある情景と重なったのです。
この作品は観る人観る人、違った記憶が蘇るのでしょうね。
一番、ウケが良さそうなのが“for a moment”という作品です。
砂浜に置かれた観覧車が動きだし、帆船が海を進んでいきます。

大きな満月も動きだし、その異空間が形成されていきます。
後半、原子力発電所が夜空に映し出され、そして、画面一面に
花火が上がります。

スクリーン写しだされた花火は、寂れた原子力発電所とは裏腹に
とても華やかで、この対照がとても美しいのです
花火を避けるかのように画面が流れていきます。
避けるというよりは、何かを目指しているように。
不思議なことに、花火が、画面を追いかけてきます。
そして、気がつくと夜空が夕暮れ時に戻り、
目指すその先には、夕暮れ時に浮かぶ巨大な朧月があります。
家に欲しいと思った作品でした。
“talking to the wall”では、
壁というか、家全体が生きているかのように見えます。
ただし、活き活きしたLIVEではなく、どこか陰鬱で地縛霊のように居座り
生きているかのようなLIVE。
最も不可思議な作品でした。
一番印象的な場面が、
裸電球に傘がついた電灯が、影絵のように、壁に映し出される場面です。
そこの壁には、細いペン先で描いたような細かい絵も映っています。

電灯が規則正しく揺れ、壁の電灯の影もそれに合わせて揺れ・・・
驚いたことに、その細かい絵の中に描かれた人などが動きだします。
そして、馬がゆっくり歩き出すと、馬に合わせて絵の中の景色が右へ流れていきます。
絵が流れ、絵の中の生き物が動き、電灯は規則正しく揺れる・・・。
不思議な光景。
景色が移り変わり、馬が消えたところで、絵も一旦停止します。
そのあと、左へまた元に戻るかのように景色が流れ出すのですが、
そこには馬がいません。途中から出てきます。
馬が山にある小屋へ戻ったところで、次の場面に展開します。
奇妙な部屋、月、海、、、、
気味が悪いのですが、魅せられました。
他にも伊勢神宮を映した作品“moss”もありました。
観る度発見があって、楽しくなってしまい、
実は、このルームに、2時間は居ました。
こんなに長いこと観ていた客、私以外に居るのでしょうか。
作風は違いますが、YOUTUBEに動画がありました。
うわ、文章が長くなりすぎました・・・。
誰もここまで読まないでしょう・・・。
帰りに国展もついでに見ましたが、思っていた通り、絵も版画も彫刻も一点として
気に入ったものがありませんでした。
写真は数点ありましたが・・・。
銀座へ他の展示も観に行きましたが、それはまた今度書きます。
モディリアーニ?と思われそうですが、父の仕事で
家にモディリアーニの絵(本物)があったりするので、
あまり特別に思わないというのと一人で観るより誰かと
行った方がいいなというのとで、見送りました。
今回の目当ては、
「アーティスト・ファイル 2008 - 現代の作家たち」展です。
明日までの展示になります。
参加アーティストは、
エリナ・ブロテルス(Elina Brotherus) 写真(ビデオ)家
市川武史(Takefumi Ichikawa) インスタレーション
ポリクセニ・パパペトルー (Polixeni Papapetrou) 写真作家
佐伯洋江(Hiroe Saeki) 絵
さわひらき(Hiraki Sawa) ビデオ・インスタレーション
祐成政徳(Masanori Sukenari) インスタレーション
竹村京(Kei Takemura) 立体作品
白井美穂(Mio Shirai) ビデオ・インスタレーション
以上8名。
以下、私の感想などについて書きます。
エリナ・ブロテルスさんの作品は、
セルフポートレート中心の透明感ある写真でした。
若い人によく見られる不安定さを捉えたりしています。
佐伯洋江さんは、
白いケント紙にシャープペンシルや鉛筆などで
動植物やアクセサリー、花鳥風月を連想させるモチーフ(?)を描き込んでます。
不思議な絵です。
間近で見るとこれまた面白いのですが、2つ3つ見たらお腹いっぱいになりました。
こちらに作品があります。
http://www.takaishiigallery.com/exhibition/2005/06_hiroe_saeki/images/12.html
市川武史さんと祐成政徳さんの作品は一言で言うと、クリスト系。
そういえば、クリストのプロジェクトには昔、父も参加していて、
DMを作ったりしていました。後日そのことも書ければと思います。
竹村京さんは多様な作品展開をしていて、面白いと思ったのですが、それだけです。
白井美穂さんの作品は有ろう事か見逃してしまいました・・・
真ん中分けの長い黒髪にメガネのイメージのポリクセニ・パパペトルーさん。
写真には、全て自然の中に子供がいました。
彼女の子供の頃を再現したそうです。

一枚一枚、物語性があって私はとても気に入りました。
今回展示の作品を含めて、過去のものもこちらに多々載ってます。
http://polixenipapapetrou.net/works.php?cat=Games_of_Consequence_2008
そして、

さわひろきさんのルームに入るべく、
カーテンを潜ると、そこは真暗闇の異空間。
私が知らないところで展開されているどこか違う世界に
紛れ込んできてしまったかのような気持ちになり、
何がそこで行われているか、探りを入れることから始まりました。
そこには150cm×270cmの巨大スクリーンが6台と
プロジェクターが置かれていました。
そして、そこで6つ並行して10分間上映されるのです。

一つ一つの作品は、動画のパッチワークのようでした。
現実と非現実、虚構が溶け合い、ゆっくり進行して、それが新たな空間を
作りあげていました。
例えば、木の抉れた幹の中に月が浮かんで動いていたり、
地面が海になっていたり・・・。
不自然さも、不自然と感じない不思議さ、そんな空間でした。

“fragments”という作品の
針や振り子の通常より早すぎる動きは、その現実ではない
新しい空間を助長しているかのようでした。
“kaerimichi”では、同じ場面で、道と海とが文字通り、溶け合ったりしていました。
場面が展開して、最後には元の場所に戻っていく作品です。

最後に映し出される“かえり道”という看板が印象的でした。

日本の近代ホラー映画に出てきそうな場面が多かったのですが、
何故か懐かしく感じました。
私は、東京に生まれましたが、幼少期は、九州で数年間過ごしました。
誰もいない夕方や夜の小道、海、満点の星空・・・
幼い頃の記憶の片隅にある情景と重なったのです。
この作品は観る人観る人、違った記憶が蘇るのでしょうね。
一番、ウケが良さそうなのが“for a moment”という作品です。
砂浜に置かれた観覧車が動きだし、帆船が海を進んでいきます。

大きな満月も動きだし、その異空間が形成されていきます。
後半、原子力発電所が夜空に映し出され、そして、画面一面に
花火が上がります。

スクリーン写しだされた花火は、寂れた原子力発電所とは裏腹に
とても華やかで、この対照がとても美しいのです

花火を避けるかのように画面が流れていきます。
避けるというよりは、何かを目指しているように。
不思議なことに、花火が、画面を追いかけてきます。
そして、気がつくと夜空が夕暮れ時に戻り、
目指すその先には、夕暮れ時に浮かぶ巨大な朧月があります。
家に欲しいと思った作品でした。
“talking to the wall”では、
壁というか、家全体が生きているかのように見えます。
ただし、活き活きしたLIVEではなく、どこか陰鬱で地縛霊のように居座り
生きているかのようなLIVE。
最も不可思議な作品でした。
一番印象的な場面が、
裸電球に傘がついた電灯が、影絵のように、壁に映し出される場面です。
そこの壁には、細いペン先で描いたような細かい絵も映っています。

電灯が規則正しく揺れ、壁の電灯の影もそれに合わせて揺れ・・・
驚いたことに、その細かい絵の中に描かれた人などが動きだします。
そして、馬がゆっくり歩き出すと、馬に合わせて絵の中の景色が右へ流れていきます。
絵が流れ、絵の中の生き物が動き、電灯は規則正しく揺れる・・・。
不思議な光景。
景色が移り変わり、馬が消えたところで、絵も一旦停止します。
そのあと、左へまた元に戻るかのように景色が流れ出すのですが、
そこには馬がいません。途中から出てきます。
馬が山にある小屋へ戻ったところで、次の場面に展開します。
奇妙な部屋、月、海、、、、
気味が悪いのですが、魅せられました。
他にも伊勢神宮を映した作品“moss”もありました。
観る度発見があって、楽しくなってしまい、
実は、このルームに、2時間は居ました。
こんなに長いこと観ていた客、私以外に居るのでしょうか。
作風は違いますが、YOUTUBEに動画がありました。
うわ、文章が長くなりすぎました・・・。
誰もここまで読まないでしょう・・・。
帰りに国展もついでに見ましたが、思っていた通り、絵も版画も彫刻も一点として
気に入ったものがありませんでした。
写真は数点ありましたが・・・。
銀座へ他の展示も観に行きましたが、それはまた今度書きます。