山種美術館1 | ミニチュア制作 La Petite Fleuriste

山種美術館1

前回の話の続きでもあります。

昨日は、仕事に行かず、山種美術館に行きましたドンッ

私は速水御舟が大好きで、ある絵を観るためだけに出掛けたのです。

http://ameblo.jp/globular-cluster/entry-10075356620.html

 

ところが

「桜さくらサクラ・2008
―名所の桜・ものがたり―」

と題する展覧会のため、そこにあの絵はなかったのです。

しかも予想に反して会場は混雑していました。

年配の中流階級といった方々でしょうか。

そんな方々でごった返していました。


どんなに混雑していても、美術館で感じる、

タイムスリップしたような感覚を私はそこで楽しみました。

様々な時代や感性を持って生きていた人達の命を凝縮したような

絵画たち・・・。

時代を越えても尚、当時の画家たちが全身全霊を投じた絵を

感じることができるなんて、素敵なことだと思いませんか?

彼らの肉体は脆く朽ち滅びても、

伝えたかったもの、感じたものに触れ、こうして繋がっている感じが私はするのです。


石田武、橋本雅邦、小林古径、横山大観、速水御舟、加山又造、

奥村土牛、川端龍子、小野竹喬、川合玉堂、今尾景年、奥田元宋、

橋本明治、西郷孤月、守屋多々志、伊東深水、上村松園、狩野常信・・・


一枚一枚私が感じたことを書いていきたい気もするのですが、

ナンセンスだと思うので、そんな中で一番気に入った絵をここに記します。


速水御舟『春の宵』


速水御舟『春の宵』

絢爛と咲き乱れ、呆気ない程に潔く散る、そのはかなさと美しさが

鋭敏且つ情感豊かに描かれている速水御舟の『春の宵』。


闇の中に幻想的な白い光を放つ桜の花びら・・・

か細い三日月と木や幹。

散り行く妖艶な桜に魅せられました。

月の明るさよりも桜の花びらは遙かに光を帯びていて美しかったです。


そこには風も感じられます。

時を刻む毎に、花びらが散りゆく姿・・・

実に細やかです。

『炎舞』と同様で、幽玄さや、異なる世界に通じる何かを感じました。


華やかな桜を描いた絵の前には人だかりができていましたが、

この小さな絵の前には殆ど人がいなかったので、私はじっくり鑑賞することができました。


この美術館を去ったあとに驚くべき出来事があったのです。