バルジェッロ国立博物館1 | ミニチュア制作 La Petite Fleuriste

バルジェッロ国立博物館1

美少年の彫刻について以前書いたのですが、

http://ameblo.jp/globular-cluster/entry-10084725992.html

http://ameblo.jp/globular-cluster/entry-10084938848.html

この2体を所蔵しているバルジェッロ国立博物館について

書くのを忘れていたので、今日はその続きを書きます。

詳しくは知らないので、肝心なことが漏れているかもしれません。


この日は、バルジェッロ国立博物館以外には、

ロッジア・デイ・ランツィ、ウッフィツィ美術館、オルサンミケーレ教会、

ヴェッキオ宮、捨て子養育院絵画館、サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会を訪れました。

特にウッフィツィ(ウフィッツィではなく、ウッフィツィです)については、

またの機会に改めて書きます音譜

 

さて、バルジェッロ国立博物館は、

元々、軍事組織や行政長官の本拠地として利用され、
ルネサンス期には警察署(bargello)として位置付けられていました。

建物の一部は牢獄や処刑場、拷問部屋として使用されていたそうですよ・・・ドクロ

前回(美少年の彫刻について書いたとき)、写真を載せてますが、

当時は中庭の井戸(?)の辺りに処刑台が設置されていたそうです。

外観の写真もそこに載せたのでここまでとして・・・


この博物館は約4万点の美術品を所蔵し、ルネサンス美術のコレクションとしては、

世界有数のコレクションを誇るとされ、名高いです。


ここの博物館といえば、ギベルティとブルネレスキの『イサクの犠牲』

を真っ先に挙げる人が多いのではないでしょうか。


ブルネレスキ
ブルネレスキ

ギベルティ
ギベルティ


どちらが好みですか?


この2作品は、サン・ジョヴァンニ洗礼堂北側の彫刻

制作者を決めるためのコンクールに出展されたものです。

因みに南側は、ピサーノが制作しています。


最終選考に残ったブルネレスキは、当時24歳、ギベルティは23歳だったそうです。

革新的な技巧を駆使したギベルティが勝ったとされていますが、

定かな文献はないようです。

ただ、北側の扉を制作したのは、間違いなくギベルティです。

そのあと、東側の扉を制作したようです。

東側の扉は、“旧約聖書の物語”を順を追って彫られています。
金鍍金したブロンズは様々な技巧が使われ、中でも遠近法が

高く評価され、彫刻が絵画(西洋の絵画をさします)のようだ言われています。
ミケランジェロが東側の扉を見て、

「なんと神々しい作品だろう。まさに天国に値する扉だ」と発言したことから

東側の扉が、“天国の門”と呼ばれるようになったそうです。


天国の扉

クリックで拡大します。


天国の扉


この10枚のパネルの本物は、ドゥオーモ付属美術館にあります。

ドゥオーモ付属美術館についてはまたの機会に書きます音譜

このレプリカも一枚一枚撮り、本物の写真も一枚一枚撮ったので、

対比させて載せようと思います。

余談ですが、北側の扉のパネルは28枚で、金鍍金してません。



一方、このコンクールの後のブルネレスキといえば、

彫刻家を諦め、建築家としての道を歩むため、

古代ローマの遺跡建築を研究します。

この選択は正しかったようで、建築家としてのブルネレスキは

ヒーローのように称えられています。

ブルネレスキでなければ、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の

クーポラは完成しなかったでしょう。


ジョットの鐘楼から
クーポラ


クーポラ

このクーポラは、アルノルフォ・ディ・カンビオが着工を始めたもので、

引き継いだブルネレスキが16年を掛けて完成させたものですビックリマーク

高さ113mの丸いドームの建設は、現実的に不可能であることが判明し、

一世紀の間、作業は中断されていたところの、救世主だったのです。

八角形のドームにしたことで、完成することが可能になったこのドーム、
着工から完成まで170年かかってます。

そんなドームに登って眺めた景色は最高でしたアップ


フィレンツェの街並みについて、おおまかに書いたのはこちらです。

http://ameblo.jp/globular-cluster/entry-10073095955.html

いずれ納得のいくかたちでまとめたいと思っています。


ブルネレスキの作品は、

全面改築をしたサン・ロレンツォ聖堂やその中にある旧聖具室、

サント・スピリト教会、サンタ・クローチェ聖堂のパッツィ家礼拝堂などが有名です。

一つ一つ写真を載せたいのですが、今回は省きます。


さて、話を戻します。


この博物館には、奇妙なものも設置されてます。

巨大な大砲が2体あるのですが、

この大砲(XV Century)は一体何なのでしょう?

拷問の一種でしょうか?


大砲


大砲


大砲

ビックリ人間みたいです。

これは一体何か館員に聞いてみるべきでした。



アーケード式の中世を思わせる美しい回廊が続きます。

風化された色合いが印象的です。


回廊

回廊

回廊

回廊


長くなったので、一旦ここで切り上げます。