日本画のススメ1 | ミニチュア制作 La Petite Fleuriste

日本画のススメ1

本当は、昨日の続きを書こうと思ってましたが、

それはまた今度にします。

日本画についてロクに勉強してない20そこらの小娘が・・・

と言われそうですが、

今回は、日本画について少し触れます。

そのうち、きちんとブログにも書いていこうと思います。

 

私が日本画の好きな点をいくらか書きます。

父にも教わったことです。


自然と人間の生活とが一体となり、

画家にとっての自然は人間を包括している。


この一言に尽きます。


それは、中国の山水画にも言えることで、

ここでも、宇宙観が反映されています。

人間とはかけ離れた巨大で人間を威圧するような自然。

描かれている点景の人物とそのコントラストがそれを

表しています。

つまり、人間を超越した存在として、自然を描いているのです。


一方、西洋の美術は、概して人物が主役です。

主張が激しい。

真逆ですね。

西洋の場合、風景画として独立したジャンルができたのは

17世紀くらいなので、はるかに中国が早いのです。

日本においては、最古のもので『山水屏風』という作品が残っていて、

これは、11世紀とされています。

中国はそれ以前ですね。


山水画が日本に入ってくると、、、、

描かれている人物は、中国のものとは違い、自然と通いあう

ような雰囲気があります。

人間を超えた自然としてではなく、通い合い、包み込むような感じです。

四季折々に移ろう自然の姿が美しいと感じることが

日本人の幸福なのであって、それは絵の中から伝わってきます。

 

ご存じかもしれませんが、

河合玉堂『彩雨』、范寛作『渓山行旅図』など見てみると

良いと思いますドキドキ

図書館に美術書もあります。

画像を載せようとパソコンで検索をかけてみましたが、

見つかりませんでした。

雰囲気をどうぞ・・・。

私が7年前に書いた論文を撮った写真です。

たまたま見つけました。


ronbun

せっかく書いたのに見事に紛失しました。


私は、日本画の空間美、二次元が大好きです。



日本の美術館というと、企画展なんて、

物凄~~~く混んでますね!!!

日本の美術館の残念な点の一つです。

もう一つは、

美術館にまで八百万の文化が反映されていることです。

ここに行けば全てを見ることができるというような美術館が

皆無に等しいです。

ヨーロッパ、中国、日本、エジプト、、、

色々なジャンルを置いて一完成がないのです(誰かさんのブログのよう・・・)

平均的なのです。

日本の教育にも言えることですね。


一完成がある美術館の一つに(唯一なのかもしれません)、


山種美術館 http://www.yamatane-museum.or.jp/

 

があります。


山﨑種二が蒐集した美術品の寄附により開館された

美術館だそうです。

ここには、近・現代の日本画が、ある特定の作家や流派に偏ることもなく、

所蔵されています。


父に長々と話を聞きましたが、搔い摘んで書くと、


”偽物を掴まされたくない。

じゃあ、生きている画家に書かせよう”


というポリシーが山﨑種二にあって、一流のものが揃っているそうです。

彼は、画家のパトロンです。

株で儲けさせたり、援助を沢山していたそうです。

速水御舟の『炎舞』もここにあります。


速水御舟の描く絵は、命を縮めた絵、凝縮された絵と言われています。

 

典型的な御舟ファンと言われてしまうのかもしれませんが、

その『炎舞』が私の心を捉えて止みません。


御舟


闇に、紅の炎が燃え上がっています。

漆黒の闇が朱色がかるほど、

激しく燃える炎の先に、蛾が離れようともせず、飛び入り、

身を焦がすように舞っています。

誘惑の多い現世と至高の世界、若しくはあの世との境界を

踊り彷徨っているように私には見えます。

煩悩を感じさせる霊的な絵といった感じでしょうか。

現世に未練や執着がありすぎて、成仏できない、

とか

現世の誘惑に縛られている現代人、

といった・・・

 

いらない感想でした。


このタイトル『炎舞』は、御舟本人が付けたものではなく、

後付け説が強いようですが、洒落ていてとても好きです。

 

私は基本的に美術館は一人で行って一日中過ごします。

以前、自分以外誰もいない美術館の部屋で『炎舞』を

鑑賞したことがあるのですが、

とても不思議な気持ちになりました。

また観に行くつもりですキラキラ


他にも書きたいことがあるのですが、長くなりすぎるので、

また気が向いたら書きます。