中国がオーストラリアからの大麦、牛肉、ワインなどの商品輸入を制限していることは先日お伝えしましたが、その中には伊勢海老も含まれています。
オーストラリアで捕獲される伊勢海老の大半(9割以上と思われる)が輸出され、その輸出量のなんと9割以上が中国向けなのです。その中国向けの出荷が止まったのですから、伊勢海老関係者の困窮ぶりは想像できます。業者は、日本やシンガポールなど他の市場を模索しているでしょうが、そんなに簡単に売り先が見つかるとは思えません。そこで、とりあえずオーストラリア国内の市場に流すようです。国内市場の卸売価格は、中国向けの卸売価格の約半額と、儲けは少ないようですが”背に腹はかえられぬ”というところでしょう。
ということで、ほとんどが中国に出荷されていた伊勢海老が、ブーメラン現象でオーストラリアに帰ってきたわけです。
これは近所のスーパーのチラシですが、一尾が19.99ドル(約1600円)と市民にも手がとどく価格で販売されています。
20年ほど前までは、パースでの伊勢海老はこれくらいの価格で販売されていたのですが、最近は倍近くの価格となり、そもそも国内向けの量が少ないので市民は購入できない、という異常な状態だったのです。
ということで、今年のクリスマスでは久しぶりに伊勢海老を口にする市民が多いことでしょう。