数日前にオーストラリアン・フットボールというオーストラリアで盛んなスポーツの関係者が、あるアボリジニー(オーストラリアの先住民)のスター選手に対して、ラジオ放送にて人種差別的な発言をしたことで大きな話題になりました。


そのアボリジニーの選手はキング・コングにたとえられたのですが、本人にほんの軽いジョークのつもりで言ったようです。しかし多民族国家としてのオーストラリアでは人種差別的な発言には非常に敏感で、特にアボリジニーに対してはそうです。


オーストラリア・パース在住漫画家のブログ-57

これは発言があった翌日のパースの地元新聞ですが、一面トップで取り上げられたところを見ると、オーストラリアではいかにこの手の話題が社会的に関心があることを示しています。


それに、この"KING NONG"という見出しですが、これはKING KONG(キング・コング)をもじったものです。NONGとは”馬鹿者”という意味があるオーストラリアの俗語なので、これは”大馬鹿者”という意味で使ってあるのです。

なかなかよくできたダジャレだと私は感心しました。


今回はたまたま発言がラジオ放送されて一般大衆に知れたので大きな問題になりましたが、オーストラリアの大多数を占めるイギリス系の白人は、アボリジニーや我々日本人を含めた有色人種を馬鹿にしたジョークを頻繁に言っていることは容易に想像できます。



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一方今回ジョークにさ使われたキング・コングというかゴジラですが、もしかすると彼らは人間と呼ばれることは差別だと思っているかもしれませんね。