12時10分に手術室へと入った父の
長い長い手術が始まりました
手術室へと入ってしまったから、家族は家族控え室で待つしかない
『お腹空いたやろ?これから長いからお弁当買ってくるわ』
すぐ近くにある百貨店に、お弁当を買いに行く事にしました
母と弟を残して、一人で歩きながら
父のことを考えていました
きっと大丈夫・・・
きっと大丈夫・・・
自分に言い聞かせていました
3人でお弁当を食べてからもなかなか時間が経ちませんでしたが
当初は4時間くらいと言われていた手術も
とっくに4時間を過ぎていました
弟の落ち着きがなくなってきました
『4時間過ぎたやんか!なんかあったんと違うんか?!』
『場所が難しいところって言ってたから時間がかかるん違うん?
早く出てくる方が心配やわ・・・』
『そうやな・・・』
母と私は父の風邪がうつっていましたが、母はこの日
熱があったようで、とてもしんどそうでした
それでもただじっと座って待っていました
6時間を過ぎてもまだ終わらない手術・・・
たくさんの人でいっぱいだった控え室も、私達と他の家族だけになりました
7時間を過ぎても出てきません・・・
時計を見ると8時半を過ぎていました
9時を少し過ぎた頃、ようやく呼ばれて術後の説明をされました
『まず、時間がだいぶ長くかかりましたが、
思いがけない事があったからではありません』
『そうですか・・・ありがとうございました』
と母と言いながら、目は父の胃に釘付けでした
父が
『ご飯を食べても取れませんか?』
と心配していた米粒くらいのしるしも、3つ付いていました
それから、腫瘍が思ったより小さかった事
リンパ腺が少し腫れているけど心配はない事
転移しやすい場所だったので、当初予定していたより大きく切除した事
病理解剖してまた詳しく説明がある事
さっきまで父の身体の中にあった胃の一部を見ながら
丁寧に説明してくれました
先生に何度も何度もお礼を言って
部屋を出ました
看護師さんが集中治療室に案内してくれ
たくさんの管を付けた父にようやく会えました
意識があるのかないのか分かりませんでしたが
『お父さん、わかる?終わったよ』
『お父さん・・・!』
『・・・・痛い・・・・』
『痛いんか?無事に終わったぞ。頑張ったな!』
『お父さん、悪いとこみんな取ったから!大丈夫やから!』
『お父さん!分かる?聞こえたら目をパチンてして』
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涙が出そうでした
意識が朦朧としているようでした
集中治療室は10分以内に出なければいけなかったので
『明日目が覚めるころまた来るから』
と声を掛けて病室を後にしました
長い長い一日が終わりました
とにかく無事に終わって良かった
病院を出ると10時近くになっていました