我々は生きている中で、様々な経験や体験を通して、脳内に保存するための「記憶」という機能を備えております。

 

その「記憶」の使い方によって、今の自分の在り方、または思考や行動を選択し判断しているとされています。生存に欠かせない自己防衛行動や危険回避行動をするために、その記憶すなわち感情を伴った記憶を保存することで、様々な起きる現象に対しての行動に制限をかける材料として備わっているのです。

 

しかし、その「記憶」の使い方によっては、自分本来の「やりたいこと、やれること、なりたいこと、なれること」などに制限をかけることを優先してしまうため、現状維持の状態を保つ方向へと思考を働かせてしまうことが多々あり、そんな経験を積み重ねることで、また制限の力が増し繰り返しのループに陥ることも考えられます。

 

そこで、今回は「記憶の使い方」を知ることで、本来の自分や「こう在りたい!」という理想の自分になるヒントとして、2回に渡ってお伝えしていきたいと思います。

 

では、そもそも「記憶」とは何でしょう。

・過去経験を保持し、後にそれを再現して利用する機能のこと

・新しい経験が保持され、その経験が行為や意識の中に再生されること

・情報を蓄え、目的に適うようにそれを利用する能力のこと

などが心理学及び神経心理学などの代表的な定義とされています。

 

通常「記憶」は過去起きた出来事に注目されることが多く、過去に保存した “良くも悪くも成功も失敗”も現在の行動を決める判断基準として用いる傾向があると思います。記憶の使い方を一方向で考えるのであれば仕方の無いことですが、時間軸で考える「記憶」を使うことが出来るとしたら、現状に変化をもたらすことも可能になるはずです。

 

では、「記憶」の使い方をどのようにすれば良いのか?

 

まず知ることは、「記憶」には3つの記憶があるということ。

1,過去記憶

2,現在記憶

3,未来記憶

この3つになります。

「記憶」にも深さと幅があり、時間や強度によって奥深くに隠されている場合もございます。その為、自分が認識出来ないところで無意識に影響を受けていることもあると考えても良いでしょう。

 

ではこの記憶の意味づけはどうなるのか。

【過去記憶】

過去に経験した記憶。

たとえば「昨日、会社に遅刻して上司に怒られた」「学校で忘れ物をして先生に怒られた」などの記憶。

【現在記憶】

たとえば「今日、やらなくちゃいけない作業がこんなにある」などの現状に関する記憶。

【未来記憶】

「この先の未来にどんなことが起きるのか、どんな自分になれるのか」という未来のイメージのこと。

 

私の考えではありますが、この3つの記憶を「過去記憶情報、現在記憶情報、未来記憶情報」という言葉にすることで、もう少し深く理解しやすくなると捉えています。

 

すなわち「記憶」とは「情報」であるということ。

 

つまり、この「記憶」という「情報」を上手に使いこなせれば、より「自分本来の思考や行動」に近づけることが可能になるのです。

 

 

 

では、この「記憶情報」をどのように使っていくのか。

次回は、「記憶情報の使い方」について深掘りしお伝えしていきます。