『地球上に、ひとつでも多くの共感の連鎖を』

グローバルグリップ 代表 辻高志です。


仕事納めのかわりに、
2012年最後の日に、ひとつ記事を書いてみたいと思います。
今日のテーマは、
「グローバルビジネスと日本企業 ~人材育成の前に~」 です。

企業とはなにか?
これ、色々な考え方や表現の仕方がありますよね。

では、企業の目的、とはなにか?
これも、一般論としては、色々考え方や表現の仕方があると思います。
ただ、個々の企業にブレイクダウンしていうと、これは極めて明確に
なっています。(なっているべきだと考えています。)

それは、
「経営理念」です。

「経営理念」とは、言い換えればその企業においての、
経営目的であり、その目的達成の為に、その企業にたずさわる人が
持つべき、考え方、価値観、行動規範などの手段を記載しているものです。

つまり、企業というのは、その企業が持つ理念を追求する
「理念集団」である、私はそう考えています。

例えば、、、クイズです。
『わたしたちは、地球的視野に立ち、世界中の顧客の満足のために、
質の高い商品を適正な価格で供給することに全力を尽くす。』
これ、どこの経営理念でしょうか?

正解は、HONDAです。
この文章は、HONDAホームページを見ると
「社是」という項目で記載されていますが、いずれにせよ、
目的 :世界中の顧客の満足
方法 :地球的視野に立ち、
     質の高い商品を適正な価格で供給すること
で、という記載がなされています。

このように、個々の企業においては、経営理念やそれに相当するもの
において、その企業の固有の目的、が示されているので、企業の
目的が曖昧である、という事はありません。(すべての企業がそうなっている
わけではないと思いますが。)

さて、ここからが言いたい事なのですが。。。(前置きがくどくてすいません。)

多国籍チームで、グローバルビジネスをする時に、
この理念(企業目的とその目的達成に必要となる考え方、価値観、行動規範など)
をどのようにシェアをしていくか。
ここが、非常に重要なポイントだと、ずっと感じてきました。

なぜか?

それは、
もともと、みんな考え方が同じではないからです。
そして、(特に仕事に対する)文化や習慣、常識が違うからです。

文化、言語、習慣、常識が違う人々同士が集まって仕事をする時に、
「ここだけは同じでなければならない」という部分を作っておく事は
人々の集団に、文化・習慣・常識を超えた、集団としての共通の規則・
ルール作りであると言えます。

そして、このルール作りが意識レベルで出来ると、コミュニケーション
の質やスムーズさ、そして結果仕事の進み方が劇的に変わります。

理念を明確にし、共有する事が
多国籍チームで、とっても重要だな
と感じてきた理由です。
(日本人同士でも非常に重要だと思っていますが。)


逆に、
そこが、明確に共有できていれば、あとはなるべく
現地の文化・習慣・常識に積極的に合わせていく事をすべきだと、
今は考えています。そうでなければ、その国その国の人々の多くの共感を
集める事は難しいのではと感じているからです。

日本人のグローバル人材育成に大変な労力をかけるのも
重要なのでしょうが、その前に、現地で採用した人材と、理念をきっちり
共有する事、の方がよっぽど重要なのではないか、と思ったり

しています。

企業は人、というように、
現地のビジネスを実際に動かしているのは、日本から派遣した少数の
駐在員と同時に、現地のその他多くのローカル人材だからです。

そして、、、
理念の共有には、時間がかかります。
採用におけるフィルタリングだけでなく、採用後もリーダーが従業員に対して
きっちりと時間をとって話をし、またその共有・浸透の為の仕組みづくりを
作っていく事も必要になってくるのだと思います。

しかし、その結果に理念を共有できた時、
国、言語、文化、習慣、常識を超えた、
素晴らしい本当のグローバルチームができる。
そう信じてこれまでやってきました。

『世界中に一つでも多くの共感の連鎖を』

グローバル人材育成の前に、、というお話でした。

2012年もあと少しで終わりですね。ありがとうございました。
皆様よいお年を!

そして、皆様の2013年も素敵な一年となりますように!
来年もグローバルグリップをどうぞ宜しくお願い致します!