『地球上に、ひとつでも多くの共感の連鎖を』
グローバルグリップ 代表 辻高志です。

生まれも育ちも日本で、英語も全然話せなかった私が、
10年間25カ国以上に渡る、製造業での海外マーケティング業務
を通じて得た様々な経験・思いを、少しでも皆様にお伝え・シェアできれば、
と思い、ブログを書いてみる事にしました。もし宜しければ、
どうぞお付き合いください。

今日は、
『グローバル人材育成のウソ? ~英語力~』
について、ちょっと触れてみたいと思います。

製造業に限らず、
多くの産業で市場のグローバル化に対応すべく、
「グローバル人材育成」の強化が叫ばれています。

そして、多くの企業でグローバル人材育成強化の一環(というかメイン?)で、
「TOEIC XX 点以上取得マスト」、や、「社内公用語は英語に変更!」
などと言った、制度が導入されているのは、皆様もご存知だと思います。

これ、皆さんはどう思われますか?
制度・育成プログラムの是非、については私が触れる事では
ないので、ここでの言及は避けますが、

少なくとも、
私の経験上では、グローバルビジネスにおける英語力とは
「とっても重要度が低い、必須スキル」だと思っています。
必須ですが、重要度は低いのです。

例えば、質問ですが、
 ①英語がペラペラなのに、いつも交渉負けする人
 ②英語がそこそこ上手なのに、いつも商談をこじらせる人
 ③英語はあまり上手くないけど、要点を伝えきっちり商談を前に進められる人
みなさんが上司なら、どの部下を商談に送りこみたいですか?
恐らく③ですよね。

では、もうひとつ質問で、
③に必要となる英語力って、、いったいどういうものだと思われますか??
私は、この英語力を、TOEIC何点以上、というテストの点数だけで
判断する事は、難しいと思っています。

だけど、企業側・人事側は、
判断基準を持たない(所が多い)から、TOEICという点数を代替指標に
している(会社が多い)、という事なのかな、と私は理解をしています。
人事部が英語面接の時間を作ったら、、、、、
本当に、TOEICだけを判断基準にするか、はなはだ疑問です。

①~③のケースで出したように、
ビジネスにとって(プライベートでも)必要な英語、というのは、間違いなく
TOEIC何点レベル!という「テスト英語力」ではありません。
実際、TOEIC 900点以上で、全然商談を進められない人、というのを
これまで何人も見てきました。

これは、
- ヒト 対 ヒト のコミュニケーション力がそもそも低い
- 商談力の不足(準備・進め方・落としどころの探り)
などが原因なんだと思いますが、こういうタイプは日本語でも英語でも
同じ事をしてしまうというのは、想像に難くないと思います。

『何語が話せるか?』
ではなくて、
『何を、どのように話すか?(それは何語か?)』
なんだと思います。

社内人材が、満遍なく英語を話せるようになるのが先か、、、
高精度の音声翻訳機が爆発的に売れるのが先か、、、
後者でも良いんじゃないかと最近思っていますし、実は音声翻訳機には
本気で期待しています。

グローバルな時代だからこそ、日本人にとって必要な言語力は
母国語の、日本語の美しさをもっと深く知っていく事、
そして
そんな美しい日本語を、日本語を母国語としない人にシェア・紹介できる事。
そんな日本語の国語力の方だと、個人的には思っています。

いくらグローバル社会だからと言って、
TOEIC何点以上、なんていう単一の基準だけで、日本人の人材の
ポテンシャルを潰してしまうような事がないように、祈っている次第です。

そして最後に、、、
英語さえを話せれば、
「仕事が比較的見つけやすい」または、「会社の中で、昇進しやすい」
という環境にある、今の日本。
世界の国々から眺めてみると、幸せな環境だと思うのは僕だけでしょうか。

「重要度が低い、必須スキル、英語」
というお話でした。

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