先日のNHK文化センターでの教室で、線を活かした水彩画を考えてみました。

一般に、水彩画というと、ウイリアム・ターナーが生み出した水彩画の考え方が主流で、線を強調することは少ないかもしれません。

ただ、線が活きている作品も魅了があります。

例えば、水彩で有名な作家をみてみると、アンドリュー・ワイエスの鉛筆の線、チャールズ・リードの水彩画、線の魔術師といわれているベンシャーン、古くはパウル・クレーの線の面白さやマチスの線、そして国内に目を移してみると、三岸節子の水彩の線、松井ヨシアキの線、難波田史男の線の面白さ、安野光雅の線もとても魅力があります。(敬称略)

これらの方々は、線を活かした作品を残しているほんの一部ですが、こうしてみると、線の面白さを活かすことも大切ではないか、と改めて思い当たったものです。

もちろん、単なる塗り絵のような感じにはしたくありません。

 

NHK文化センターの教室では、色々な筆記用具を用意して、線の違いを見てもらい、実際にもいくつか描いてみます。

今回準備した筆記具の一部。

 

以下は、「ふでDEまんねん」(ぺんてる)で描いたもの。(10分)

線は上からかけた着彩で若干のにじみが出ます。

オイルクレパスを使ったもの。(7分)

0.4mmのピグメントペンで描いたもの。(10分)

葦ペンと一部イラスト用のペンで描いたもの。(5分)

最後に、もう一度ふでDEまんねんで描いた新宿。

ここでは、少し時間をかけて描いてみました。

ウオーターフォードF6 300g使用(20分)

まだまだ活かしきれているとは言えませんが、普通の水彩画とは違った雰囲気を出すことが出来ます。

水彩を描く者として、もっと追及してみても良いテーマだと思います。

 

私の場合、スケッチ旅行で多用しているのがペンでのスケッチです。

とにかく速く描けるので沢山描くことができ、旅行にかかった費用をすこしでも回収しようというミミッチイ考えも入っていますが…。