我々の生活は、楕円に囲まれているといってもよいかもしれません。

それほど楕円は、生活の中に密接に関係しています。

だからこそ、楕円を正確に描けることは、大切です。

特に静物を描く場合は、必ずと言っても良いほど楕円が入ってきます。

 

ちょっと集めただけで、このようなものがあります。

つまり円形のものや円筒のものは、真上から見る以外は切り口が全て楕円になるということです。(ボトル、グラス、花瓶、皿など)

昨日、アクアレラの会で、遠近法の話をした際、この楕円に話題が集まり、急遽楕円のデモをやることになりました。

その時の経過を少し載せてみます。

 

角度を変えて2枚描いてみました。

今回は分かりやすくするために、仕上げをペンで描いています。

 

一枚目は少し上から見下ろしたもの。  このような感じに見えます。

鉛筆で軽く楕円の変化を描きます。

中心の線、楕円の変化を鉛筆で描いていきます。

その際、必ずやるのは、見えない部分の楕円の続き(裏側)を一緒に描いていくことです。

そうしないと楕円の感じがつかめません。

上から下の方に行くにつれて、次第に楕円の短径(短い方の径)の幅が広くなっていきます。

ここまで描いておいて、ペンで形をとります。

その後鉛筆で描いた本来見えないはずの部分を消せば完成です。

 

そしてもう一枚。

少し目線を下げてみると、楕円の短径がより小さくなります。

 

同じように鉛筆で下描きをしてペンで仕上げてみます。

最後に見えない部分の補助線は消します。

これまでも沢山の静物の作品を見てきましたが、この楕円が正確に描けているものは少ないように感じます。

 

私も、見直してみると結構間違っていることが多いのに気が付きます。

今回のデモの結果も、結構微妙な部分が散見されます。(汗!)

 

更に楕円の間違いは、見る人に直ぐに分かってしまうという面倒な点なのです。

これは、見る人が自然に持っているバランス感覚と外れて違和感を感じるからだと思います。

 

「静物」を描く場合、特に楕円が多く出てきます。

 

楕円の練習は十分にやっておきたいところです。