今回は、透明水彩を描くにあたって、私の使っている画材について、少し書いてみます。

これまでいろいろな材料を使って絵を描いてきましたが、透明水彩は中でも一番難しい材料かもしれません。油絵、アクリル、といった材料ももちろん難しいのですが、水彩は使用する紙、筆、絵の具の特性などによって、想像以上に結果に変化が出ます。また、色を重ねたとき下の色の影響が大きく出ること、水のコントロールが難しいことなどもあり、水彩は慣れるのに時間がかかります。

この難しさが、水彩をはじめた人が夢中になる原因のひとつかもしれません。

なんとかしたいが思うようにならない気難しいじゃじゃ馬を慣らすように…。


用紙

使用する紙によっても結果は大きく変ります。それだけにどの紙を選ぶのかということは、非常に重要になります。
案外紙選びを軽視している人が多いのは残念です。

私は現在 アルシュ、モンバルキャンソンを主に、他にもウオーターフォード、ラングトンなどを使っていますが、それぞれの特性が面白く、毎回いろいろな紙に描いてみています。

紙はその吸湿性、食い込みの強さ、発色の違いによって、まったく違った表現ができます。にじみ一つにしてもそれぞれ違った出方をするのが面白いところかもしれません。

 

筆は、その穂先や堅さ、水含みの多少などで、使い勝手がかなり違います。

いろいろ自分に合うものを探すのが楽しみです。

今は、ほとんどラファエロの筆を使用しています。


絵の具

絵の具は、日本のホルベインをメインに、一部ウインザー&ニュートン、シュミンケ、などを使用しています。

ホルベインのサップグリーンやミネラルバイオレット、プロシャンブルーなどは、その透明性や色の鮮やかさなど満足しています。各メーカーによってそれぞれの色で伸びが良かったり、溶け具合に違いがあるので、好きな色を探していくのも良いと思います。


パレット

パレットも自分の好みのものを探してみると良いと思います。

外でのスケッチには軽く丈夫なもの、そして混色などした際に色が見やすいものが良いと考えています。

現在はアルミにホーロー引きしたものを主に使っています。


いずれにせよ、自分が気に入ったものを見つけると、なにかうまく描けるような気がするのは不思議です。