ネパール・ランギチャンギ通信

ネパール・ランギチャンギ通信

特定非営利活動法人ジーエルエム・インスティチュートが実施するネパールプロジェクトの活動紹介と、
ネパールのカラフルで多様な文化に日々魅了されているプロジェクトマネジャーの雑記です。

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ナマステ
皆さま大変にご無沙汰しておりました。
日本は連日猛暑続きの中、皆さま熱中症対策等しっかりされてお元気にお過ごしでしょうか。変わってカトマンズは今現在、バケツの水をヒックリ返したような雨が降っております。またここのところ雨続きで気温が下がっており、朝晩は涼しさを通り越して、盆地特有の冷気を感じるくらいです。

ブログ更新できずにおりました間、ネパールでは大地震、その後の余震により、大規模な被害が発生しました。事業地クセスワ・ドゥムジャ村でも、全壊した家屋は300世帯程に及び、残りの家屋も大半が半壊やヒビが入るなどのダメージを受けました。現在も多くの住民が、トタンで設置した仮設住居で生活していますが、日常生活は回復してきており、田植えや野菜栽培など、通常の農業活動が再開されています。

一方、特に高地エリアを中心に多くの学校も全壊や半壊の被害を受けてますが、再建の目処が立っておらず、子ども達は雨風を十分に凌げない環境での勉強を余儀なくされています。
ジーエルエム・インスティチュートでも事業地を対象に、地震による被害への支援活動を行っています。詳しくは、「ネパール地震復興支援中間報告」をご参照ください。

さて今回は、ネパールのアーユルヴェーダの流れをくむ育児について、少しご紹介させていただきます。

ネパールでは、赤ちゃんのオイルマッサージが大変に重要視されています。日本ですと、条件が整う限り毎日沐浴を行うことが一般的かと思いますが、ネパールの人たちにとっては、できる限り毎日赤ちゃんにオイルマッサージを行うことが習慣となっています。


 
 
沢山の赤ちゃんの面倒をみてきたベビーシッターさんによると、オイルマッサージによって骨格が鍛えられ、病気になりにくくなるそうです。マッサージ中は、腕や足の体操も行います。

引き続きまして、母乳が良く出るスープです。こちらも上記オイルマッサージを行ってくれているベビーシッターさん直伝のレシピです。圧力鍋に油をひき、フェンネルやフェヌグリークの種をニンニク、生姜、それに少量のマサラと一緒に炒め、米粉、クミンシードパウダーと色つけのターメリックを溶かした水を加え、塩で味を調えて、加熱し、出来上がりです。


 

フェンネルやフェヌグリークは日本で販売されている母乳用のお茶にも使用されているハーブのようですが、ネパールでは調理用ハーブとしても日常的に使用されており、手頃な価格で手に入ります。女性たちは母親からスープのレシピを習い、そして次世代へと引き継いでおり、アーユルヴェーダの流れをくむ伝統的な育児の知恵が、今も息づいています。


こんにちは。
日本は本格的な春の訪れを迎えている頃でしょうか。
今回は、前回に引き続き、ベトナム事業事後評価の模様をお伝えさせていただきます。

ジーエルエム・インスティチュートのベトナムでの活動は、中部高原コンツム省コンツム市ダクズワ村において、少数民族バナ族の住民を対象に、持続的な傾斜地農業、豚飼育、家庭菜園などの技術普及やバナ族の伝統的な織物技術の復元と振興を通じて、バナ族の人たちの栄養状況や十分な食料を得るための収入状況が改善されることを目的に実施されました。

事業の実施体制を整えることに時間を要したり等の背景があり、実質的な事業実施期間は限定されていましたが、カウンターパートのコンツム省コンツム市人民委員会経済室、事業地ダクズワ村を管轄するダクズワ村人民委員会と管理チームを編成し、協働で事業の実施にあたりました。事業終了後は現地政府に活動の維持管理をバトンタッチし、今回は、事業終了後3年ちょっとしてからの事後評価訪問となりました。

傾斜地農業や豚の畜舎飼いなど、バナ族の住民にとって新しい技術については、事業でもう少しフォローアップし、投資と利益についての簡単な研修も合わせて実施するなどしていれば技術定着率が高まったのでは、という反省点や学びがありました。一方、土壌浸食改善や経済効果を実感した住民は、自発的に活動の継続を行っていました。

事業で配布したボイロイ苗木

 

 

枯れてしまったテフロシアによる等高線を補うのにボイロイ苗木を
新たに購入して植えつけていると報告してくれた住民



給餌費が高くつくと感じ、豚飼育活動を辞めた住民




 

 豚飼育による経済効果を実感し、活動を継続している住民


  

 

家庭菜園については、バナ族住民の中で、日々の食事における栄養改善効果が確かに実感されており、事業終了時の100世帯ちょっとから300世帯へと3倍近くに拡大・発展されていることが確認できました。


住民は種子やネットを定期的に購入して、家庭菜園を維持、発展


 

収穫した野菜は昼食に茹でて食べるそうです


 

そして、事業の最終年次より支援を開始したバナ族伝統の織物振興については、現地政府の予算不足から事後評価時には活動の停滞も確認されましたが、今回の訪問直前に事業実施期間から案が上がっていたコンツム省のコミュニティツーリズム振興サイトとして、ダクズワ村コンクトゥ村落が正式に選定されて予算が配分される見込みがたったとの嬉しいニュースがありました。現在、事業終了後も引き続き発展の機会を模索してきたクズワ村人民委員会ナム書記長、そして、引き続き活動への情熱を維持している女性たちにより、事業で整備を行った作業場の再整備、織りこまれるシンボルの意味を紹介するリーフレットやパネルを活用した販促、復元された草木染めの継続などのプランが温められています。

事業で復元した草木染めを再開したいと熱心に語ってくれた女性たち



 

サンプルとして大事に保管されていた草木染め織物
(地の黒とオレンジが草木染めの糸、模様は合成糸)


 

 
コンツム市を離れる前日の夜にカフェに招待してくれたナム書記長は、公務員の給与で2人の子どもの学費を捻出することは容易ではないけど、これまで長らく任務を務め、住民1人1人との関係も築くことができているダクズワ村の発展に引き続き貢献していきたい、そのためにできることを日々考えていると語ってくれました。


 


事業で関われる期間はほんの一瞬ですが、事業地に根を下ろして長期的な視点から地方行政に取り組むナムさんの姿に感銘を受け、とても頼もしく感じました。事業の事後評価として事業地を訪問するのはこれが最後になりますが、将来、プライベートで事業地を再訪し、村の発展を担う主役であるナムさんとバナ族住民の人たちの活躍を見届けることができたらと個人的に願っています☆



 

 




こんにちは!
カトマンズは朝晩の冷え込みが大分緩くなってきましたが、本日は生憎の曇り模様です。

今回はネパールを少し離れて、1月下旬から~2月上旬までジーエルエム・インスティチュートが過去に実施した事業の3年(ちょっと)後の事後評価で訪問したベトナムの様子をお伝えさせていただきます。

ホーチミン中心街は日本のODAによる地下鉄1号線の建設の真っ最中でした。写真はホーチミンのど真ん中、サイゴンオペラハウス前の建設サイトです。あちこちで道路が遮断されていることより、在住者にとっては少し不便なようですが、開通後はホーチミンの交通の利便性が上がることが期待されています


 
テト(旧正月)前で、街のメイン道路はイルミネーションで飾り付けされていました。1日11時間計画停電のカトマンズからやってきた私は、ホーチミンのきらびやかさ、勢いよく発展するベトナム、そしてサイゴンっ子たちのエネルギーにただただ感嘆しきりでした。


 
最近新しくオープンしたカフェです。安い飲み物でも1杯10万ドン前後(550円位)と、道端のカフェの10倍位の価格帯でしたが、ベトナム人の若いお客さんを中心にほぼ満席でした。ネパールでは現役で大活躍しているテンプー(小型オート三輪車)がディスプレイとして飾られていました。車両ナンバー49はダラットで使用されていたものでしょうか。

到着日に一晩観光客気分でホーチミンを散策した後、いよいよ、事業地コンツム入りです。コンツムまではホーチミンから隣接するザーライ郡のプレイク空港までおなじみのATR72(ターボプロップ双発旅客機)で移動し、プレイク空港から更に車で1時間の旅程です。


コンツム中心街もホーチミン程ではありませんでしたが、経済発展の勢いを受け、街の中心街には電化製品やバイクのショップが新しくオープンしていました。





こちらは一緒に仕事をしていたスタッフに案内してもらったカフェです。朽ちたり害虫の被害にあったりしないよう、泥の中につけて加工したらしい木材がふんだんに使われたデザインでした。結構な投資額であろうことが想像されますが、新築の大きな家が増えている街の様子から、ビジネスで成功している人たちが増えているであろうことも伺えました。



 
そして、ダクブラ川に掛かる吊り橋を渡って、いよいよプロジェクトサイトのダクズワ村です。事業終了後3年間とちょっとが経過しています。この間気に掛かっていながら中々再訪の機会を作ることができずにいました。村の人たち、そして事業を一緒に行った政府の人たちがどんな感じで出迎えてくれるか、様々な思いを巡らせながら辿りついた先には、変わらない村の光景、そして、変わらず情熱を持って村の運営に日々励んでいるダクズワ村人民委員会書記長の姿がありました。次回は事後評価とプロジェクトサイトの様子をご報告させていただきます☆