継続は力なり。

古くから伝えられるこの言葉を、実感しております。

……あ、ブログの更新は、2週間も空いてしまいましたが……
うっかりすると、トップページに広告が出てしまう。いかんいかん。




で、なんの継続だって?




この夏、軽井沢で、途方もない野望を抱きました。

藤田嗣治みたいに、うちの猫をかわいく描きたい!
……という。
https://blogs.yahoo.co.jp/glirulusjp/34777153.html



しかし、ワタクシの絵の腕前は、高校の美術部で断トツに下手だったレベルです。
そこで、まずは鉛筆で身の回りのものをスケッチすることから始めようではないか! と、思い立ったわけですね。



日本有数のざ・ずぼら~にして、飽きっぽさでは他の追随を許さない、このワタクシ。
しかし、なんと! スケッチ熱は、続いております!!

ほぼ毎日、コーヒーのお供は、トラベラーズノートと鉛筆です。
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先日、ブログでお見せした、下手なスケッチも、その一つ。




んがっ。
あれも下手でしたが、実は、さらに、その前がありました。

ん十年ぶりに、まともに絵を描こうと思って鉛筆を持ったのですが、
最初に描けたのは、こんなもんです。
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なんだこれ。

実は、これは、水が入ったガラスのコップなのです!! まあびっくり。

絵を描きなれないということは、つまり何を描いてよいかわからないということでもあります。
このコップは、15分ほど描いて「う~ん、これ以上、どう描いていいかわからない」と思ってしまいました。
画面は、ご覧の通り、真っ白。
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高校の時の悪夢を思い出します。
美術の授業の石膏デッサンで「いつまでも真っ白な画面じゃダメだ! どうしてもっと描かないんだ!」と怒られたことを。

だって、石膏って白いじゃありませんか。
絵の教室に通っていた同級生が「白いものを黒く描くのがデッサンなんだよ」と教えてくれたのですが、どういうことかさっぱりわかりませんでした。
白いものを黒くって、いったい、なんの禅問答??? と。




白く見える中にも、微妙なコントラストの差があって、白を白く見せるためには周りを黒くすればよいということに気づいたのは、ごく最近でした。

思い切って塗ってみたら、どうでしょう。
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どちらも、白いマグカップです。
お? なんか、ちょっと、それっぽくなってきませんか?


……いや、まず、形がゆがんでいることに気づかないかね……




ごほごほ。ま、それはさておき……




そうか! 白いものを白く見せるには、その周辺を黒く塗ればいいんだよ!
一番明るいところだけ白く残して、それ以外はグレースケールで塗ってしまえばいいんだよ!

……というような「開眼」があって、先日の高級鉛筆描き比べの絵が描き上がったわけなのでございます。
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それにしても、この、写真の見づらさは、なんだろう。
鉛筆で描いた絵を、見たまんまに撮るのは、そんなに難しいことなのだろうか。

って、カメラの設定の仕方がよくわからなくて、すべてお任せのオートモードで撮っているからいけないんだと思いますが……
普通に撮ると、なんでも、カメラさんが紙の部分を「グレーだ」と認識してしまうのだそうですね。
鉛筆画を鉛筆画らしく撮るには、露光や黒のコントラストを調整しなければならないそうで……
ううむ。まずは、カメラの技術から学ばなければならないかもしれません。

とりあえず、今回は見づらいままで……



手当たり次第にそのへんのものを描いていたので、こんなものもあります。
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白い直方体だから簡単だろうと思ったら、なんて難しいのでしょう。
改めて見ると、パースがむちゃくちゃで、コンセントの部分が曲がっています。ああ。




ごほごほごほ。
それは、さておき。

毎日、鉛筆を持って、目を白黒写真モードに切り替えます。
色がなくても、それがなんだか、人間の目はちゃんと見分けることができます。

人が、素材の質感を見分けるポイントって、なんなんでしょうねぇ……
革の表紙の自作トラベラーズノートもどきと、金属のスプーンです。
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絵を描きなれてくると、細かいところがやたらに目につくようになりました。
「描ける」ってことは「見える」ってことでもあるのですね。

木皿に乗った、黒のコーヒーカップです。陶器の表面に映りこんだ影を描こうと悪戦苦闘しました。
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そうして……
まだまだ稚拙ですが……
スタートラインのレベルが果てしなく低かったわけですが……




ちょっとは「見える」つまり「描ける」ようになったかな?
と、鼻の穴が膨らんだのが、この一枚です。
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え? どこが「描ける」レベル??

いやいやいやいや。
このグラスは、実は、2枚目の絵と同じものです。
今回は、30分ほどで、こんなに黒く描けました。
ガラスの内部の複雑な反射が、だいぶ見えるようになったような気がします。




なるほどなるほど。「描く」ってのは「見る」ってことなんだねえ。

時計も、なんとなく、それっぽく。
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鉛筆を描くときは、抜け目なく、文字がついていない面をこちらに向けました。
……だって難しそうなんだもん。文字って。
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スタバの紙コップも、
使用前。
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使用後。
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ほらほら、それっぽくなってきたでしょう??




スプーンを丸く描くのは、難しいなあ。
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ステンレスの質感が、なかなか……
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……などと、ほぼ毎日、悪戦苦闘すること、約1か月半。
トラベラーズノートの画用紙リフィルを一冊描き切るころ、

をを! なんか、ちょっと、「絵」っぽい! このバッグ「絵」っぽくないですか?!
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……あ、「ぽくない」。ですよね~(涙) 




それでも、低レベルとはいえ、真っ白にしか描けなかった最初のページを振り返ると、夢のようです。




スプーンも、だいぶ丸く描けるようになりました!
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ふっふっふ。
これぞまさしく、継続は力なり!

絵に描いたような自画自賛。



ほんのちょっとずつ、微々たる歩みですが、
継続すれば、ちゃんと前に進むものなんですねえ。




さて。二冊目の画用紙リフィルは、何を描こうかな?

そもそも、最初の目的は、モノでなく、猫でした。
よしよし。それでは、そろそろ猫を描く練習を始めてみればよいではないか。

ワタクシは、鼻息荒く、二冊目のリフィルに鉛筆を走らせました。
モデルは、もちろん、うちの家族。
熟睡していても5分と同じ体勢でいてくれないため、じっくり描くには写真が必要です。
カフェの片隅で、スマホを片手に写真をスケッチ。

ほら! かわいいかわいいウチの子が………………
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…………………………



……って、おい。

なんか、不気味なもの描いちゃったぞ、オイ。




千里の道も一歩から。
しかし、その一歩は、千里に比べると、あまりにも小さいようでございます。

猫への道は、遠い。