浮気というのは、楽しいものです。
付き合う相手をとっかえひっかえ。新しいお相手が、新しい世界を教えてくれるのです。そして、いつも、新しい発見が。
ええ。浮気は、文化です。

……って、おい。懐かしの問題発言か?

あっ、文房具の話ですよ。人間相手ではありません。




ボールペンは、木軸で決まりだな。
そう思って、ひたすら木軸ボールペンを集めていたワタクシです。
ヤフオク、のはら工芸、丸善で出会った作家さん……
……すでに、ここまでで十分浮気ではないかとの見方もありますが、それはさておき。

軸に入っている芯は、パーカータイプ(パーカーではありません)、ジェットストリーム、パイロットにクロス芯。
重みがある木軸では、意外にも、ジェットストリームよりやや粘りを感じるパイロットなどのほうが疲れを感じないことを発見しました。



ところが。軸に一目ぼれして出会ったのが、オートのアメリカンテイスト。
彼は、ワタクシに、ボールペンで絵を描く楽しさを教えてくれました。
http://blogs.yahoo.co.jp/glirulusjp/34393900.html


ボールペンには、まだまだワタクシの知らないたくさんの可能性がある。
オートとの出会いは、新たな世界への扉でした。




さあ、そこで、ですよ。
以前から気になっていた、ボールペン界の王者。
そろそろ、お付き合いしてみてもいいかもしれない……

ついに、心を決めて、我が家にお迎えしたその人は……

カランダッシュのボールペン芯、ゴリアットです!!
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正確には、ゴリアットが入ったボールペンのアルケミクスです。




ゴリアットといえば、芯として名前を持つ稀有な存在で、書き味は世界一とも謡うカランダッシュ渾身の力作です。
様々な文具好きのみなさまのブログを拝見し、その書き心地が以前から気になっておりました。

ゴリアットを味わえるカランダッシュのボールペンは、2000円前後で買える849シリーズから20000円を軽々超えるエクリドールシリーズまで価格帯は幅広いです。
その中で、このアルケミクスは、定価で一本1万円前後と、中くらいの価格帯。
細身のペンの印象が強いカランダッシュとしては珍しく、太めのボディを持っています。


いえね。たまたま、アマゾンでかなり安く買えたもんですから。ほほほ。




アルケミクスとは、錬金術。このペンを使うと、錬金術のように、書いた紙が黄金に変わる………
………と、いいのですが………
もちろん、そういうわけではありません。

我が家に届いたアルケミクスは、専用の金属ケースに収まっていました。
ペンの形がそのまま浮き出しているケースは、カランダッシュ独特ではないでしょうか。かっこいいです。
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蓋をぱかっと開けますと……
魔法の杖のように、本体がきっちりと収まっています。
名前の表記の仕方も、錬金術っぽくて、いい雰囲気ですね。
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軸の種類は「カーボン」を選びました。
アルケミクスの軸は、どれもみんな黒かグレーっぽくて地味なのですが、その中では比較的派手な柄です。



……しかし、地味です。
決して安っぽくはなく、高級感がある素材感なのですが、背景をカラフルにしないと画面の間が持たないのではないかと思われるほど、地味な外見です。
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持ってみると、しっかりした重みを感じます。
使い慣れた木軸と同じような存在感です。
体重を測ってみると、33.5グラムでした。なるほど、のはら工芸の木軸ボールペンとだいたい同じ感じです。

ただ、「重い!」という印象はありません。
重心のバランスがいいためです。
ほら。ちょうど、真ん中あたりに重心がきます。ミドルウエイトのお手本みたいなバランスですね。
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身長は、芯を出した状態で14.3センチ。これまた、のはら工芸とだいたい同じです。
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オートのアメリカンテイストと比べると、かなり長身ですね。
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のはら工芸と少し違うところは、重心の位置。
のはら工芸は、重心が真ん中より少しだけペン先寄りにあるので、書くときに軸の重みが自然にペン先にかかりやすくなっています。
一方、アルケミクスは、ほぼ完全に真ん中付近に重心があります。
14.3センチの身長でこのバランスだと、ワタクシの手の中ではペン先に重みがややかかりにくい形になります。
これが、書き心地にどのように影響してくるでしょうか。
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……手、荒れすぎ。




では、いよいよ書いてみましょう。

ノックの音が、ほとんどしません。
最初、「うん? ロックが壊れてるんじゃないの?」と一瞬、心配になったほど、かすかな音と手ごたえで芯が固定されます。



書き出しがほんのわずかにかすれますが、たしかに滑らかにペン先が紙の上を走ります。
ジェットストリームのような進化形のボールペンとは違い、オートの仲間の伝統的な油性ボールペンの書き心地。
インクの粘りを感じる油性としては、驚くほどの滑らかさです。

インクの色は、ジェットストリームなどを使い慣れると、やや薄く感じます。

そして、ほんのちょっとの力加減に完璧に答える線の強弱。



これは、あれだ。
やはり、絵を描きたくなるボールペンです!
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色の濃淡、線の太さを、ほぼ自在に使い分けられるので、一本のボールペンなのに表現の幅が多彩です。
本格的に絵を描かれる方には、たまらない書き心地なのではないでしょうか。

ネットで発表されているボールペン画は、サラサなどインクの色に濃淡が出ないタイプで滑りがいいものを使った絵が多いようですが、誰かうまい人、ゴリアット芯で本気で描いてくれないかなあ。
きっと、ものすごい作品ができるんじゃないかと思いますよ。ええ。




さらに、驚くのは、インクだまりがまったくできないことです。
オートよりもさらに、インクだまりとは無縁のようです。

ためしに、オートと、今のところ文字を書くのに一番愛用しているパイロットの芯が入ったのはら工芸で、描き比べてみましょう。
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オートよりもインクの色は少し濃いめ。
オートは鉛筆のような表現になりますが、カランダッシュはボールペン画としての力強さも出ています。
パイロット&のはら工芸は、残念ながらインクだまりができやすく、絵を描くには向かないようです。
……といっても、パイロット&のはら工芸、ボールペン全体の中では相当インクだまりができにくいほうなのですが……
いかにカランダッシュのインクだまりのできにくさが別次元か、よくわかります。



………え? 人さまにお見せできるクオリティの絵ではない?
………あ、その話は、別の日にじっくり………




オートとカランダッシュによって、高校生の時以来、ずっと封印されていた「絵を描きたい」熱が、久しぶりに顔をのぞかせています。
もしかすると、新しいお楽しみの一つに加わるかもしれません。
……いつか、人さまにお見せできるクオリティの絵が描けるとよいのですが。ごほごほ




さて。
カランダッシュのゴリアット芯は、描き心地に加え、値段の高さでも有名です。
単なる油性ボールペンのリフィルのくせして、一本1000円超!
すっごいぜいたくに見えますね。

ただ、一本のリフィルで書ける距離の長さは、半端ないようです。
少しばらつきがありますが、7000~10000メートル、つまり7~10キロも! 書けるんだって。
パイロットなどの芯の筆記距離より一ケタ長いです。
オートのアメリカンテイストの芯は、比較的長いのですが、それでも1400メートル。

書き心地と筆記距離を考えれば、ゴリアット芯、それほどコスパは悪くないのかもしれません。




錬金術の名を持つアルケミクス。
我が家でどんな魔法を生み出してくれるでしょうか。




なお、アルケミクス君の長所は、もう一つあります。

それは、
軸が地味なこと。

何種類かありますが、先ほども述べましたように、基本的に黒かグレー。大したバリエーションはありません。
一番派手そうなやつで、真っ白がせいぜいです。



つまり、
集めたくなるほどのカラーバリエーションは、ありません。




同じゴリアット芯でも、849シリーズなんて、アナタ。
形はいたって単純なのに、メタリックでシックなものから動物柄のポップなものまで、軸の種類は多色多彩。
毎年、何種類も限定品が登場し、ポールスミスなどアーティストとのコラボなど、そそる新軸が目白押し。
しかも、アルケミクスの定価一本分で、うまくいけば5本も買えちゃうお手頃価格。

う~ん。欲しい……
ゴリアット芯の良さを知った今、
今、私にとって一番やばいのは、
カランダッシュ849、なのかもしれません。 

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……あっ。
なんだこれは。



なんと、すでに、我が家への849攻撃は、始まりを告げているようでございます。

ゴリアット芯、やばし。