心して、お聞きなさい。

よいですか。もしも、文房具を好きならば、決して、そこへ近寄ってはなりませぬ。
それはそれは、恐ろしい場所なのです。
足を踏み入れたならば、無事に帰ることはまずできない、恐ろしい魔界なのです。

その魔界の名は、東京駅といいます。
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そう。日本の中心、東京駅。JRと地下鉄が複雑に乗り入れ、毎日どこかで外国人観光客が迷子になっている、日本有数の巨大駅。

いつの間にか、ここは、文房具好きにとって、魔界となっていたのです。




なぜ、魔界か?
その謎を解く旅へ、出かけてみることにしましょう。

東京駅丸の内口の地下南口改札。
この周辺に、最近、恐ろしい洞窟が口を開けました。
改札の中に、魅力的な雑貨ショップばかり並ぶエリアがオープンしたのです。

その中でも、文房具好きなら必ず足を止めてしまうのが、「Neustadt bru(本当はウムラウトつき)der(ノイシュタット・ブルーダー)」。
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輸入物を中心にした品ぞろえ。ペン一本、クリップ一つに至るまで、かわいくないものはありません。
マステは雰囲気に合わせてあちこちの棚にばらまかれるなど、すべての棚をチェックせずにはいられない心憎い商品展示。
今年オープンしたばかりなのに、ここに、いったいいくら貢いだことか。
ああ恐ろしい。
トラベラーズノートの取り扱いもあります。……このフレーズ、今回は重要です。憶えておきましょう。まず1回目。




改札を出たところにも、恐怖の洞窟が待ち構えています。
「神保町いちのいち」です。
革モノが非常に充実しています。よくあるブランドものではなく、革作家さんの工房ブランドがたくさんあります。
プエブロ、ブッテーロ、あの革もこの革も……どれもこれも、たまりません。
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そのまま南に進むと、東京中央郵便局を抱いた巨大な魔の塔の地下入り口が現れます。
6階までが商業施設KITTEになっているJPタワーです。
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ここの、とくに3階と4階は、危険なエリアです。
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3階には、旅行用品を中心に雑貨をそろえた無印良品の「MUJI to GO」が。
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そして4階に上がると、「中川政七商店」やカフェを併設した書籍・文具・雑貨店「マルノウチリーディングスタイル」など、いくつもの雑貨店が並びます。

その中にあって、ひときわ危険なのが、まず、「Hacoa DIRECT STORE」。黒檀やパープルハートなど、様々な銘木を使った雑貨ショップです。
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ここの、木の電卓やUSBメモリ、カード入れにはんこケースときたら……こんなのがデスクにあったら、どれだけ世界が明るく見えることでしょうか。パープルハートの電卓、狙ってます。はい。
さらに、ヘルツとのコラボレーション企画商品も買えます。木と革でできたペンケースのほか、印鑑ケースがあるようです。



さらに、このフロアで最も危険な店は、その並びにある「アンジェ ビュロー」。
実は、先ほど遭遇した恐怖の洞窟であるノイシュタット・ブルーダーの姉妹店です。
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ヴィンテージも含めた文房具や雑貨を詰め込んだ店内は、ワタクシにとっては、アリジゴクのようなものです。
美しいペン、かわいいクリップ、かわいい表紙の測量野帳、その他ヴィンテージの万年筆にオリジナル商品……
「こんなの、あるんだ!」「かわいい!」「おっ、これいいじゃん!」
店内を一回りするだけで、何度、驚きの声を上げることになるか。
そして、何度、レジに足を運んだことか。
非常に強い魔力の巣窟です。
ここにもトラベラーズノートがあります。本日2回目。




ここには、博物館もあります。
「mt」
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これを見て「あっマステの展示?!」と反射的に思ってしまったワタクシの病は、相当深いといえましょう。
正解は、「mt」ではなく「IMT」つまり「インターメディアテク」。
東大が運営する、ノンジャンルの無料博物館です。不思議なものがいろいろ展示されています。ミュージアムショップもありますぞ。
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さまざまな誘惑に勝ったか、それとも負けたか。
どの程度の打撃を受けたかはさておき、ほうほうのていで1階に降り、魔の館・KITTEを逃げ出して見上げると、そこには双子の魔の塔が待ち構えています。
丸ビルと、新丸ビルです。
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丸ビル。
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ここの4階には、LOFTがあります。
ワンフロアの一角で、大した広さはありませんが、手帳や文房具を中心に、呪いのポイントを押さえた品ぞろえ。
つい、財布のひもが緩みます。
ほぼ日手帳ももちろんあります。トラベラーズノートは、あったかなあ。ないかも。


そして、2~3階に店を構え、地味に危険なのが、コンランショップ。
基本的にインテリア雑貨店ですが、少し文房具も扱っています。それがまた、珍しくておしゃれなものばかり。
値段が高めの同店の中で比較的買いやすい文房具類の誘惑は、なかなかのパワーがあります。




なんとか呪いを振り切って、隣の新丸ビルへ向かうと……
1階に、DELFONICS(デルフォニックス)が待ち構えています。
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カラフルでシンプル、しかも遊び心が満載の文房具店。小さな店ですが、一回りすると、いつの間にかノートやクリップを握りしめてレジに向かう恐ろしい呪いがかかっています。



さらに、この塔では、いつの間にか体が4階に向かっているという強い魔法が作用しています。
4階のエスカレーター前には、アフタヌーンティー・リビングが。
そこから右へ回廊を曲がって進むと、イデーのギフト専門店や、きれいなストライプのテキスタイルを使ったレ・トワール・デュ・ソレイユ、私の部屋ときて、スタイリッシュな文房具を集めた「EDITO 365」など、小さいけれど恐ろしい力を秘めた店がずらりと並びます。
雑貨店の文房具というのは、どうして、ああも、大人カワイイのでしょうか。

これまでに、丸ビルと新丸ビルで、ワタクシは、どのくらい、丸の内カードのポイントをためたでしょうか。
誠に恐ろしいことです。




しかし、ワタクシがためた丸の内カードのポイントの大半は、東京駅の北側に控えめにたたずむ塔、OAZOのものです。
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ここには、かの有名な魔の総本山、「丸善丸の内本店」があるのです。
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4階の文具売り場は、いったん入ったらレジに向かわずにいられない恐ろしい魔力を秘めています。
こちらはほぼ見るだけですが、万年筆売り場の品ぞろえときたら、もうヨダレがとまりません。
見るだけでも大丈夫。同士が周りにたくさんいます。万年筆売場、みんなで見れば、怖くない。
ここにも、トラベラーズノートがあります。3回目。




丸善の地下には「東急ハンズビー」があります。文房具の数は少ないですが、東急ハンズオリジナル手帳などがあります。




そこを出て地下道を進むと、みずほ銀行本店の塔にたどり着きます。
ここの地下の「オーテモリ」にも、ノイシュタット・ブルーダーがあります。実は、東京駅界隈にいくつもある系列店では、ここが最初にオープンした店です。(※大変申し訳ありません。KITTEのほうが開業が先でした。なので、アンジェビューローが最初ですね……※)
いつもスーツ姿の会社員らでにぎわっています。見ず知らずの人ですが「ああ、この人も文房具好きなんだ……」と、なんとなく親近感を感じます。
とても小さな店なのですが、上から下までぎっしりと「あ、これ欲しい」と思ってしまう品々が並んでいるのです。
鉛筆一本、ハサミ一つにいたるまで、かわいくないものはありません。
ここにもトラベラーズノートがあります。はい、4回目。




ついでに、その先に足を延ばすと、大手町ビルの地下に入ります。
ここの1階の紀伊国屋書店の文房具売り場も、あなどれません。ミドリの手帳シールが豊富だとか、単なる事務用品の域を超えた品ぞろえです。
ニーモシネの種類が豊富。デザインフィルのスパイラルリングノートも、ラクダ・シロクマ・カンガルーが3サイズそろっています。
トラベラーズノートもあります。5回目ですよ。




さて。紀伊国屋書店にたどり着いたことで、ワタクシは今、地上に出ていますね。
そのまま永代通りで東京駅の北側のガードをくぐって、八重洲方面に抜けましょうか。

東京駅八重洲口には、昔から大丸デパートがあります。
ここに、何年か前の再開発によって、新たな魔窟が加わりました。
手羽のマークが燦然と輝く、東急ハンズです。
「ようこそ、魔窟へ」と自称しておられる、あの東急ハンズです。

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このほど40周年を迎えた東急ハンズ。
ふたつの手羽が、羽ばたいているように見えますね。
……ここでいくら「手羽」「手羽」と連呼しても「手羽ヤメレ」はいただけないと思いますが……
手羽手羽手羽手羽…………ふっふっふ

東急ハンズ東京店は、1フロアの面積がそれほど大きくないためか、扱う商品はだいぶ絞り込んであります。
手作りの材料やパーツ、DIYの道具や工具などは少なめです。
それでも、文房具を中心に、やはりツボをついてくる商品力は健在。
ここで買うと、ハンズクラブポイントと大丸のポイントがダブルでためられるという嬉しさもあります。
トラベラーズノートは、もちろんあります。6回目。
ちなみに40周年記念のリフィルは、発売当日の午前中に売り切れたそうです。




ここまでの魔界の旅で、たいがいの文房具好きは、すでに身ぐるみ剥がされているのではないかと思いますが……

さらに日本橋まで足を延ばすと、丸善日本橋店があり、和紙のはいばらもあります。
東京駅の八重洲口から日本橋は、歩いてすぐですからね。
丸善日本橋店と、その向かい側の高島屋の文具売り場に、トラベラーズノートがあります。7回目と8回目。




どうですか。
東京駅周辺をぐるりと回るだけで、トラベラーズノートを買える店が最低8か所もあるのです。
立ち並ぶ高い塔には、東急ハンズ、LOFT、丸善と、文具店の三大巨頭が顔をそろえて魔力を競っています。
昔は、丸の内仲通りに伊東屋もありました。今はありませんが。
三大巨頭の周辺に、綺羅星のごとく、おしゃれ系の文房具店が、無数に散らばっています。
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さあ。この巨大な魔界から、無事に帰る自信は、ありますか?
ワタクシは、一度として、無事に帰れたことはありません。

文房具好きは、ゆめゆめ近寄ってはなりませぬ。
そこは、ひとたび足を踏み入れたが最後、呪いを受けずには帰れない、恐ろしい魔界。




東京駅は、今や、文房具好きの聖地なのです。
もともとオフィス街ですから、文房具との親和性は高いエリアですよね。
そこに再開発でオシャレ要素が加わり、魔力はもう最強です。

今週から、聖地にはイルミネーションがともされ、より神々しさが増しました。
丸の内仲通りのイルミネーションです。
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丸ビルには、クリスマスツリーも登場しています。
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我こそはと思う文房具好きの勇者は、一度、魔界への冒険を試みてはいかがでしょうか。




なお、今回ご紹介した文房具店を、1日で回るツアーは、
絶対にお勧めしません。

体力的にも時間的にも、そしてお財布的にも、おそらく無理がありすぎです。

「東京駅文房具デート!」なんつってカップルで出かけた日には、2人のうち、より文房具熱が薄いほうが途中で疲れ果て、最後は喧嘩で終わること間違いなし。

丸の内南口・丸の内北口・八重洲方面と、攻めるエリアを決めたうえで、体力に無理ない範囲で回ることをお勧めします。老婆心ですが。