選択肢というものは、あるようでいて、ないものです。

こんなにすぐに決まってしまうとは……

イメージ 1



来年の手帳の話です。




9月から丸善丸の内本店にも早々と登場した手帳特設コーナー。
シーズンが始まって間もなくは、まだ品ぞろえも少ないことから、ワタクシは、横目で見てさっさとコーナーを通り過ぎておりました。
勝負は、まだまだこれからですから。ふっふっふ。

やがて秋も深まり、手帳コーナーに商品が満タンに投入されたと思われるころ。
東急ハンズ銀座店で開催された手帳書き比べ総選挙にも足を運び情報を仕入れたのち、
ワタクシは、満を持して、鼻息荒く、手帳売場に向かったのでした。




ところが……




・A6の文庫サイズであること
・カバーを付け買えられること
・右ページがまるまるメモ欄となっている週間レフト式であること
・見開きの各ページに、その週の最重要タスクをまとめて書き込む欄があること
・土日が、右側のメモ欄も含めて、きちんと1日分のスペースを割り当てられていること
・マンスリーは必須だが、前方に一年分まとまっていること
・万年筆のインクが裏抜けしないこと
・ぱたんと180度開くこと
・巻末の情報コーナーが不必要に分厚くないこと
・ただし、西暦と元号の換算表はついていること

……と、絞りに絞った必須条件たったの10個。
これをすべて満たす手帳が、さっぱり見当たりません。



ひとつひとつは、ごくシンプルで、難しいことは何一つ求めていないのですよ。
ごくごくありきたりの、スタンダードな手帳ではありませんか。

なのに、なぜ??




文庫サイズで、カバーを付け買えられるもの……というところで、選択肢は、ぐっと絞られてしまいます。
続いて、最近、バーチカル式しか作っていない手帳ブランドの多いこと。
さらにレアなのが、このサイズでその週の最重要タスクをまとめて書き込める欄です。
そして、なぜか、土日は半日分のスペースしかなかったり、右側のメモ欄を前後の月のカレンダーが侵食していたりと、冷遇されています。




………う~~~む。ない。

途方に暮れたワタクシに、バッグの中から、何者かがか細い声で語り掛けます。
「いや、あるじゃん。あるあるあるあるあるある」

イメージ 14





……そう。あるのです。
たった10個の、シンプルで簡単な条件をすべて満たす手帳が、すでにワタクシのバッグには収まっていました。

今年の手帳です。



そう。はなっから、選択肢はあったのです。たったひとつは確実に。

今年の手帳と同じものを選べばいいではないか! と。




……でも、ねぇ。

つまらないじゃありませんか! 何も考えずに去年と同じ手帳を手に取るのは!! 目の前に、こんなにたくさん、各社の趣向を凝らした手帳が並んでいるというのに!!!




しかし。
ワタクシの、新たな手帳を開拓する試みは、どうやら不発に終わったようでございます。

ずらりと並んだ魅力的な手帳たちのなかに、誰一人として来年のパートナーを見つけられなかったワタクシは、
諦めて、昨年の手帳を買った店に向かったのでした。




デルフォニックス。

このメーカーの手帳は、もちろん、丸善の売り場にも何種類も並んでいます。
でも、残念ながら、どれもこれもしっかりした厚い表紙がついていて、「カバーを付け買えられるもの」という条件を満たしません。

ただ、直営店だけは、カバーなしの中身を売ってくれるのです。
こうして、ワタクシは、昨年に引き続き、今年もこの手帳にお世話になることにしたのでした。

イメージ 2



2018 BASIC DIARY type-Bです。



表紙は、ほかのカバーを付けることを想定して、なにも描かれていない真っ白な厚紙です。
イメージ 3





開くと、2年分のカレンダーがあります。ここ、年の後半になると、けっこう頻繁に使います。
イメージ 4




続いて、1年分の総覧表が。ここには、長期の旅行の予定を書き込みます。楽しいなあ。
イメージ 5

……いえ、結局、ほとんど真っ白なままなんですけどね。





そして、マンスリーです。
前方にまとまっているので、月替わりに無駄なページが出ません。つまり、手帳が構造的に軽くなるということです。
何しろ、カバーの重量感があるものですからねぇ……ありがたや。
イメージ 6





そして、いよいよ、週間レフト式のページです。
イメージ 7



ここでうれしい4つのポイント。
イメージ 8


まず、上の余白に最重要タスクを3つくらい書き込めます。
次に、土日がきちんと左右のページで1日分を割り当てられています。
さらに、前後の月のカレンダーを毎週チェックできるのも便利なところ。
そして、ワタクシの条件には入っていませんでしたが、地味に使い勝手が良いのが、ページの隅を切り取ることで今秋にすぐたどり着けるようにしてあることです。



最後のほうには、翌年の2月まで、簡単な予定をかき込める欄が設けられています。
イメージ 9




それほど多くない枚数のノート欄は方眼ケイ。ワタクシには、この程度の分量がちょうどいいようで、今年はきれいに使いきって終わりそうな気配です。
イメージ 10


何でもかんでも毎週の右ページに書き込む癖があるので、巻末のノートはそれほど使わないのですね。
足りなくなれば、付箋で増やせばよろしいのです。
だって、巻末のノート欄、いちいちめくるのが面倒くさいじゃありませんか!
恐るべし、ざ・ずぼら~式手帳術。




そしてそして、薄い巻末の情報欄には、きちんとこれがあります。
西暦・元号換算表。年齢早見表でもあり、便利です。
これ以外は、ワタクシは、ほぼ見ません。
イメージ 11




薄いわりに、万年筆のインクが裏抜けしないのもうれしいところです。
手帳総選挙でメモしたものです。
イメージ 12



裏側は……ほら、この通り。裏移りはありますが、裏抜けはありません。
イメージ 13






カバーは、今年の手帳用に作ったエルバマットの使い勝手がよいので、継続する予定です。
イメージ 15


……って、もう10年くらい使っていたかのような傷だらけ具合……


そして、重い。
手帳本体はたったの107グラムなのに、カバーは142.5グラムもあります。

なにしろ、厚さ2ミリの革を、そのまま使って作ったからのう……



ごほん。

ほんのちょっとしたことなのですが、ポケットをぎりぎりまで深くしたことで、表紙を片側だけつっこんで使っても手帳の安定感がよく、手帳を閉じたままでも紙類を出し入れできる「ずぼら~お助けポケット」が活躍しています。
イメージ 16



うむ。なかなかよいデザインであったことよ。自画自賛。




ペンホルダーは、普段まったく使わないので、つけませんでした。使わないのにあると、何かと邪魔くさくて……
万年筆は、やはりペンケースに入れて持ち歩きたくなります。

どうしてもボールペンを挿す必要が出たら、こうします。
サイズをゆったり作ったので、背表紙とカバーの間に隙間ができます。そこを利用して、ペンを差し込むわけです。
イメージ 17





見事なワタクシ仕様に仕上がった手帳カバーに、条件をすべて満たす手帳を装着して、
来年も、さくさく快適に手帳を開くことができそうです。






……でも、やっぱり、
すぐ決まっちゃって、つまらな~い!



いや。まだ、各社の手帳をすべて網羅できたわけではないと思うし、これからも新商品は出るであろう。
もしかしたら、あるいは、これから発見できるかもしれない。
ワタクシの、ほんのシンプルで簡単な10の条件をすべて満たす、まだ見ぬ手帳を……

……こうして、ワタクシは、今日もまた、用もないのに手帳売場へ鼻息荒く向かうのでした。
やれやれ。