St. Lawrence川の南側がAppalachian山脈なら、北側はLaurentian高原で、その最高峰がMont-Tremblantである。スキーを楽しんだMont-Tremblantから7時間以上の長旅でTorontoへ。そして現実に帰る。この「現実に帰る」ことを英語では"Back to reality."と言うが、ChristianとTaraが、"Back to the grind."という表現を教えてくれた。意味は同じである。これだけで「さあ、いつも通りの仕事が再開だ」とか「また退屈な日常生活が始まる」などという意味になる。"grind"はもともと「すりつぶす」という動詞だが、転じて「辛い単調な仕事」という意味も持つ。山や森の奥など、インターネットにアクセスできない状況から、久々に家に戻って来ると"Back to the grind."という気分になる。終わってしまえばあっという間の4日間だったが、カナダ人6人、それにスウェーデン人とポルトガル人、計8人の白人たちとともに一つ屋根の下で過ごしたことは、僕にとってはけっこう辛かった。一対一の会話ならともかく、8人が英語でべらべらしゃべっているのを聴き取るのはほとんど不可能だし、そこに割り込んで行くのもかなりのエネルギーを要する。いや言葉以上に、個人のバックグラウンドを形成している基本的な知識が違うことをひしひしと感じさせられる。これはいくら英語が得意だからといって、またカナダが好きでいろいろなことを知っているからといって敵うようなものではない。カナダでの生活が楽しいといったって、ここは決して僕の安住の地ではないことを再認識させられた。