週明けの月曜日、Raziが突然、自分の持ち物を片付けて、ボスSteveに仕事を辞めるとの電子メールを送りつけ、顔も合わさずに職場を去ってから2週間になる。あれ以来、何の音沙汰もなく、先週発行されたnewsletterには"has departed our group"と穏やかな表現で書かれていた。この世界、特に北米ではreferenceと呼ばれる身元保証人、あるいは推薦状、紹介状といったものが仕事をしていく上でとても重要である。上司と喧嘩別れしたりするケースをよく聞くが、別れられたのは良しとしても困るのはこのreferenceである。Raziはボスの絶大なる信頼を得ていたはずなのに自ら放棄してしまったわけだ。Julieはそんな彼に対し、"He made his bed and now he must lie in it."と言っていた。これは悪い状況に対してのみ使われる英語の表現で、日本語だと「自業自得」が近いかもしれない。前半が完了形になったり、もちろん主語は変わりうるわけで、二人称になれば後半は命令法にもなり得、いろいろなヴァリエーションがある。一見、軽率に見える彼の行動だが、実は考え抜かれた策だったのかもしれない。万が一そうならば彼は自分の作った寝床に収まる必要などないのかもしれない。来週はみんなでスキーに行くことになっていて、彼も$135のdepositを払っている。会えるのかと思っていたが、どうやら僕らの飲み代になるらしい。