寝食を忘れてなどという言葉が日本語にはあり、僕はこの言葉を聞くと北里柴三郎が思い浮かぶ。インターネットなど考えられもしない今から100年以上の昔、30代前半であった彼はドイツに留学し、結核菌を発見したKochのもとで寝食を忘れて勉強したと言われている。破傷風菌の純粋培養成功から、抗毒素の発見を経て、血清療法の基礎を築くという医学史上に誇る業績を残した世界的な科学者であり、明治の偉人である。僕がカナダにいる間に、千円札の肖像が野口英世に変わってびっくりしたが、同時に一万円札が北里柴三郎に取って代えられなかったことは残念だった。それはともかく、同じく30を過ぎてから留学した僕も寝食を忘れて仕事に取り組んでみたいところだが、なかなかそうもいかない。せいぜい、食事を取る時間を数時間先延ばしする程度である。とはいえ、一生懸命頑張るとお腹がすく。お腹がすいていることを巧みに表現するにはどう言えば良いかChristianに聞いたら、"I'm hungry as a horse."と教えてくれた。僕の辞書には"hungry as a hunter"というイディオムが載っていたが、やっぱり動物の方が楽しい。