もう何年も前、今は決して行く事のなくなった大学のOB会でのこと

レースに負けたことを悔やんでいる様子だった後輩に


「何で負けてしまったの?」


と聞いてみたら、返ってきた答えは


「うーん、気合が足りなかったから・・・」


これを聞いてわたしはダメだ、コリャ!と思ってしまい、それ以来OB会には顔を出していません。


アノネ、ヨットは気合なんかじゃ0.1ノットたりとも早くは走らないの。

メインシートをあそこで1cmつめすぎたとか、

あそこで舵を1度上しすぎたとか

あそこでタックをしなかったからとか


そういうミスの積み重ねで負ける。

勝った人ができていて、何が自分が劣っていたのか、間違えたのか、

冷静に受け止めて原因を探さなければ、そしてそれを克服しなければ、

アナタがレースに勝てることは一生無いでしょう。


あの時、アナタは負けたということだけがショックだったのかもしれないけれど、

大事なのはレースから何を拾ってくるか。

勝ったときも負けたときも、理由があるはずだから。

もちろんすぐにわからないかもしれないけれど、

自分なりの仮定をたてて、それを検証していくことを、恐らくアナタは全くやっていないから

そのような言葉が返ってきたのでしょう。


そんな言葉を私はゴクリと飲み込みました。

このときのことを、なぜかよく覚えていて、今でもよく思い出します。

そして自分に言い聞かせているのかもしれません。


誤解のないように、気合というものを全く否定しているのではありません。

今の時代には合わない、古い言葉かもしれないけれど、

気合というものも大事だと思っています。


でも、気合、という魔法は

やるべき事をすべてやった人にだけかかるのです。

最後の最後、ギリギリのところで初めて作用するもの。

やることをやっていないときには空回りするだけ。


だから、持ち続けていなくてはならないけれど

魔法がかからなかったからといって決して気合のせいにしてはいけない。

それはやるべき事をやっていないからです。

まだまだできることはあるということです。