野良猫だったミケが連れてきた子猫たち。

三毛猫の色を半分ずつもらって、白黒と白茶に分かれた。

 

 

 

 

 

 

中学生の時、家に帰ってきたら玄関に

ちっちゃい子猫が2匹いた。

1匹ずつくわえて連れてきたと思われるミケは

子猫たちを置いて

よろしく頼んだよ

と言わんばかりにまたどこかに行ってしまった。

 

 

ちっちゃい!子猫だ!

こんなにちっちゃい子猫には初めて会った。

たまらずに触れ合いたくなった私は手を伸ばす。

 

めちゃくちゃ威嚇された。

 

ちっちゃい体なのに大人の猫に威嚇された時並みに怖い。

ちっちゃい手で猫パンチをかましてくる。

2匹ともちっちゃい体なのに白茶が白黒を一生懸命守っている。

白黒は白茶の後ろで小さくなって震えていた。

 

 

これ以上怖がらせたくないし、

どうしたらいいのかわからないのでミケが戻ってくるまで待つ事にした。

 

 

 

 

その後、ちゃんとミケは帰ってきて

家族と相談してお家に向かい入れる事にした。

 

 

 

新入り猫ちゃんが来たということは

名前を決めなくてはいけない。

 

初めて名前をつけれる!

今まで幼かった私はその話し合いに入れてもらえてなかったから

名付け親の権利を掴もうと思った。

 

 

 

茶色だから茶太郎!

こっちは小雪!

 

 

 

 

完全にピンときたのを

言ったもん勝ちで言っただけだった。

 

意外と家族の批判もなく

そうだね!茶色だから茶太郎が似合うわ。

こっちの子も女の子だし、白黒で冬っぽいから小雪ちゃんだね!

なんて言って納得してもらえた。

 

 

 

 

 

 

でも一つ大事なことを私たちは忘れていて、

初めて会った時の茶太郎のお兄ちゃんらしい守り方。

そんなお兄ちゃんに守られて震えていた鳴き声が可愛すぎる妹ちゃん。

という思い込みをしたまま確認はしなかった。

 

 

 

 

しばらくして、病院に連れて行く事になった子猫たち。

その前日におばあちゃんが何気なしに

小雪の尻尾をめくってお尻を見た。

 

 

 

おばあちゃんが言った。

 

 

 

タマタマちゃんあるわ!

 

 

 

小雪はその日、小太郎になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、

 

茶太郎はちゃんと茶太郎だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数年後、お母さんの倍大きくなった小太郎。

 

しっかり大きいおっさんになってて

 

あの時気づいて本当によかったなと思う。

 

 

 

だって、小雪なんて名前つけてこんなに大きくなられたら

 

めっちゃ怖かったと思う。