(2010~)
指にできた潰瘍はなかなか治らなかった。
特に利き手の人差し指の第2関節にできた潰瘍は、痛みと拘縮で思うように動かず
中指・薬指・親指を使って、箸を持ったりハサミを使ったり、筆を持ったりしていた。
定期的に通っていた病院では
ガーゼ(剥がすときに痛くない様にサラフィットという表面がツルツルのものを使っていた)とゲンタシン、テラジア、プロスタンディン、ゲーベンを使い処置していた。
薬は塗っていたけどそれでもまだ湿潤療法に望みをかけていた私は、
湿潤療法をしている病院に電話して自分の病気と潰瘍治療の為に湿潤療法をしたいなどと伝えた。
しかし
『うちではそういった例は扱っていません』
とか
『○○病院へ通っているならそちらの先生の指示を受けて下さい』
と言われ、
どこも診てはもらえなかった。
そりゃそうだろうな…という気持ちと、
自分の望む治療で絶対治すんだ!という気合いがへし折られた諦め感が交互に襲った。
「こういう理由であなたの望む治療はできない」
というのなら納得できたかもしれない。
色々なサイトを巡り、湿潤療法で強皮症の潰瘍を治した人は確かにいた。
壊死だけは避けたい…。
結局私は
薬を塗りガーゼで覆う時、
湿潤状態にしている時、
更に薬を塗ってから湿潤状態にする時と、使い分け、
完全に独断で治療をすすめていった。
やはり難治性の潰瘍。
普通の傷のようにすんなり治るものでは全然なかった。
やっとよくなりかけたと思ったら別の指の関節が白く小さい傷を作り、あっという間に潰瘍ができた。
毎日毎日寝る前に薬を塗ったりキズパワーパッドで覆ったり、時間をかけて処置をした。
根気根気…。
苦手だけど傷が治るなら…。
潰瘍が治ったらまた人差し指を使って箸や筆が持てるようになるんだとばっかり思っていたが、
何ヵ月もかかってやっと治ったその部分は瘢痕拘縮のせいなのか、90度に折れ曲がったまま動かなくなっていた。
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