ある日の夜勤の事、今日は平和だなって思いながら、仮眠室に入ったそうですよ。
布団を敷いて寝ようと思うんだけども、そこでKさん気付いたんだ。
201号室の…仮に佐藤さんとしておきましょう。
その佐藤さんが入院しているもんで、そこのベッドが空いてるんですよ。
本当はいけないんだけど、Kさんはその部屋で仮眠する事にしたんですって。
介護用のベッドって結構快適でね、特に除圧の為に使うエアマットなんて、なかなか寝心地がいいんですよ。
ベッドに横になると、直ぐに眠気が襲ってきた。
いつの間にか寝ちゃってたそうですよ。
気付くと、金縛りに掛かってしまっていたそうです。
「どうにか抜け出さなきゃ」って全身に力を込めたりしたそうなんですが、解けない。
そうこうしていると、居室のドアが
ゆっくりと開いたそうです…
引き戸なんですがね、少しずつ…少しずつ…
開いていくんですって。
すると、そこから誰かが入って来た。
それね、入院してた佐藤さんだったんですよ。
「あ、佐藤さん…ごめんなさい。直ぐどきますから」
そんな風に心の中で思ったそうなんです。
それでも、佐藤さんはゆっくりと寝ているKさんに近付いて来るんです。
そしてね、耳元まで近付いたと思うと…
こう言ったそうですよ。
「Kさん…助けて…」
どういう事だろうと思って、Kさんは佐藤さんを見たそうなんですよ。
目が慣れてくると…何かが見えるんだ。
佐藤さんの後ろに覆い被さるようにして、髪の長い女が佐藤さんの首を絞めているんですよ。
Kさん、恐怖で言葉も出ない。
でもとにかく、金縛りを解かなきゃなんない。
全身にありったけの力を込めると、あっけなく金縛りは解けた。
怖いもんだから、急いで相方の夜勤者さんの所に行って、今あった事を話したそうなんですがね…
翌日、佐藤さんが亡くなったって連絡があったそうですよ。
ええ、Kさんが佐藤さんを見たその時間に亡くなっていたそうです。
この話の怖いところはね、先ずは相方の夜勤者さん、それから、この話を聞いた人の夢の中に髪の長い女が出てく来るってところなんですよね…
私はどうだったかって…?
ご想像にお任せしますよ…
