4月16日、AM2:00。

僕は再び岩手県大槌町に物資を届けるため、みんなジョイン号に同席させて頂きました。

今回は、ギターも一緒です。

以前、岩手県、宮城県と、被害の大きかった街の避難所に伺わせて頂き、物資を届けに行った際、出会った方々に歌って欲しいと言われながらも、歌えなかった事がとても気がかりで、もし、機会に恵まれたら、次こそはギターを持って行こうと心に決めていました。

そんな思いを汲んでくれたのか?ミカジョンやみんなジョインの方々が、以前伺った大槌町の高校で歌える場をセッティングしてくれてまして(喜)ほんとありがたい!

それと同時に、仙台の駐屯地への訪問や、海上自衛隊の方達との交流がミカジョンから提案されました。

始めは戸惑いました・・・。

こんな大変な時期に伺って良いものなのか?と・・・。

毎日、毎日、瓦礫を撤去し続け、辛い現実に目を背けたくなる時もあるでしょう・・・。

僕に何が出来るんだろう・・・。

そんな不安な気持ちをやる気にさせてくれたのが、元自衛官のYOSHI君の言葉。

「みんな辛いんですよ・・・でも、TERUさんが来てくれたら、頑張ろうって思えます!」

少しでも、現実を忘れられる空間を作る事が出来たなら・・・。

そんな思いで、僕は、今回旅立ちました。

16日、AM9:00陸自仙台駐屯地到着。

陸上自衛隊の活動の映像を見せて頂きました。

一番驚いたのは、橋が倒壊し、渡れなくなった川に大きな物体を浮かせ、その上に重機を乗せ運ぶ映像。

凄い。

こうした自衛隊の活動が、一体、どれだけの人達の命を救った事か。

目頭が熱くなる。

そう言えば、今回の自衛隊の活動が子供達の心にしっかりと届いてるようです。

避難場所で生活してる子供達に「夢」を聞くと、将来、自衛隊になってたくさんの人の命を救いたい言う子供が多いようです。

自衛隊の活躍が、TVではなかなか伝わらないのが残念です。

映像を見せて頂き、隊員が被ってるヘルメットに貼ってある「がんばろう!東北」ステッカーを戴き司令室(自衛隊統合任務部隊司令部)へ。(そのステッカーが後に凄い役割を果たす)


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司令室には、被災地の大きな地図が置かれ、配属された自衛隊の番号が記載されていました。

10万人の自衛隊の動きを、この司令室から指示してると言う事でした。

司令官とお話をさせて頂いたんですが・・・。

とても気さくな方でして・・・。

「今回、陸自では歌ってもらえないと言う事で、海自では歌うんですね~・・・」と、ほんと、申し訳ないです。

3度程、同じ事言われました。

海上自衛隊の方々との約束の時間が・・・。

次は必ず歌いに来ます!

今、音楽と言うエンターテイメントが必要とされてる事が凄く伝わりました。


仙台駐屯地に急遽配属された自衛隊員の方々は、1000人収容の宿舎で3000人が所狭しと生活してるようです。


雑魚寝は当たり前。

余震も多く、毎日、緊迫した生活。

辛いと思います。

自衛隊の方々の状況を知る事が出来てたら、もっと出来る事があったはずなんですが・・・。

来てみなければ分からない事ばかりです・・・。


司令室を出て、廊下を歩き、自衛隊の方々と挨拶をする度に、胸が締め付けられました。


「次ぎにくる時は、絶対、歌いに来ます!

そう言いながら、歩いてました。

ひと言だけで良いので、みんなを激励して欲しいと言う事で、会議室の様な大きな部屋へ。

そこにはたくさんの自衛隊の方々が席についていまして・・・。

見た目、大手の会社のデスクのような雰囲気なんですが、みなさん、着ている服が迷彩なので、威圧感が。

そこで、広報の方が、マイクを手にし「本日、GLAYのボーカルTERUさんと、K1選手の小比類巻選手が激励に来てくれました!」と。

マイクを受け取り、感謝の気持ちをお伝えさせて頂きましたが、いきなりだったので、緊張しました。

でも、ちゃんと感謝の気持ち、伝えられたと思います。

大きな拍手が嬉しかった。

きっと、普段は緊迫した現場なんだろうと感じはするんですが、みなさんに、とても温かく迎えて頂けて本当に嬉しかったです。

自分の出来る事って、何だろう?

そんな問いに対して、また1つ、答えが見つかった気がしました。

会議室を出て、待合室の様な場所で、広報の方に質問させて頂きました。

「被災地で、瓦礫の撤去をしてる自衛隊員さんに声をかけても良いんでしょうか?」

返って来た言葉は。

「是非、声をかけてあげて下さい。励みになりますから。」

直接聞く事で、心に引っ掛かっていた疑問に答えを見出す事ができます。

僕は、この言葉を聞く事が出来て、安心できたように思います。

前回、被災地を訪問した時も、なんて言葉をかけて良いのか?悩み過ぎてしまい、お辞儀をするのだけで精一杯でした。

今回、自衛隊の方々にお会いでき、本当に良かった。

女性隊員の方ともお話しできました。

全くお風呂にも入れず辛い日々を送っていたと。

中には、ずっとファンですって言ってくれた方もいました。

久々に笑顔になれたと言ってもらえて、凄く嬉しかったです。

妻がファンクラブに入ってます!って言う方もいました。

何気にGLAYファン多いです。

子供の多い避難場所用にGLAY仕様のハイチュウを用意してたんですが、きっと喜んで貰えるだろうと思い、女性にお渡しし、陸上自衛隊を後にしました。

さて、海上自衛隊の方々が石巻の埠頭で待機してくれると言う事で、1時間半程移動。

海上自衛隊の方々は、震災以来、殆ど家に帰ってないとの事です。

船が居住区と言う事で、ストレスの溜まり方は尋常じゃないはず・・・。

そして激務。

震災直後、陸路が断たれ、動けたのは海上自衛隊だった事もあり、惨状を目にし、精神的に辛い時期があったと聞きました。

配属して間もない自衛官の精神面に対しての配慮もしてるとの事でした。

そんな辛い日々を送って来た方々に、少しでも安らげる時間を!

輸送艦「くにさき」にて。

全5曲。

PRIDE(今井美樹さん)、生きてく強さ、愛は勝つ(KANさん)、HOWEVER、I'm in love。

喜んで頂けました。

1人1人と握手をし、話をし、みんなの笑顔に涙が出そうになり・・・。

記念撮影。

「久々に楽しめました。」

その言葉を聞けただけで、僕は来た甲斐がありました。

その後、輸送艦の中を見学させて頂きました。

小さな食堂に、休憩所。

本棚には漫画。

寝室は、狭い空間にいくつもの2段ベッドが並列している状態。

「これでも昔よりは住み易くなったんですよ・・・」

何気ないひと言に、日々の生活の辛さが滲み出ていました・・・。

本当に辛いんだと思います。

それでも、国の為に必死に堪えて人命救助や、避難所で暮らす方々のケア、自宅避難してる方々とのコミュニケーションなど、毎日、休む間もなく、活動しています。

日中は毅然とした態度で作業をしなければいけない、でも、輸送艦に戻り1人ベッドに入った瞬間に、自衛隊と言う責任感から解放され、個人になる・・・。

上官の方に話を聞いたんですが、夜、ベッドで啜り泣く人も少なくないと言ってました

考えるだけでも涙が出てきます。

みんな不安と闘ってます。

「また必ず来て下さい!」

そう言われ、僕は「はい、必ず!」と答えてました。

ホバークラフトで陸に到着。

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自衛隊訪問は終了。

明日は岩手県大槌町。

大槌高校でミニライブ。

と言う事で、今回も宿泊先の盛岡へ移動。

東北道、コンディションが悪く、バウンドし何度も舌を噛みそうになりました。

途中、長者原PAにて、自衛隊の方々に遭遇。

そこで隊員の方に先程頂いた「がんばろう!東北」のステッカーを見せたら、僕らも同じステッカー貼ってるよ!!!と、ヘルメットを指差す。

このステッカーのおかげでコミュニケーションしやすかったです。

自衛隊のトラックに近づき、話しかけたら、荷台からたくさんの自衛隊員が下りて来て、話し込む事に(笑)。

旭川から宮城に派遣されて1ヶ月間、人命救助に死力を尽くし、これから旭川に戻ると。

同郷って事もあり、誇らしかった!

みんな、国民の為に、本当にありがとう!って伝えられた。

「TERUさん!あなたは僕の青春です!」って(笑)

ここでも、GLAY大人気でした。

こう言った出会いがあると、GLAYってバンドが出来る事、たくさん見えてくるんです。

「皆さん、お疲れさまでした!」

そう伝え、お互い、次なる場所へ向かいました。

PM8:00盛岡着。

今計算したら、出発してから18時間しか経ってないのね・・・。

食事をし、団欒。

結構遅くまで、今回の自衛隊訪問の話で盛り上がった。



翌朝、AM6:50。

ホテルロビー集合。

誰も遅刻せず。

優秀です。

さて、向かうは大槌町。

予想では9時半には着く予定。

朝ご飯はおにぎり2個。

そうそう、コンビニ、3週間前の品揃えから見違える程の充実感でした!

10時、大槌高校到着。

10時45分、K1の小比類巻選手の公開スパーリングをテニスコートで実施。

シャイな子達にとっては、とても刺激的な時間だったはずです。

その後、11時15分に音楽室へ移動。

70名くらいだろうか?

音楽室がいっぱいになってました。

マイクなし、音響なし。

素です。

23年間GLAYやってきましたが、初めての体験です。

緊張しました。

第一声。

「こんにちわ!」

「こんにちわ~~~!!!」

安心しました。

さすが女子高生!的な発言も多々あり、場がなごみました。

そう言う流れになった時、みなさんもご存知だと思いますが、本領発揮します(笑)。

楽しかった。

音楽を伝えるって言うより、音楽って、コミュニケーションツールなんだと思った。

音楽を通し、受け取ってくれる方々の心に触れる。

そしてその思いを受け取る。

そんなコミュニケーションを繰り返し続ける事で生まれる絆。

僕らはGLAYを続けてきた事で、そんな環境を作って来てたんだな~って思えた。

そんな思いを胸に、生きてく強さ。

HOWEVER。

Thank you for your love。

PRIDE。

i'm in love で大合唱。

まさかのアンコール。

春を愛する人。

BELOVED。

そして、GLAYの新曲聞いて下さい!愛は勝つ!(みんな大爆笑)

愛は勝つ、大好きなんです。

みんな楽しんでた。

音楽の原点。

ギター1本あれば伝えられる。

メッセージを伝え、音楽室を出ると、皆が外に出て来て歩きながら色んな話を聞かせてくれました。

家も全部流されたけど、コレだけ残りましたと、GLAYのインディーズアルバム、灰とダイヤモンドとベスト盤REVIEWを持って来てくれてました(泣)。

アルバム全部流されたので、また絶対に買い直します!と言ってくれてた方も(泣)。

文化祭に出て下さい!って声もありました。

僕達が出来る事、たくさんあると思いました。

まだまだ復興に時間はかかります。

音楽の力を信じて、僕らなりの活動をしていけたらなと思いました。

また、約束事も増えてしまいまして(笑)。

GLAYとして活動出来てるのも、みんなが支えてくれてるからです。

だから、みんなが辛い時にこそ、僕らが支えになってあげなければ。

きっかけは、そんな単純な思いなんです。

そうそう、キャンディーストリッパーのよしえちゃんから頂いたパーカー300着のうち200着程をここで配らせて頂きました。

みんな喜んでた。

女子高生が「おめーとおそろになっぺよ!」だって。

可愛いじゃね~か~!

よしえちゃん、ありがとう!!!

後ろ髪を引かれる思いで大槌高校を後にし、先程、急遽役所の方にお願いされた場所へ移動。

4カ所の避難場所の方々が集合し、小学校の校庭で花見をしてるので、ひと言でも良いから声をかけて欲しいと。

もちろん、断る理由はありません。

小学校に到着し、大きな輪になっていた中に入ると、大きな拍手が。

もう、嬉しくてたまりませんでした。

花見ですよ、花見!

東京都知事が自粛するよう促した花見を、避難場所ではやっているんです。

勿論、お酒も飲んでますよ。

みなさん笑顔です。

小比類巻君がグローブをはめ、スパーリングを披露。

そうしたら、酔ったお兄さんが出て来て、小比類巻君と共に同行して来た後輩、スパー相手の木村君に、俺に代われとジェスチャー(笑)

みんな大爆笑。

選手交代(笑)

いざ、スパーリング。

逃げ回り笑いを誘う(笑)

そして、小比類巻君のキックを受け、崩れ落ちるマネをして大爆笑。

酔ったお兄さんは、両手を天高く上げ、うぉ~!と叫び自分の場所へ戻って行きました(笑)

大盛り上がりです。

この雰囲気、大事にしたいと思いました。

やっぱ、歌うでしょう!

野外なので、どこまで声が届くか分からないけど、とにかく、思いを込めHOWEVERを歌わせて頂きました。

みんなが手拍子をして、高音の部分を張り上げると、おおお~~~!!!!と聞こえて来る。

心と心が繋がってる心地良さ。

曲を知ってる、知らないではなくて、音楽を通し、通わせる心。

やわらかな風は吹いてました。

みんなに出会えた事に感謝し、その場を後にするんですが、小さな女の子が僕の腕にしがみつき離さない。

きっと、色んな不安を抱えて生活して来てるんだけど、我慢してるんだと察知しました。

ギュ~っと力強く抱きしめて、また絶対に来るからね!って耳元で伝えたら、うん!って(泣)

子供達は我慢してるんです。

大人も大変です。

ちゃんと相手をしてあげられない程大変なんだと思います。

子供達は、必死に堪えてます。

なんとかしてあげなければ・・・。

炊き出しや、物資の支援も大事だと思いますが、それこそ、よしもとの芸人さん達に避難場所に行ってもらって、みんなを笑わせてあげて欲しいと思いました。

今は、必要とされてます。

行く場所行く場所で、色んな方々の思いを受けて、とても考えさせられる事が多いです。

帰り際、物資を届けに、仮設で作られた駐屯地へ。

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そこでも、また偶然が。

今回、新たに配属されたのは、千歳駐屯地の自衛隊員の方々でした。

道産子は、同郷と言うだけで、一気に親近感が湧きます。

そこでもGLAY大人気でした。

「うわ~これで頑張れる~!」

嬉しいじゃないですか(喜)

テントの中を見させて頂いたんですが、以前、とある集積場を見せて貰った時とは全く違い、かなり整理されてる状態でした。

と言うのも、どこの避難場所に、何が必要か?と言う情報を一度収集し、必要な物を自衛隊が運ぶと言ったシステムにやっとなってきたようです。

役所に集まっても、結局はさばききれない状態だった3週間前から比べると、かなり効率が良くなって来てると思います。

でも、自宅避難の方々には物資がまだまだ行き渡らないのも事実。

物資が集積されてるテントを出て、入り口付近を見て回ると、数えきれない程のテントが。

自衛隊の皆さんは、寒い中、何日もの間、テントで過ごし、被災地の復興の為に活動してくれてます。

きっと現地に行かなければ感じられない事なのかもしれません。

僕は、今回、自衛隊の方々の生活をほんの少しだけ見る事ができました。

僕らの想像を遥かに超える辛い日々を送ってると思います。

きっと、みんなの応援が、自衛隊のみなさんの励みになるはずです。

僕も、改めて、自衛隊の皆さんに感謝の気持ちを伝えに、また伺おうと思ってます。

まだまだ復興には時間がかかります。

共に、頑張りましょう!


PS.

今回も、見たまま、感じたままを綴らせて頂きました。

家に戻り、ホッとしたのも束の間。

緊張から解放され、気が緩んでしまったのか?twitterで自分の電話番号を公開してしまうと言う失態を(笑)

でも、全く動じませんでした(笑)

翌日、歌のレコーディング。

音楽の素晴らしさを体感して来たので、勢いに乗って3曲歌ってしまいました。

勢い、凄いです(笑)

その晩、TAKUROが現地の話を聞きたいから久々に2人飲みしようとのお誘い。

感じたままを話ながらの飲み。

やれる事、やりたい事、たくさん話しました。

飲み過ぎました。

身体は疲れたけど、心は元気です!

最後まで読んで頂き、感謝!


海上自衛隊tweetアカウント

@JMSDF_PAO


みんなジョインtweetアカウント(今回も3代目カメラマンとしてリポートしてます)

@minnajohn_photo